犬の『肛門腺絞り』絶対やってはいけないタブー行為4選 間違ったお手入れや正しいやり方とは?

犬の『肛門腺絞り』絶対やってはいけないタブー行為4選 間違ったお手入れや正しいやり方とは?

愛犬の健康を保つために欠かせない肛門腺絞りですが、正しい知識がないと犬に大きな負担をかけてしまう可能性があります。そこで今回は、多くの飼い主さんがやってしまいがちなタブー行為と正しい肛門腺絞りの方法について詳しく解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

間違った肛門腺絞りのお手入れ4選

飼い主に肛門腺を絞られている犬

肛門腺絞りは、犬の肛門の左右にある肛門嚢に溜まった分泌液を排出させるために行います。この分泌液が溜まりすぎると、炎症や破裂を引き起こす危険があるため、定期的なお手入れが必要です。

しかし、間違った方法で行うと、犬に大きな苦痛を与えてしまいます。ここでは、多くの飼い主がやりがちな、絶対にしてはいけない4つのタブー行為を紹介します。

1.嫌がっているのに無理して絞る

犬が肛門腺絞りを嫌がるのは、痛みや不快感を感じているからです。絞らせてくれないからといって、力任せに押さえつけたり、しっぽを強く握って絞ったりしてはいけません。

無理に肛門腺を絞る行為は、犬に強い恐怖心とストレスを与える原因にもなり得ます。犬が嫌がるときは、やさしく声をかけてリラックスさせることからはじめましょう。それでも、嫌がって暴れたり、逃げようとしたりする場合は、中断することも大切です。

2.力任せに絞る

肛門腺を絞る際に、分泌液が出ないからといって力任せに強く押してしまうのは非常に危険です。肛門嚢はデリケートな器官であり、強い力で圧迫すると、傷つく可能性があります。

また、力任せに絞って痛みを感じた犬は、肛門腺絞りをさらに嫌がるようになり、次からのケアが非常に困難になります。

正しい位置を正確に圧迫すれば、力任せに絞らなくても分泌液は排出されます。

3.上手くできないからとしつこく絞る

犬の肛門腺は、分泌液の溜まりやすさや出やすさに個体差があります。分泌液がほとんど溜まらない子もいれば、なかなか出にくい体質の子もいます。

無理に絞り続けることは、肛門嚢や肛門周辺を傷つけ、肛門腺絞りを嫌がるようになる原因にもなります。

もし、何度か試しても上手く分泌液が出ない場合は、無理をせずにトリミングサロンや動物病院などプロにお願いしましょう。

4.お尻をのぞき込むようにして絞る

肛門腺絞りを行う際、お尻をのぞき込むようにして絞るのは絶対にやめましょう。肛門腺の分泌液は、ときに勢いよく飛び散ることがあります。もし顔にかかってしまうと衛生面でのリスクがあるだけでなく、非常に強い臭気で最悪な気分になることは避けられません。

分泌液が飛び散らないよう、タオルやティッシュで肛門を覆い、犬のお尻をのぞき込むのではなく、横や後ろから安全に絞るように心がけましょう。

正しい肛門腺絞りのお手入れ方法

獣医師に肛門腺を絞られている犬

犬の肛門腺絞りは、1か月に1度を目安に行います。犬によって、溜まりやすい子、溜まりにくい子がいますので、愛犬に合ったペースでケアしてあげましょう。シャンプーの前にお風呂場で絞ると、分泌液が飛び散ったり被毛に付着したりしても安心です。

絞る際は、まず犬のしっぽを優しく持ち上げ、肛門が見えるようにします。肛門の左右斜め下、だいたい4時と8時の位置に肛門腺があります。この部分を、人差し指と親指でつまむようにして、ゆっくりと押し上げます。この際、肛門に向かって圧をかけるように意識すると、分泌液が出やすくなります。

分泌液は、ティッシュやガーゼで受け止めるようにしましょう。一度に強く押すのではなく、数回に分けて少しずつ圧力を加えるのがポイントです。

まとめ

お尻を持ち上げている犬

犬の肛門腺絞りは、愛犬の健康を守るために欠かせないケアです。しかし、誤ったやり方は犬に大きな負担や恐怖心を与えてしまいます。

「嫌がるのに無理に絞る」「力任せに押す」「しつこく絞る」「お尻をのぞき込む」といった行為は避けましょう。正しい方法を心がければ、愛犬に余計なストレスをかけずに健康維持につなげられます。

もし自分で行うのが難しいと感じるときや、犬が強く嫌がる場合は、無理をせずトリミングサロンや動物病院に相談してください。

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