犬を『精神的に傷つける』絶対NG行為4選 信頼関係が崩壊する飼い主の行動や信用を取り戻す方法まで

犬を『精神的に傷つける』絶対NG行為4選 信頼関係が崩壊する飼い主の行動や信用を取り戻す方法まで

犬は非常に繊細な心を持つ生き物です。飼い主さんの言葉や態度ひとつで深く傷つき、信頼を失ってしまうことがあります。今回は、犬を精神的に追い詰めてしまう絶対NGな行為と、壊れてしまった信頼を取り戻すためにできることを解説します。知らず知らずのうちに傷つけていないか、今一度見直してみましょう。

お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬を精神的に傷つける絶対にNGな行為4選

指を差され叱られている犬

犬との関係を築くうえで大切なことには「安心感」があります。どれだけ愛情を注いでいても、その伝え方を間違えると犬の心は簡単に折れてしまいます。特に、飼い主さんが感情的になったり、支配的な態度をとったりする行為は、犬にとって大きなストレスになるでしょう。

ここでは、犬の信頼を壊してしまう可能性があるNG行為を4つ紹介します。

1.怒鳴りつける

大きな声で怒鳴っても、犬はなぜ怒られているのか理解できません。人間にとっては叱っているつもりでも、犬にとっては「飼い主さんが突然大きな声を出して怒りだした」という恐怖体験にしかなりません。その結果、委縮したり、飼い主さんの顔色をうかがったりするようになります。

犬は声のトーンや表情で感情を読み取ります。怒鳴ったり、大きな声を出したりしなくても、低く静かな声で「ダメ」「いけない」と言うだけで犬には伝わりますし、恐怖感を与えません。犬にとって、怒鳴ることはしつけではなく、ただの脅しになってしまうのです。

2.叩く等の体罰を与える

体罰は、犬の心に深い傷を残す最悪の行為です。一時的に行動を止める効果があるように見えても、それは「怖くて動けなくなっている」だけでしかありません。飼い主さんへの信頼は完全に失われ、怯えや攻撃的な行動につながることもあります。

犬はなぜ叩かれるのか理解できません。体罰を与えるしつけは、なにが悪かったのかも分からず、ただ恐怖心を植え付けるだけです。しつけとは、体罰を与えることではありません。望ましい行動を褒めて導く方法が本来のしつけです。

3.無視をする

犬にとって飼い主さんから無視されることは、強い孤独と混乱を意味します。特に、甘えたいときや不安なときに無視されると、犬は「自分は嫌われた」と感じてしまうでしょう。

問題行動を減らすためにあえて無視する方法もありますが、それは犬が冷静な状態でのみ有効です。感情的な「無視」は、犬を精神的に追い詰める行為になります。

犬は群れで暮らす動物ですから、仲間である飼い主さんとのつながりをとても大切にします。そのつながりを断つように無視することは、犬を精神的に傷つける行為になりえるのです。

4.行動の制限・我慢をさせる

「静かにしてほしい」「汚されたくない」といった人間の都合で、犬に過度な我慢を強いるのもNGです。十分な運動時間がない、外出や遊びを制限される、トイレの機会を奪われる。これらはすべて犬のストレスになりますし、精神的にも傷つきます。

犬の行動や気持ちを抑え込み続ければ、無気力や問題行動につながる可能性も否定できません。犬は運動が大好きですし、ニオイを嗅ぐ、音を聞く、感じることで心身のバランスを保っているとも言えます。

犬の精神の健康を守るためには、自然な欲求を理解し、尊重することが大切です。

失った信頼を取り戻すためにできること

頭をくっつける合う犬と女子

一度壊れた信頼を取り戻すのは簡単ではありませんが、不可能ではありません。

傷つけてしまった犬との信頼関係を取り戻すには、これまでのNG行動を避けると共に、一貫した態度で接することが重要です。愛犬が安心できるよう、規則正しい生活リズムを心がけ、落ち着ける環境を整えましょう。

また「飼い主さんといると良いことがある」というポジティブな経験を繰り返し積ませることが不可欠です。さらに、大好物のなおやつを使った褒めるしつけや、犬のペースを尊重したスキンシップ、一緒に楽しめる遊びの時間を増やします。

無理に距離を詰めず、愛犬の行動や感情をよく観察し、時間をかけて焦らず接することが大切です。場合によっては、専門家への相談を検討しましょう。

まとめ

寝転ぶ女性と犬

犬を精神的に傷つける行為は、たとえ一瞬でも信頼関係に深いひびを入れかねません。

怒鳴る、叩く、無視する、我慢を強いるといった行動は、犬に「愛されていない」と感じさせる行為です。逆に言えば、これらをやめて「安心と信頼」を意識するだけで愛犬の信頼を得られるでしょう。

犬にとって、飼い主さんは世界の中心です。あなたの一言やしぐさが、犬の心を救うことも、傷つけることもあります。犬との幸せな共同生活は、飼い主さんの心構え次第でもあるのです。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。