高齢犬の薄毛の原因とは

高齢犬になると、脱毛して薄毛になってしまうことがあります。高齢の薄毛の原因には、加齢に伴う体の変化・ホルモン・栄養・環境などの要因が考えられます。
1.毛包が老化したこと
高齢犬の薄毛の原因は、毛包(毛根)が老化したことです。
新しい毛を生やすための働きが低下してしまいます。また、毛が成長するサイクルも遅くなります。
そうすると、一部分が著しく脱毛したり、全体的に毛が薄くなったりすることがあります。
2.皮膚への栄養の供給が減ったこと
高齢犬の薄毛の原因は、皮膚への栄養の供給が減ったことです。
高齢になると活動量が減り、寝ている時間が長くなります。そうすると、血行が悪くなり、皮膚への栄養の供給が減ってしまうのです。
また、高齢になると心不全などの心臓病を患う犬が増えますが、血行不良を引き起こす要因になり、皮膚への栄養の供給が減ってしまうことがあります。
そして、筋肉が衰えてしまうこと、筋肉が弾力性を失ってしまうことも、皮膚への栄養の供給が減る要因となり、薄毛の原因になることがあります。
3.ホルモンバランスが変化したこと
高齢犬の薄毛の原因は、ホルモンバランスが変化したことです。
高齢になると、ホルモンの分泌が少しずつ低下します。また、乱れやすくもなります。とくにクッシング症候群や甲状腺機能低下症(副腎皮質機能亢進症)が増えるのも高齢犬の特徴です。
甲状腺ホルモンの分泌が低下すると、代謝が落ちることで皮膚のターンオーバーが遅れたり乱れたりし、毛の再生が鈍くなり、薄毛になることがあります。
クッシング症候群の場合では、コルチゾールが過剰に分泌されるようになることで皮膚が薄くなり、犬の背中やお腹に脱毛や薄毛が見られることがあります。
4.栄養不足と吸収不良
高齢犬の薄毛の原因は、栄養不足と吸収不良です。
高齢になると消化器の働きが弱まり、栄養の吸収が悪くなることで、栄養不足が見られます。栄養が不足すると毛にツヤがなくなったり、ゴワゴワしたり、薄毛になるなどすることがあります。
また、歯や口の中にトラブルを抱えている高齢犬が多く、ごはんを食べたがらないことがあると、栄養不足になり、脱毛や薄毛の原因になることがあります。
5.環境とストレス
高齢犬の薄毛の原因は、環境とストレスです。
高齢になると体の機能が衰えます。目が見えづらくなり、耳が聞こえづらくなります。これまでと同じ環境では暮らしづらさを感じることがあり、ストレスの原因になります。
ストレスによって自律神経が乱れたり、血行が悪くなったりし、毛が生えるために必要な栄養素が運ばれなくなってしまいます。
6.慢性的な病気と薬の副作用
高齢犬の薄毛の原因は、慢性的な病気と薬の副作用です。
長生きするほど持病を抱える高齢犬が増えます。病気や薬の副作用は、代謝や血行に影響を与え、脱毛や薄毛を招くことがあります。
ステロイドなどの薬を長期間にわたって使用している場合では、毛質にも大きな影響を与え、急激に薄毛が進んでしまうことがあります。
病院へ行くべきタイミング

次のような症状があるときは、なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。
- 脱毛や薄毛が急激に進行した
- 左右対称に脱毛と薄毛がある
- 皮膚が赤くなっている
- 皮膚を異常に痒がる
- フケが大量に出ている
- フケがベタベタしている
- 皮膚から体臭とは違う嫌なニオイがする
- 食欲がなくごはんを食べない
- 体重が減ってきている
- 多飲多尿がある
まとめ

高齢犬の薄毛の原因を6つ解説しました。
- 毛包が老化したこと
- 皮膚への栄養の供給が減ったこと
- ホルモンバランスが変化したこと
- 栄養不足と吸収不良
- 環境とストレス
- 慢性的な病気と薬の副作用
高齢犬の脱毛は単なる老化現象ではない場合があります。病気が要因なのであれば、飼い主も気づかぬうちに少しずつ進行していることがあります。
愛犬が高齢になり、毛にツヤがなくなったな…パサパサしているな…と感じられることがあれば、運動・食事・栄養・環境などを見直してみるとよいでしょう。獣医師にも気軽に相談してくださいね。



