ある学術サイトで驚きの発表が・・・
犬は人間で言いますと2~4歳くらいの知恵があると言われています。だとしたら人をだましても理論上おかしくないはずです。
実はある研究結果が話題となっています。
『犬は経験を通じて嘘をつく事が出来る』
【Animal Cognition】と言う学術サイトに、『犬は経験を通じて学習し、戦略的に嘘をつく事が出来る』と言う論文が発表されました。
スイスにあるチューリッヒ大学の研究者マリアン・ヘバーライン氏は、ある日自分の愛犬達が取る不思議な行動を目にしました。それは、2匹の内の1匹が相手の注意を逸らしておいて、その隙に相手の寝床を奪ってしまった、というものでした。
この様子を見ていたヘバーライン氏は、『犬は人間に対してもこの様な老獪(ろうかい)な行動を取るのであろうか?』と考えたそうです。そして、それを解き明かすための研究結果があると言うのです。
さて、果たしてそれはどんな研究結果なのでしょうか?
犬は利益が最大となる戦略を選んで人をだます
結論として、犬は『自分の利益のために人をだます』ことがあるそうです。これにつきましては次の様な実験が行われています。
ヘバーライン氏率いる研究チームによる実験
その内容は、初対面である3人の人間と犬がパートナーとなり、
- 1人はご褒美をくれる『協力的な人』。
- 1人はご褒美を見せるだけで与えない『非協力的な人』。
- 1人は大好物なご褒美をくれる『超協力的な人』。
この編成で訓練が開始されました。訓練内容は、パートナーの人をご褒美の入った箱に誘導するというもの。
訓練通り犬が人間をご褒美の入った箱まで誘導すると「協力的な人」は犬にご褒美を与えます。
しかし「非協力的な人」は犬が箱まで誘導してもご褒美を与えません。
そして「超協力的な人」を箱に誘導した場合は、箱に入っている全てのご褒美を与えると言う3つのシーンを作りました。
こうした段階を経て、今度は犬の前に3つの箱を提示します。
- 1つ目の箱には犬が大好物である美味しいソーセージ。
- 2つ目の箱にはそれほど好物でないビスケット。
- 3つ目は空の箱。
次に犬に対して、この3つの箱のどれかに3人のパートナーを1人づつを誘導する様に命じます。
すると犬は非協力的な人を大好物であるソーセージの入った箱へは連れて行かずに、空の箱ばかりへと導いたのです。また協力的な人に対しても空箱へと導いたそうです。
そして超協力的に対してだけソーセージの入った箱に連れて行ったそうです!
これは、『自分が全てのご褒美をもらえる唯一の方法を考えて行動した』とヘバーライン氏は確信し論文の中で語っているそうです。
つまり犬は『利益が最大となる戦略』を選んで人をだますのです!
これは驚きの研究結果ですね!
犬の知能は人間の2~4歳くらいだとと言われていますが、実際はもっとレベルが高い様な気がします。犬も人間と共に成長しながら進化して、更に賢くなって行くのではないでしょうか。
犬は無駄な行動はしない
『犬は無駄だと思った行動はしない』と言う興味深い研究結果があります。
それは米国エール大学の研究センター(the Canine Cognition Center at Yale)より発表されています。
実験は様々な犬種の家庭犬40匹により実施されました。
研究者は箱の中にオヤツを入れ取り出し方を教えます。
犬がオヤツを獲得するためには『箱の蓋を開ける』という行動だけで良いのですが、研究者達は箱の側面に付属レバーを取り付けて、レバーを押してから蓋を開けると言う無駄な行動をワンクッション加えました。
もちろんレバーを押す行為など、オヤツを獲得するのには何の影響も与えません。そして箱開け訓練終了後、研究者は部屋から退出して状況を見守りました。
すると犬は、最初は訓練通りレバーを押してから箱の蓋を開けオヤツを獲得していたのですが、何度かオヤツにありついてるうちに、レバーを押さなくても獲得できる事に気づいたのです!それからと言うもの、レバーを押すと言う無駄な行動を無視する様になっていきました。
『犬達は非常に社会的な動物だが、関係ない行動まで真似するほど他者に合わせるのではない』と筆頭著者のジョンソン氏は語っているそうです。
まとめ
これらの研究結果により、犬の学習能力の高さは私の想像を遥かに超えていましたので、犬の賢さには改めて驚かされました!だますと言う行為は群れで狩りをする動物には必要不可欠ではないでしょうか。食料に有りつけなければ彼らにとって死活問題となりますからね。
犬も曽ては野生時代に群れで狩りをしていましたので、そう言う意味ではだます行為もごく自然な事なのでしょう。
我が家の愛犬も時々私をだます事があります。
オヤツを与える時ですが、凄くお腹が空いている時など1個では気が済まないのか、手渡ししてもソッポを向いて食べないふりをします。
最初は、『食べたいのはこのオヤツではないのか?』と思って別のオヤツを見せると、結局2つのオヤツを食べてしまうのです。この行為は頻繁には行いませんので私はだまされたふりをしています。
おそらく皆様のワンちゃんも、オヤツ獲得のために飼い主さんを意図的にだましているのではないでしょうか?
▼関連サイト
Animal Cognition
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