犬のストレスになりうる生活音4つ

1.電話やインターホン
電話の着信音やインターホンの音が鳴ると、犬が吠えたり驚いたりすることがあります。
電話やインターホンの音は、他の生活音に紛れずに来客などをしっかりと聞き取れるように、大きく響くような音で設定されている傾向があります。
そのため、家の中でリラックスしていた犬が、これらの音に驚いてしまうのも無理はないでしょう。
びっくりした拍子に、反射的に吠えてしまったり音の発生元を探すために慌てた様子を見せたりすることも多くあります。
また、来客が苦手な犬の場合は、来客を知らせるインターホンの音にストレスを感じることも考えられます。そのほかにも、「電話が鳴ったあとに飼い主さんが出かけてしまう」といった経験があると、電話の音を嫌がるようになることもあるようです。
2.テレビやスピーカー
最近はテレビやスピーカーの性能が上がっていて、とても迫力のある音を楽しめるようになっています。
部屋の数か所にスピーカーを置いて、厚みのある音とともに映画や音楽、ゲームを楽しんでいる人も多いと思います。
それらは飼い主さんの趣味や楽しみだと思いますが、実は犬にとってはストレスになっていることもあります。
単純に大きく騒がしい音を不快に感じることもありますし、人間のように「いつどのような音が鳴るか」を予測できないため、余計に不安や恐怖を感じやすいということも考えられます。
3.掃除機やドライヤー
掃除機やドライヤーなどの家電の音は、他の音をかき消すほど大きいことが多く、犬が怖がってストレスを感じることがあります。
これらの音は、排気音だけでなくモーターの稼働音や金属音なども混ざっているため、犬が不快感を感じることもあるでしょう。
また、その家電そのものに対して怖い思いをしたことがあり、音を聞くことでそれを思い出してしまうことも考えられます。
大きな音を立てながら近づいてくる掃除機を怖いと感じる犬は多くいますし、体を乾かすときに長時間体を抑えられたり熱い思いをしたりしてドライヤーを嫌いになってしまう犬もいるでしょう。
4.家電の終了音や警告音
電子レンジや炊飯器、洗濯機など、稼働が終了したときに知らせるための音を発する家電も多くあります。
また、最近の住宅では必須となっている火災報知器などは電池切れを知らせるために、大きな音を発します。
こうした家電の終了音や電池切れを知らせる音は犬に大きなストレスを与えるということが、アメリカ・カリフォルニア大学でおこなわれた調査によってわかりました。
トラブルを防ぐための警告音や遠くにいても聞こえるような通知音は、高周波を発する音が多く使用されているため、犬の耳には強い刺激となりやすいのです。
音を怖がってしまう原因や対策のコツ

犬が生活音を怖がったりストレスを感じたりする原因には、以下のようなことが考えられます。
- 音が大きくて驚く
- 耳障りな音域で不快感を感じる
- 知らない音に不安を感じる
- 音に関連するトラウマがある
子犬や室内で暮らした経験のない犬の場合、未知の音を聞いたとき、何が起こるかわからず不安になってしまうことがあります。
このような場合は、様々な音を聞かせて慣らしていくことが必要です。音の社会化を進めることは、犬が人間社会で共に暮らすためにとても必要なことだと思います。
特定の音に対してストレスや不安を感じている場合は、その音に対するイメージを変えるためのトレーニングが必要です。Youtubeや音源CDなどを利用して、ごく小さな音で聞かせながらおやつをあげたりおもちゃ遊びをしたりして、いいイメージを持たせてあげましょう。
また、犬が音を聞いて極端に怖がっているときは、飼い主さんはあえて落ち着いた様子を見せるようにしてください。
飼い主さんも一緒になって慌てたり騒いだりすると、犬はさらに不安を感じてしまい、その音に対する警戒心を強めてしまう可能性があります。
犬が慌てていても、ゆっくり穏やかなトーンで声かけをして、何事もないかのように冷静に対応するように意識してみてください。
まとめ

犬は聴覚が優れていて、音が大きく聞こえたり、幅広い音域の音を聞き取れたりします。
それは犬の素晴らしい能力のひとつですが、人間と一緒に生活をしている中では、不安やストレスを抱える原因になってしまうこともあります。
人間の聴覚や物に対する認識との違いをしっかりと理解したうえで、犬が生活音にストレスを感じにくいように工夫や配慮をしてあげてくださいね。



