『高齢犬の薄毛』放置するとどうなる?脱毛してしまう原因や病院へ行くべきタイミングまで

『高齢犬の薄毛』放置するとどうなる?脱毛してしまう原因や病院へ行くべきタイミングまで

『高齢犬の薄毛の原因』についてまとめました。加齢に伴う体の変化・ホルモン・栄養・環境が脱毛を招くことがあります。愛犬の薄毛が気になるときの病院へ行くべきタイミングを解説します。

お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

高齢犬の薄毛の原因とは

脱毛、ポメラニアン

高齢犬になると、脱毛して薄毛になってしまうことがあります。高齢の薄毛の原因には、加齢に伴う体の変化・ホルモン・栄養・環境などの要因が考えられます。

1.毛包が老化したこと

高齢犬の薄毛の原因は、毛包(毛根)が老化したことです。

新しい毛を生やすための働きが低下してしまいます。また、毛が成長するサイクルも遅くなります。

そうすると、一部分が著しく脱毛したり、全体的に毛が薄くなったりすることがあります。

2.皮膚への栄養の供給が減ったこと

高齢犬の薄毛の原因は、皮膚への栄養の供給が減ったことです。

高齢になると活動量が減り、寝ている時間が長くなります。そうすると、血行が悪くなり、皮膚への栄養の供給が減ってしまうのです。

また、高齢になると心不全などの心臓病を患う犬が増えますが、血行不良を引き起こす要因になり、皮膚への栄養の供給が減ってしまうことがあります。

そして、筋肉が衰えてしまうこと、筋肉が弾力性を失ってしまうことも、皮膚への栄養の供給が減る要因となり、薄毛の原因になることがあります。

3.ホルモンバランスが変化したこと

高齢犬の薄毛の原因は、ホルモンバランスが変化したことです。

高齢になると、ホルモンの分泌が少しずつ低下します。また、乱れやすくもなります。とくにクッシング症候群や甲状腺機能低下症(副腎皮質機能亢進症)が増えるのも高齢犬の特徴です。

甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、代謝が落ちることで皮膚のターンオーバーが遅れたり乱れたりし、毛の再生が鈍くなり、薄毛になることがあります。

クッシング症候群の場合では、コルチゾールが過剰に分泌されるようになることで皮膚が薄くなり、犬の背中やお腹に脱毛や薄毛が見られることがあります。

4.栄養不足と吸収不良

高齢犬の薄毛の原因は、栄養不足と吸収不良です。

高齢になると消化器の働きが弱まり、栄養の吸収が悪くなることで、栄養不足が見られます。栄養が不足すると毛にツヤがなくなったり、ゴワゴワしたり、薄毛になるなどすることがあります。

また、歯や口の中にトラブルを抱えている高齢犬が多く、ごはんを食べたがらないことがあると、栄養不足になり、脱毛や薄毛の原因になることがあります。

5.環境とストレス

高齢犬の薄毛の原因は、環境とストレスです。

高齢になると体の機能が衰えます。目が見えづらくなり、耳が聞こえづらくなります。これまでと同じ環境では暮らしづらさを感じることがあり、ストレスの原因になります。

ストレスによって自律神経が乱れたり、血行が悪くなったりし、毛が生えるために必要な栄養素が運ばれなくなってしまいます。

6.慢性的な病気と薬の副作用

高齢犬の薄毛の原因は、慢性的な病気と薬の副作用です。

長生きするほど持病を抱える高齢犬が増えます。病気や薬の副作用は、代謝や血行に影響を与え、脱毛や薄毛を招くことがあります。

ステロイドなどの薬を長期間にわたって使用している場合では、毛質にも大きな影響を与え、急激に薄毛が進んでしまうことがあります。

病院へ行くべきタイミング

手のひらに抜け毛

次のような症状があるときは、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。

  • 脱毛や薄毛が急激に進行した
  • 左右対称に脱毛と薄毛がある
  • 皮膚が赤くなっている
  • 皮膚を異常に痒がる
  • フケが大量に出ている
  • フケがベタベタしている
  • 皮膚から体臭とは違う嫌なニオイがする
  • 食欲がなくごはんを食べない
  • 体重が減ってきている
  • 多飲多尿がある

まとめ

老犬、茶のダックス

高齢犬の薄毛の原因を6つ解説しました。

  • 毛包が老化したこと
  • 皮膚への栄養の供給が減ったこと
  • ホルモンバランスが変化したこと
  • 栄養不足と吸収不良
  • 環境とストレス
  • 慢性的な病気と薬の副作用

高齢犬の脱毛は単なる老化現象ではない場合があります。病気が要因なのであれば、飼い主も気づかぬうちに少しずつ進行していることがあります。

愛犬が高齢になり、毛にツヤがなくなったな…パサパサしているな…と感じられることがあれば、運動・食事・栄養・環境などを見直してみるとよいでしょう。獣医師にも気軽に相談してくださいね。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。