犬の『健康寿命を延ばす』方法7選 愛犬を長生きさせる秘訣やNG行為まで

犬の『健康寿命を延ばす』方法7選 愛犬を長生きさせる秘訣やNG行為まで

愛犬が心身ともに元気で長く生きるための健康寿命を延ばす方法を具体的に紹介します。日々の生活で実践できる長生きの秘訣や、飼い主が知らずに行っているNG行為をまとめました。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬の「健康寿命を延ばす」方法7選

食事と犬

1.質の高い食事管理と適切な体重の維持

愛犬の健康寿命を延ばすための基本は、質の高い食事の提供と、理想的な体型の維持です。犬のライフステージ(子犬、成犬、高齢犬)や体質、活動量に応じて、必要なカロリーと栄養素を過不足なく摂取できるフードを選びましょう。

特にタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルがバランス良く含まれていることが重要です。その上で、過剰な体重増加(肥満)を防ぐようにしましょう。肥満は、糖尿病や関節炎、心臓病などの多くの病気のリスクを高め、健康寿命を縮める最大の要因となります。

フードやおやつの量を正確に量り、愛犬の肋骨に触れられる程度の適切な体重を維持することで、体の負担を減らし、病気のリスクを最小限に抑えられます。

2.毎日の適度な運動と遊びで筋力・心肺機能を保つ

犬の健康寿命を延ばすためには、身体機能の維持が不可欠です。毎日の適度な運動と遊びは、筋力の低下を防ぎ、心肺機能を健全に保つ上で重要な役割を果たします。

散歩やドッグランでの自由運動、愛犬が楽しむボール遊びや引っ張りっこなどを通じて、関節の可動域を保ち、血行を促進させましょう。

特に高齢になると運動量が減りがちですが、緩やかな坂道を歩く、水中で歩くなど、愛犬の年齢や体調に合わせた無理のない範囲で、日々の活動量を確保することが大切です。

運動は体の健康だけでなく、愛犬の精神的な満足度を高め、ストレス解消にもつながり、結果的に長生きに貢献します。

3.歯磨きやデンタルケアを徹底し、口腔内の健康を守る

歯磨きを中心としたデンタルケアの徹底は、愛犬の健康寿命を大きく左右する重要な要素です。歯周病は、歯周病菌が歯茎から血管に入り込み、心臓、腎臓、肝臓など全身の臓器に悪影響を及ぼし、重篤な病気を引き起こす原因となることが知られています。

そのため、毎日の歯磨きで歯垢の蓄積を防ぐことが、病気の予防につながります。歯磨きが難しい場合は、デンタルガムや歯みがき効果のあるおもちゃなどを活用しましょう。

また、定期的に獣医師による口腔内のチェックを受け、必要に応じて歯石除去などの専門的なケアを行うことで、全身の健康を守り、愛犬が最期まで自分の口で食事ができる状態を維持できます。

4.定期的な健康診断と予防接種・ノミダニ予防

病気の早期発見・早期治療は、犬の長生きに直結します。定期的な健康診断を少なくとも年に一度、高齢期に入ったら年に二度受けることを強く推奨します。血液検査やレントゲン、エコー検査などを通じて、愛犬が自覚症状を示す前に隠れた病気の兆候を発見できます。

また、予防接種は、致死的な感染症から愛犬を守り、ノミ・ダニ予防やフィラリア予防は、媒介される寄生虫病から体を守るために必須の措置です。これらの予防的な医療ケアは、病気を未然に防ぎ、愛犬が健康でいられる期間を延ばすための、飼い主として最も基本的な責務と言えます。

5.質の高い睡眠と安心できる生活環境の提供

愛犬の心身の健康を維持し長生きさせるためには、質の高い睡眠と安心できる生活環境が不可欠です。犬は一日の大半を寝て過ごすため、静かで温度・湿度が適切に保たれた、愛犬専用の安心できる寝床(クレートやベッド)を用意しましょう。

また、室内の段差を解消したり、滑りにくい床材に変えたりするバリアフリー化は、特に高齢期の関節疾患や転倒による怪我を予防し、安全性を高めます。

騒音や見知らぬ人・犬の気配などのストレス要因を減らし、愛犬が心からリラックスできる環境を整えることが、免疫力の維持にもつながり、健康寿命を延ばせるでしょう。

6.認知症予防のための積極的な頭を使った遊びやしつけ

体の健康だけでなく、脳の健康を維持することも健康寿命を延ばす重要な要素です。認知症の予防には、積極的な頭を使った遊びやしつけが効果的です。

例えば、ノーズワーク(嗅覚を使った探し物)、知育玩具でのおやつ探し、新しい芸やトリックを教えるなどの活動は、愛犬の脳を刺激し、認知機能の低下を遅らせる効果があります。

また、散歩のルートを時々変えて新しい環境に触れさせることも脳への良い刺激になります。

7.ストレスのない生活を目指し、スキンシップを増やす

犬にとってのストレスは、免疫力の低下や問題行動の原因となり、健康寿命を縮める要因となります。愛犬のストレスのない生活を目指し、日常的なスキンシップを通じて愛情を伝えることが大切です。

飼い主との穏やかなスキンシップは、犬に安心感を与え、ストレスホルモンの分泌を抑える効果があります。愛犬が好む部位を優しく撫でる、声をかけるといったコミュニケーションを意識的に増やしましょう。

また、急な環境変化を避け、愛犬の性格や体質に合わない過度な訓練や人付き合いを強要しない配慮も重要です。精神的な安定が、愛犬の免疫力と長生きの土台を築きます。

犬を長生きさせるのにNGな行為と注意点

犬のデンタルケア

犬の長生きを妨げるNG行為の筆頭は、肥満につながる行為です。高カロリーなおやつや人間の食べ物の与えすぎは厳禁であり、関節への負担や病気のリスクを増加させます。

また、運動不足も筋力や心肺機能の低下、ストレス蓄積を招きますが、反対に年齢や体調に合わない過度で激しい運動も、関節や心臓に大きな負担をかけるため注意が必要です。

愛犬の体調の異変や小さなサインを「大したことない」と自己判断で済ませたり、定期的な健康診断を怠ったりする行為は、病気の発見を遅らせ、長生きの機会を失うことにつながります。さらに、最も見落とされがちなのがデンタルケアの怠りであり、口腔内の問題が全身の健康を脅かすという認識を持つようにしましょう。

犬を長生きさせるための秘訣とは

犬と遊ぶ女性

犬を長生きさせるための秘訣は、「予防医療」と「日々の細やかなケアと観察」に集約されます。定期的な健康診断や予防接種、ノミダニ予防といった予防医療を欠かさず行うことで、病気を早期に発見し、手遅れになるのを防ぎます。

そして、飼い主が愛犬の食事、運動、睡眠、排泄の状態を毎日細かく観察し、小さな変化に気づくことが何よりも大切です。愛犬の健康寿命は、飼い主の意識と行動にかかっています。

適切な体重管理とデンタルケアで病気のリスクを減らし、頭を使った遊びや安心できる環境の提供で、心身ともに満たされたストレスの少ない生活を維持することが、愛犬が最期まで元気に過ごせるための揺るぎない土台となるでしょう。

まとめ

女性と犬

愛犬の「健康寿命を延ばす」ことは、特別なことではなく、日々の丁寧な生活習慣の積み重ねにかかっています。

質の高い食事と運動、そして予防医療とデンタルケアを徹底し、心身の健康をサポートすることが長生きの秘訣です。

私たちが愛犬の小さな変化を見逃さず、安心感と愛情をもって接し続けることが、愛犬が最期まで幸せに、元気に過ごせる最良のサポートとなるでしょう。

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