犬を精神的に傷つける絶対にNGな行為4選

犬との関係を築くうえで大切なことには「安心感」があります。どれだけ愛情を注いでいても、その伝え方を間違えると犬の心は簡単に折れてしまいます。特に、飼い主さんが感情的になったり、支配的な態度をとったりする行為は、犬にとって大きなストレスになるでしょう。
ここでは、犬の信頼を壊してしまう可能性があるNG行為を4つ紹介します。
1.怒鳴りつける
大きな声で怒鳴っても、犬はなぜ怒られているのか理解できません。人間にとっては叱っているつもりでも、犬にとっては「飼い主さんが突然大きな声を出して怒りだした」という恐怖体験にしかなりません。その結果、委縮したり、飼い主さんの顔色をうかがったりするようになります。
犬は声のトーンや表情で感情を読み取ります。怒鳴ったり、大きな声を出したりしなくても、低く静かな声で「ダメ」「いけない」と言うだけで犬には伝わりますし、恐怖感を与えません。犬にとって、怒鳴ることはしつけではなく、ただの脅しになってしまうのです。
2.叩く等の体罰を与える
体罰は、犬の心に深い傷を残す最悪の行為です。一時的に行動を止める効果があるように見えても、それは「怖くて動けなくなっている」だけでしかありません。飼い主さんへの信頼は完全に失われ、怯えや攻撃的な行動につながることもあります。
犬はなぜ叩かれるのか理解できません。体罰を与えるしつけは、なにが悪かったのかも分からず、ただ恐怖心を植え付けるだけです。しつけとは、体罰を与えることではありません。望ましい行動を褒めて導く方法が本来のしつけです。
3.無視をする
犬にとって飼い主さんから無視されることは、強い孤独と混乱を意味します。特に、甘えたいときや不安なときに無視されると、犬は「自分は嫌われた」と感じてしまうでしょう。
問題行動を減らすためにあえて無視する方法もありますが、それは犬が冷静な状態でのみ有効です。感情的な「無視」は、犬を精神的に追い詰める行為になります。
犬は群れで暮らす動物ですから、仲間である飼い主さんとのつながりをとても大切にします。そのつながりを断つように無視することは、犬を精神的に傷つける行為になりえるのです。
4.行動の制限・我慢をさせる
「静かにしてほしい」「汚されたくない」といった人間の都合で、犬に過度な我慢を強いるのもNGです。十分な運動時間がない、外出や遊びを制限される、トイレの機会を奪われる。これらはすべて犬のストレスになりますし、精神的にも傷つきます。
犬の行動や気持ちを抑え込み続ければ、無気力や問題行動につながる可能性も否定できません。犬は運動が大好きですし、ニオイを嗅ぐ、音を聞く、感じることで心身のバランスを保っているとも言えます。
犬の精神の健康を守るためには、自然な欲求を理解し、尊重することが大切です。
失った信頼を取り戻すためにできること

一度壊れた信頼を取り戻すのは簡単ではありませんが、不可能ではありません。
傷つけてしまった犬との信頼関係を取り戻すには、これまでのNG行動を避けると共に、一貫した態度で接することが重要です。愛犬が安心できるよう、規則正しい生活リズムを心がけ、落ち着ける環境を整えましょう。
また「飼い主さんといると良いことがある」というポジティブな経験を繰り返し積ませることが不可欠です。さらに、大好物のなおやつを使った褒めるしつけや、犬のペースを尊重したスキンシップ、一緒に楽しめる遊びの時間を増やします。
無理に距離を詰めず、愛犬の行動や感情をよく観察し、時間をかけて焦らず接することが大切です。場合によっては、専門家への相談を検討しましょう。
まとめ

犬を精神的に傷つける行為は、たとえ一瞬でも信頼関係に深いひびを入れかねません。
怒鳴る、叩く、無視する、我慢を強いるといった行動は、犬に「愛されていない」と感じさせる行為です。逆に言えば、これらをやめて「安心と信頼」を意識するだけで愛犬の信頼を得られるでしょう。
犬にとって、飼い主さんは世界の中心です。あなたの一言やしぐさが、犬の心を救うことも、傷つけることもあります。犬との幸せな共同生活は、飼い主さんの心構え次第でもあるのです。



