犬が叱られたときにやりがちな仕草4選
1.飼い主さんに甘える
飼い主さんが叱っているにもかかわらず、上目遣いの可愛らしい表情で見つめてきたり、すり寄って甘えたりすることがあります。
「叱っているのにわかってないの!?」と思う飼い主さんもいるかもしれませんが、犬は甘えたり可愛い仕草を見せたりすることで、笑顔になってもらおうとしているのかもしれません。
日頃、そうしたコミュニケーションを取っている場合、甘えることで叱責や怒りを回避しようとしていると考えられます。
また、叱っている飼い主さんに近づいて、手や足を舐めてくる犬もいますが、これは相手の気持ちを落ち着かせようとしていることが考えられます。
「ごめんなさい」と伝えようとしていることも考えられますが、どちらかというと怒っている飼い主さんの気持ちを静めようとしていることが多いようです。
2.あくびをする、体を掻く
飼い主さんが長くお説教したり、強く叱ったりしているときに、目をそらして地面のにおいを嗅いだり、あくびをしたり、体を掻いたりする犬は多くいます。
こうした犬の態度を見ると「叱っているのに聞いていない!」「反省していない!」と、飼い主さんがさらに怒ってしまうこともありますが、実はそうではない可能性があります。
こうした仕草は、自分や対峙している相手の気持ちを落ち着かせるためにおこなう「カーミングシグナル」かもしれません。
カーミングシグナルは、不安やストレスを感じたとき、相手に敵意がないことを伝えたいときなどに見せるボディサインで、現在わかっているだけで約30種類あるといわれています。
このほかにも、「カーブを描くように近づいてくる」「体を横向きにする」「口のまわりを舐める」などの行動があり、犬によってそれぞれおこないやすいサインが異なります。
愛犬がカーミングシグナルを頻繁に見せるときは、強く叱られたことでストレスを感じている可能性もあるので、叱り方を一度見直してみましょう。
3.ハウスなどに隠れる
犬は飼い主さんに叱られると、すぐに逃げて部屋の隅に行ったり、自分のハウスに隠れたりすることがあります。
叱られることに対する耐性は犬によって異なるので、あまりにも怯えている様子を見せるときは、しつけはしっかりおこないながらも必要以上にきつく怒らないようにしてあげてください。
ただし、逃げたり隠れたりすることで、飼い主さんの注意や叱責を免れられると覚えてしまっているようであれば、決してそのままにしないでください。
離れて行ってしまったからといって、「仕方ないなぁ」とあきらめずに、そばに行ってしっかりと叱るようにしましょう。
4.おもちゃを持ってくる
飼い主さんが叱っている最中やその直後に、犬がおもちゃをくわえて持ってきたり、飼い主さんにそれを押し付けたりすることがあります。
「怒っているのに遊ぼうとするなんて…」とがっかりしたり、余計にイライラしてしまう飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、これは叱られているときに甘えるのと同様に、飼い主さんに笑ってもらいたくてしている行動かもしれません。
普段飼い主さんと楽しくおもちゃ遊びをしている犬は、そうした行動をすることでいつもの優しく楽しい飼い主さんに戻ってもらおうとしていることが考えられます。
愛犬との信頼関係を保つ叱り方
可愛くてたまらない愛犬でも、危険なことをしたときや周囲に迷惑をかける行動をしたときなどはしっかりと叱らなければなりません。
しかし、叱るときに感情的に怒鳴ったり、長々と説教をしたり、イライラして物に八当たりするような行為はやめましょう。
これは正しい叱り方とはいえず、ただ怒っている感情をぶつけているだけで、愛犬を必要以上に怖がらせてしまいます。
こうした態度は飼い主さんに対する不信感や嫌悪感を抱かせることがあるので、絶対に避けてください。
正しくない行動を叱るときは、以下のことを意識しましょう。
- 犬に伝わりやすいように短い言葉で叱る
- 不適切な行動をした瞬間=“現行犯”で叱る
- 正しい行動に誘導してほめる
- 一貫性のある態度を取る
適切でない行動が見られたときは「ダメ!」「NO」など短い言葉を使ってはっきりと叱り、その上で正しい行動を教えてあげることが必要です。
叱りっぱなしでは犬は何がいけなかったのかわからない場合もあるので、必ず正しい行動もセットで教えてあげてください。犬がそれを実践できたらしっかりとほめて、メリハリのある接し方をしましょう。
また、飼い主さんの気分や都合によって、同じ行動でも叱るときと叱らないときがあるのはNGです。一貫性のない接し方は、飼い主さんへの信頼を損ねる大きな要因となるので注意してくださいね。
まとめ
犬と生活して様々なことを教えるなかで、どうしても叱らなければならないことはあると思います。
叱るのはかわいそうだと思ってしまう人もいるかもしれませんが、適切な叱り方をすれば、信頼関係が崩れることはありません。
愛犬の気質や様子を見ながら上手に叱れる飼い主さんになっていきましょう。