『小型犬と大型犬』生活の違い4選 かかる費用や異なる習慣、暮らしの注意点まで

『小型犬と大型犬』生活の違い4選 かかる費用や異なる習慣、暮らしの注意点まで

犬を飼うことを考えたとき、小型犬にするか大型犬にするか迷う人は少なくないでしょう。小型犬と大型犬には体格差があり、そこから生じる生活の違いを事前に理解しておくのは大切なことです。この記事では、小型犬と大型犬の生活の違いと、それぞれの暮らしの注意点についてご紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

小型犬と大型犬の生活の違い4選

一緒に走って遊ぶゴールデンレトリバーとジャックラッセルテリア

犬のサイズの分類に明確な基準はありませんが、一般的に成犬時の体重が10kg未満を小型犬、10〜25kg未満を中型犬、25kg以上を大型犬とすることが多いです。小型犬と大型犬では体重や体格に大きな差があるため、生活にもさまざまな違いが生じます。ここでは、小型犬と大型犬の生活の違いを4つご紹介します。

1.食事量と費用

基本的に犬の食事量は体重に比例するため、大型犬は小型犬よりも多くのドッグフードを必要とし、月々の食費が小型犬の数倍になる場合もあります。

また、トリミングやペットホテルの料金、保険料は、犬のサイズが大きくなるにつれ高くなる傾向があります。クレートや犬用ベッドなどのグッズも、大型犬用は小型犬用よりも高価です。

総じて、大型犬は小型犬よりも多くの費用がかかります。ある調査によると、小型犬と大型犬の生涯費用には約90万円の差が生じるとされています。

2.運動量

小型犬と大型犬では、必要な運動量に差があります。

ジャックラッセルテリアのように、小型犬でも多くの運動量を必要とする犬種もいますが、一般的に小型犬の運動量は少なめです。散歩は1日2回、各15〜30分程度が目安とされています。

一方、大型犬は多くの運動量を必要とし、散歩は1日2回、各1時間程度が目安です。そのため、大型犬を飼う場合は、毎日合計2時間程度の散歩を行う時間と体力が求められます。

3.必要なスペース

小型犬は体が小さいため、あまり広いスペースを必要とせず、マンションでも飼いやすいのが特徴です。

しかし、大型犬には広いスペースが必要です。ゆったりと過ごせる広いリビングや、体を動かして遊べる庭がある家が理想的といえます。寝床ひとつをとっても、小型犬と大型犬では必要なスペースに大きな差があります。

犬が快適に暮らすためには、そのサイズに合った住環境を整えることが大切です。

4.移動手段

小型犬はキャリーバッグに入れて電車やバスなどの公共交通機関を利用できるため、飼い主と一緒に移動しやすいです。

それに対し、大型犬は公共交通機関を利用するのが難しく、車での移動が基本になります。飼い主が運転できない場合や自家用車がない場合は、ペットタクシーを利用することもできますが、業者が少ないため、地域によっては利用が難しいのが現状です。

犬との生活を始める前に、移動手段についてもよく考えておく必要があります。

小型犬との暮らしの注意点

クッションの上で休むトイプードル

小型犬は可愛らしく飼いやすいイメージがありますが、体が小さいがゆえに、暮らしの中で注意すべき点も少なからずあります。具体的にどのような点に注意すべきか、以下からご紹介します。

1.骨折に注意する

小型犬は骨が非常に細いため、高い場所からの飛び降りや滑りやすい床での転倒で骨折するリスクが高いです。ソファから飛び降りた際に前足を骨折することもあります。

そのため、ソファに犬用のステップやスロープを設置したり、滑りやすい床にマットを敷くなどの対策を講じることが大切です。また、抱っこをする際も、落とさないように十分に注意しましょう。

2.冬は寒さ対策をする

夏の暑さに弱いのは全ての犬に共通していますが、冬の寒さに対する耐性は犬種によって異なります。

一般的に小型犬は体温が奪われやすく、寒さに弱いとされています。そのため、冬場は寒さ対策が必要です。対策をしないと、体調不良を引き起こすかもしれません。

散歩の際は、防寒性のある服を着せたり、日中の暖かい時間帯を選んだりするとよいでしょう。室内では、暖房で快適な温度を保ったり、自分から暖を取れるようにブランケットを用意したりして、暖かく過ごせる環境を整えてあげてください。

3.甘やかしすぎに注意する

小型犬は小さくて可愛らしいため、つい甘やかしてしまいがちです。しかし、甘やかしすぎると、ワガママになってしまう可能性があります。ワガママは、要求吠えや噛みつきといった問題行動につながりやすいです。

体が小さくても、しつけは必須です。「オスワリ」「フセ」「マテ」「オイデ」といった基本的なしつけを怠らず、おねだりに応えすぎないようにしましょう。メリハリのある接し方を心がけ、信頼関係を築いていくことが大切です。

4.散歩は必要

基本的に小型犬は運動量が少ないため、「室内で動いていれば散歩は必要ない」と考える人もいるかもしれません。しかし、小型犬であっても散歩は必要です。

散歩は運動不足の解消だけでなく、外の世界のさまざまな刺激を受けたり、社会性を育んだり、好奇心を満たしたりする大切な時間です。散歩へ行かず家の中だけで過ごしていると、ストレスが溜まりやすくなります。心身の健康のために、小型犬も1日2回の散歩を日課にしましょう。

大型犬との暮らしの注意点

楽しそうに散歩中のバーニーズマウンテンドッグ

存在感があり頼もしい大型犬ですが、大きな体だからこそ、小型犬とは異なる注意点があります。ここからは、大型犬との暮らしで注意すべきポイントをご紹介します。

1.足腰への負担を軽減する

大型犬は体重が25kg以上と重いため、足腰にかかる負担が大きいです。足腰への負担を軽減する工夫をしてあげてください。

例えば、足腰に負担がかかるフローリングのような滑りやすい床には、毛足の短いカーペットやコルクマットなどを敷きましょう。また、肥満になると足腰への負担が増すため、適正体重を維持することも重要です。

2.よりしっかりとしたしつけを行う

体が大きく力も強い大型犬は、興奮したときに制御できないと、他人や他犬にケガをさせてしまう危険性があります。そのため、小型犬や中型犬以上に、子犬のうちからしっかりとしつけを行うことが不可欠です。

特に「オスワリ」や「マテ」などの指示で興奮を抑えられるようにすること、そして飛びつきをさせないしつけを徹底することが重要です。

3.運動不足に注意する

大型犬は運動量が多いため、運動不足に注意が必要です。運動不足になるとストレスが溜まり、無駄吠えや破壊行動などの問題行動につながる可能性があります。また、運動不足は肥満の原因にもなります。

散歩から帰宅しても犬が動き回って落ち着かないのは、運動量が足りていないサインです。このサインが見られたら、散歩の時間や内容を見直したり、体を使う遊びをしたりして、運動量を増やしましょう。

散歩で運動量を確保できている場合は、帰宅後に自分の寝床などでリラックスする様子が見られます。

4.胃拡張胃捻転症候群に注意する

大型犬、特にドーベルマンやゴールデンレトリバーなど胸の深い犬種に多く見られる病気に「胃拡張胃捻転症候群」があります。これは、胃がガスで膨れてねじれてしまう病気で、対応が遅れると命に関わります。

胃拡張胃捻転症候群の原因はまだ明確にはわかっていませんが、食後すぐの運動や早食いなどがリスクを高めると考えられています。食後2〜3時間は散歩や遊びは避け、静かに過ごさせるようにしましょう。

もし食後にお腹がパンパンに膨らみ、吐こうとしても吐けないといった症状が見られたら、胃拡張胃捻転症候群の可能性があります。早急に動物病院を受診してください。

まとめ

いろいろな犬種

小型犬と大型犬は、見た目の大きさだけでなく、生活のさまざまな面で違いがあります。また、一緒に暮らすうえで、それぞれに注意すべき点もあります。

犬を迎える際は、ぜひこの記事を参考に、小型犬と大型犬の生活の違いや注意点を理解したうえで、あなたのライフスタイルに合った犬種を選んでください。それが、犬との幸せな暮らしへの第一歩となるでしょう。

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