犬の『座り方がおかしい』ときに注意すべきポイント4つ
ふだん何気なく愛犬の座り姿を見ていると思いますが、実は注意すべき座り方をしており、その裏には病気が隠れている可能性も。
犬の座り方がおかしいときに注意すべきポイントを、具体的な座り方をベースに解説していきます。
1.後ろ足を横に流して座る「お姉さん座り」
後ろ足を片方、または両方を横に投げ出すような『お姉さん座り』は、その座り方が癖になっていたりリラックスしている場合もありますが、ある時から急にお姉さん座りが目立つようになった場合は注意が必要です。
このような座り方が多い犬は以下の病気が疑われます。
- 股関節形成不全
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)
- 前十字靭帯断裂
- 免疫介在性関節炎
こういった股関節などの関節に問題がある可能性があります。「いつもこうやって座っているし…」と安易に考えないよう気を付けましょう。
2.後ろ足を前方に投げ出して座る「おじさん座り」
犬の『おじさん座り』とは、お座りの状態から後ろ足を前方に投げ出すようにして座る姿勢のこと。こちらもお姉さん座り同様に、リラックスモードのときの座り方でもあり、パグやフレンチブルドッグといった特定の犬種に多くみられる座り癖でもあります。
座り癖とはいえ、このおじさん座りも股関節のほか、靭帯やお尻周りの病気の可能性があるため注意してください。
- 股関節形成不全
- 膝蓋骨脱臼(パテラ)
- 前十字靭帯断裂
- お尻周りの病気(肛門嚢炎、肛門周囲膿瘍など)
突然おじさん座りをするようになった場合は注意が必要です。ほかに気にしている箇所はないかなど、注意深く見てあげてください。
3.頭を低くしお尻を突き上げる「祈りのポーズ」
前足を伸ばして頭を低くし、お尻を高く上げた姿勢を見たことはありませんか?これは『祈りのポーズ』と呼ばれ、飼い主さんや他の犬を遊びに誘う『プレイバウ』のサインと似ていますが、遊びに誘っているわけではないのにこのような姿勢を見せるときは要注意です。
犬が体のどこかに強い痛み、特に腹痛を抱えているときに内臓の圧迫を和らげようとしてこのポーズをとっています。腹部以外にも脊髄に痛みがある場合などにも祈りのポーズをみせるようになります。
4.座ってもすぐに立ち上がる
犬が座ってもすぐに立ち上がるときは、足腰やお尻周りに何らかのトラブルを抱えているのかもしれません。座りづらそうにしていたり、座ることを躊躇している場合も同様です。
前述した股関節形成不全や関節リウマチといった病気のほか、椎間板ヘルニアや肛門周囲炎、肛門嚢のトラブルなどの可能性も考えられます。なかなか座れない、座っても落ち着かない様子が頻発する場合は、一度病院を受診することをおすすめします。
愛犬の座り方がおかしい!?取るべき対処法とは
では愛犬の座り方に違和感を覚えたときは、飼い主としてどんなことができるでしょうか。取るべき対処法は以下の通りです。
- 歩き方や立ち上がりの様子を見る
- 体全身を触って確認する
- 動画や写真を撮る
足を引きずるなど歩き方の異変や、立つ・座るの動作が不自然ではないか様子を見ましょう。加えて、足腰やお尻周りを中心に体をくまなく触り、嫌がる素振りはないかも確認してください。
愛犬の座り方や歩き方など、ふだんの様子を動画や写真に収めておきましょう。病院での診察に役立ちます。
まとめ
犬の座り方にも癖はあるため、すべてがおかしいといえるわけではありません。それでも、今までしなかったのに急に足を投げ出して座るようになった、座ってもすぐに立ってしまうなど異変を感じたら注意深く観察しましょう。
その座り方の裏には病気が隠れているかもしれません。写真や動画を撮っておき、何かあれば迷わず病院を受診してください。