犬が「悲しい」ときにみせるサイン5選
1.しっぽを振らない、下げる
犬のしっぽは感情を表すバロメーターであり、悲しみや不安を感じているときには、普段のように嬉しそうに振ることはありません。尻尾を体の下に巻き込んだり、力なく垂れ下げたりする様子が見られるでしょう。
この行動は、犬が自信を失い、恐怖や不安を感じているサインです。通常、尻尾を下げている時は、相手に対して服従の意思を示したり、自分を小さく見せて威嚇を避けようとしたりする心理が働いています。
愛犬がこのサインを見せたら、何か心配事を抱えている可能性があるため、注意深く様子を観察するようにしてください。
2.食欲不振や飲水量の低下
犬が悲しみやストレスを感じているとき、食欲不振や飲水量の低下がよく見られます。普段は喜んで食べるおやつやフードに全く興味を示さなかったり、水を飲む回数が極端に減ったりするのは、精神的な不調が身体的な症状として現れている証拠です。
私たちの気分が落ち込んでいるときに食欲がなくなるのと同じように、犬も悲しい気持ちになると、食欲を司る脳の機能が影響を受けます。
この状態が長く続くと、栄養不足や脱水症状を引き起こし、健康をさらに損なう可能性があるため、早めの対処が必要です。
3.活動性の低下
普段は元気いっぱいに走り回ったり、遊びに誘ってきたりする犬が、急に活動的でなくなるのも悲しみのサインです。大好きなおもちゃにも反応せず、一日中寝ている時間が増えたり、散歩に行くのを嫌がったりするようになります。
この行動は、心身ともにエネルギーが枯渇している状態を示しています。生きる意欲が低下し、何かを楽しむ気力がない状態に陥っている可能性があるため、無理に遊ばせようとせず、静かに見守り、原因を探るようにしましょう。
4.遠吠えが増える、寂しそうに鳴く
犬は寂しさや孤独を感じると、遠吠えやクーンクーンといった寂しそうな鳴き声を上げることがあります。これは、群れで生活していた頃の本能的な行動で、「仲間はどこにいる?」と問いかけるメッセージだと考えられています。
とくに、飼い主が家を長時間留守にするときや、留守番の時間が長くなったときにこうした行動が顕著になります。悲しみや不安な気持ちを伝えるための、犬なりのコミュニケーション方法なのです。
5.飼い主から離れる、隠れる
通常、甘えん坊な犬が、急に飼い主から離れたり、ベッドの下や家具の隙間など、人目につかない場所に隠れたりするのも、悲しみのサインのひとつです。この行動は、犬が心に傷を負い、孤独を感じていることを示しています。
飼い主の行動や家庭内の変化によって不安を感じ、安心できる場所を求めて隠れようとしているのかもしれません。無理に引きずり出そうとせず、犬が自ら出てくるのを待ち、そっと見守ることが重要です。
犬が悲しくなる原因と心理
犬が悲しみを感じる原因はさまざまですが、多くの場合、孤独や寂しさ、環境の変化が挙げられます。長時間の留守番や飼い主とのコミュニケーション不足は、犬に強いストレスを与え、寂しい気持ちにさせます。
また、引っ越しや新しい家族の増減、飼い主の生活リズムの変化なども、犬にとって大きなストレス源となるので注意しましょう。これらの変化によって、犬は不安や戸惑いを感じ、心に悲しみを抱え込んでしまうのです。犬は言葉を話せないため、行動の変化を通じて「助けてほしい」「寂しい」というSOSを発信しているのです。
愛犬にツライ思いをさせないための飼い主の配慮
愛犬に悲しい思いをさせないためには、日々の生活の中で質の高いコミュニケーションを心がけることが大切です。毎日決まった時間にスキンシップや遊びの時間を作り、犬が安心して過ごせる環境を整えましょう。
犬の居場所を人通りが少なく、静かな場所に設けることや、大きな音を立てない配慮も大切です。また、他の犬や人との交流の機会を設けることで、社会性を育み、ストレスに強い犬に成長させることができます。
愛犬の小さな変化に気づき、早めに対処することが、心の健康を守る第一歩です。
悲しい気持ちに寄り添うための適切なケア
愛犬が悲しんでいるサインを見せたら、まずはその気持ちに寄り添うことが大切です。無理に元気づけようとせず、犬が落ち着けるように静かにそばにいてあげましょう。
優しく声をかけたり、犬が嫌がらない程度に体を撫でてあげたりすることで、あなたの存在を伝え、安心感を与えることができます。
また、原因がわからない場合や、食欲不振などの症状が長引く場合は、専門家である獣医師やドッグトレーナーに相談し、適切なアドバイスを求めるようにしてくださいね。
まとめ
犬が示す悲しみのサインは、飼い主への大切なメッセージです。その行動の裏にある犬の心理や原因を理解し、適切に応えることが、愛犬の心の健康を守り、より深い絆を築く鍵となります。
些細な変化を見逃さず、常に愛犬の心に寄り添うことで、彼らが幸せに過ごせるよう努めましょう。