犬に顔を舐められると起こりうるリスク

犬が飼い主の顔を舐めるのは、信頼の証であり、愛情表現のひとつです。愛犬に顔を舐められたとき、愛おしく感じられるのではないでしょうか。
犬の口の中には様々な細菌が存在しています。犬に顔を舐められたとき、微小な傷口から侵入した細菌によって、健康上のリスクを負わなければならないことがあります。
犬に顔を舐められると起こりうるリスクを5つ解説しますので、愛犬とのスキンシップやコミュニケーションの方法を見直してみましょう。
1.細菌に感染する恐れがある
犬に顔を舐められると起こりうるリスクは、細菌に感染する恐れがあるということです。
犬の口の中には、カプノサイトファーガ・カニモルサスという常在菌がいます。犬に顔を舐められた人の健康に問題がなければ、感染する確率は低いと言えます。
風邪を引いているとき、疲れが溜まっているときは、免疫力の低下によって、感染する恐れがあります。
また、高齢者、糖尿病患者、ステロイドによる治療中である人は、感染する確率が高くなります。感染した場合、敗血症や髄膜炎を引き起こす恐れがあるため注意しましょう。
2.寄生虫に感染する恐れがある
犬に顔を舐められると起こりうるリスクは、寄生虫に感染する恐れがあるということです。
犬の唾液には、糞便由来の寄生虫の卵が付着していることがあります。愛犬が寄生虫に感染していない場合でも、お散歩中に他犬の排泄物に触れてしまったとき、取り込まれてしまうことがあります。
犬に顔を舐められたとき、口や鼻の粘膜から寄生虫の卵が入り込んでしまうと、消化器症状が引き起こされたり、皮膚症状が引き起こされたりする恐れがあります。
3.食中毒になる恐れがある
犬に顔を舐められると起こりうるリスクは、食中毒になる恐れがあるということです。
犬の口の中には様々な細菌が存在しており、その中には、サルモネラ菌や大腸菌、カンピロバクターなどが存在している可能性があります。
犬に顔を舐められたとき、微小な傷口からサルモネラ菌や大腸菌、カンピロバクターが侵入すると、食中毒による下痢や嘔吐や発熱などの症状がみられることがあります。
幼い子供や高齢者の体に侵入した場合では、重症化しやすいため注意しましょう。
4.アレルギー反応が引き起こされる恐れがある
犬に顔を舐められると起こりうるリスクは、アレルギー反応が引き起こされる恐れがあるということです。
犬の唾液に含まれるタンパク質成分は、人間にとって、アレルゲンとなって作用することがあります。舐められた部分に赤み・かゆみ・湿疹などの症状がみられます。
アトピー性皮膚炎である人の場合では、症状を悪化させる要因となってしまう恐れもあります。
犬に顔を舐めることをやめさせる方法

犬に顔を舐められても無反応でいましょう。反応してしまうと、「喜ばれた」「褒められた」「楽しんでくれている」などと勘違いさせてしまうことがあるためです。
叱る必要はありませんが、「ダメ」「いけない」と、優しく声をかけてもよいと思います。
顔を舐めようとした犬に「ダメ」「いけない」と優しく声をかけ、舐めることをやめてくれたときは、しっかりと褒めてあげましょう。ご褒美のおやつを与えても大丈夫です。
まとめ

犬に顔を舐められると起こりうるリスクを4つ解説しました。
- 細菌に感染する恐れがある
- 寄生虫に感染する恐れがある
- 食中毒になる恐れがある
- アレルギー反応が引き起こされる恐れがある
犬が飼い主の顔を舐めるのは愛情表現のひとつですが、感染症にかかるなどの健康上のリスクを伴う恐れがあります。
風邪などで免疫力が低下しているとき、高齢者や闘病中である人、免疫力の弱い幼い子供はとくに注意しましょう。
舐められた部分に痒みなどの症状がみられるときは、なるべく早く医師に相談しましょう。



