チューバッカのモデルになった犬種とは?
映画「スター・ウォーズ」シリーズの人気キャラクター、チューバッカのモデルになった犬種は、極寒の地でそり犬として活躍してきたアラスカン・マラミュートです。この事実は、制作者であるジョージ・ルーカス監督自身の証言によって明らかにされています。
キャラクター創造の背景には、監督と一頭の愛犬とのエピソードが存在します。そして、アラスカン・マラミュートという犬種の特性は、チューバッカが持つ忠誠心や力強さといった魅力とも深く関連しています。
インスタグラムやTikTok(ティックトック)などSNSでは、チューバッカのモデル犬として「ブリュッセル・グリフォン」の名前が上がっているようですが、実際は誤った情報のようです。見た目が似ているというだけで誤った情報が拡散されて、定着してしまったようです。
実際に海外の情報を確認すると「チューバッカのモデルはジョージ・ルーカス監督の愛犬アラスカン・マラミュート」と記載されておいことが多く、海外では通説のようです。
着想の源は助手席の「毛むくじゃらの副操縦士」
インスピレーションの源泉となったのは、ルーカス監督が当時飼育していたアラスカン・マラミュートの「インディアナ」です。監督が脚本を執筆している間、インディアナは常に彼の傍らにいたと伝えられています。
特に象徴的なのは、ドライブ中のエピソードです。監督が車を運転する際、大型犬で体の大きなインディアナは、常に助手席を占めていました。
その姿は人間と見紛うほどであり、ルーカス監督の目には「毛むくじゃらの副操縦士」そのものとして映り、ハン・ソロの忠実な相棒という着想に直接結びつきました。
なお、この愛犬「インディアナ」は、後に制作された映画『インディ・ジョーンズ』の主人公の名前の由来になったことでも広く知られています。
アラスカン・マラミュートはどんな犬?
アラスカン・マラミュートは、オオカミを彷彿とさせる威厳のある外見を持ちますが、その内面は穏やかで愛情深いことで知られます。体重35kgを超える大型犬に分類され、アラスカの厳しい自然環境下で、そりを引くという形で人間と協働してきた長い歴史を持ちます。
その性格は飼い主や家族に対して非常に忠実であり、チューバッカがハン・ソロに見せる絶対的な忠誠心を彷彿とさせます。ただし、そり犬としての歴史から自立心が強く、時に頑固な一面を見せることもあります。
極寒の地で生まれた犬種のため、日本の高温多湿な気候は得意ではありません。また、非常に豊富な運動量を必要とし、その大きな体と力を適切にコントロールするためには、幼い頃からの体系的なしつけと、飼い主との深い信頼関係の構築が不可欠です。
チューバッカみたいな犬はどんな犬種?
公式のモデルはアラスカン・マラミュートですが、SNS上では多くの飼い主が自身の愛犬をチューバッカになぞらえ、写真を投稿しています。中には、公式モデルと誤解されるほど話題となった犬種も存在します。
SNSで誤解が広まった「ブリュッセル・グリフォン」

チューバッカに外見が似ている犬種の代表例が、ベルギー原産のブリュッセル・グリフォンです。しかし、これは公式のモデルというわけではなく、あくまで外見の類似性からSNSを中心に話題となり、一部で誤情報が拡散されたものです。
似ていると言われる最大の理由は、その人間味あふれる表情にあります。特に、口周りや顎に伸びた豊かな飾り毛が、チューバッカの顔つきを想起させます。
ある特定の写真が「チューバッカに酷似している」として急速に拡散したことが、この誤解が定着する一因となりました。
ブリュッセル・グリフォンはどんな犬?
ブリュッセル・グリフォンは、体重3.5kg~6kg程度の小型犬です。その起源は古く、元来はベルギーのブリュッセルで馬小屋のネズミを駆除する役割を担っていました。19世紀にパグなどと交配されたことで、現在の愛嬌ある短い鼻と大きな瞳を持つ姿が形成されました。
性格は陽気で遊び好き、飼い主に深い愛情を注ぎます。賢く物覚えも良いですが、テリアの気質を受け継いでいるため、頑固で警戒心の強い一面も持ち合わせています。
「グリフォン」とは「針金のような毛」を意味し、硬く粗い被毛が特徴ですが、中にはスムースコートの「プチ・ブラバンソン」という種類も存在します。
ほかにもいる!チューバッカ似の犬種たち
SNSのハッシュタグ「#チューバッカ犬」では、多種多様な犬種が見られます。例えば、チベット高原原産の超大型犬「チベタン・マスティフ」は、その大きな体躯と豊かな被毛がチューバッカの姿と重なります。
また、「シーズー」や「ペキニーズ」といった小型犬も、顔周りの毛の生え方やトリミング、そしてふとした瞬間の表情がチューバッカに見えるとして、飼い主による投稿で注目されています。
SNSではハッシュタグ「#チューバッカ犬」がブームに
「#チューバッカ犬」や海外での「#ChewbaccaDog」といったハッシュタグは、単に似ている犬を探すという域を超え、有る種の「文化」としてSNSで定着しつつあります。
このハッシュタグをみると、飼い主たちがいかに愛犬が好きなのかよくわかります。世界的人気キャラクターになぞらえたユニークな表情や姿の写真と、ユーモアを交えた紹介文を投稿することで、一種のコミュニケーション手段として楽しんでいるようです。
また、「チューバッカに似ている」という共通のテーマがあれば、国境を越えた飼い主同士でもコミュニケーションが生まれ、愛犬の何気ない日常から様々な交流が生まれる事もあります。
このブームは、「スター・ウォーズ」という人気カルチャーが「世界をつなぐ言語」になっているようにも見えます。
まとめ
スター・ウォーズの人気キャラクター、チューバッカの公式モデルは、ジョージ・ルーカス監督の愛犬であった大型犬「アラスカン・マラミュート」です。監督が車の助手席に乗せた愛犬の姿が、ハン・ソロの「毛むくじゃらの副操縦士」というキャラクターの着想源となりました。
一方で、SNSではそのユニークな表情から小型犬「ブリュッセル・グリフォン」がモデルであるという誤解が広まりましたが、これは事実ではありません。
現在では犬種を問わず、多くの飼い主が「#チューバッカ犬」のハッシュタグで愛犬の写真を投稿し、作品への愛とペットへの愛が結びついた一つのカルチャーを形成しています。