犬同士の喧嘩が起こる理由
犬同士の喧嘩は突発的に見えるかもしれません。しかし実際には、理由なく喧嘩をする犬はいません。犬同士の衝突には必ず原因があります。
そのため、喧嘩の理由を理解しておくことで未然に防ぐことができ、また発生した際にも適切に対応できるようになります。
1.食べ物の奪い合い
食べ物をめぐって喧嘩が起こることがあります。
「ドッグランにおやつを持ち込んではいけない」とされるのは、まさに食べ物の奪い合いが原因でトラブルにつながるからです。
多頭飼いでは、食器を並べて同時に食事をさせたり、おやつを一斉に与えたりすると衝突が起こる可能性があります。そのため、ドッグランにおやつを持ち込まない、あるいはそれぞれのケージで食事をさせるなどの工夫が望まれます。
2.おもちゃの奪い合い
おもちゃをめぐって喧嘩に発展することも少なくありません。
最初は仲良く追いかけたり引っ張り合ったりしていても、興奮が高まるにつれ衝突が起きやすくなります。おもちゃを力任せに引っ張る、唸り声を上げるなどの行動が見られたら、遊びを止め「おすわり」「待て」などで落ち着かせることが重要です。
3.社会化の不足
十分な社会化が行われていない犬は、他の犬との距離感や接し方が分からず、喧嘩を起こすことがあります。
子犬だけでなく成犬にとっても社会化は必要です。特に子犬の時期には多くの犬と接触する機会を与え、遊び方や付き合い方を学ばせることが大切です。
4.体または心に不調がある
身体の痛みや心の不安定さが原因となり、喧嘩を引き起こすこともあります。
体に痛みがある犬は、他の犬が近づくだけで攻撃的になる場合があります。また、強いストレスや不安を抱えている犬も、衝動的に攻撃してしまうことがあります。
普段は穏やかな犬であっても、不調時には攻撃的になることがあるため注意が必要です。避妊手術を受けていないメス犬の場合、心身が不安定になりやすい発情期には他の犬との接触を控える方が安全です。
5.メス犬の奪い合い
オス犬同士がメス犬をめぐって喧嘩するケースもあります。
去勢の有無にかかわらず、発情期中のメス犬のフェロモンによりオス犬が興奮し、争いが起こる可能性があります。犬が落ち着かずソワソワしているときは、距離を取り引き離すことが望ましいでしょう。
6.不安・緊張・恐怖
不安や恐怖から攻撃的な行動に出る場合もあります。
体格の大きな犬に威圧感を覚えたときや、初対面でじっと見つめられたとき、あるいは突然近づかれたときなどが典型例です。「攻撃される前に自分から」という心理が働き、衝突が起こるのです。
初対面の犬同士を接触させるときは特に慎重さが必要です。リードを短く持ち、すぐに距離を取れる状態で少しずつ慣らしていくようにしましょう。
まとめ
犬同士の喧嘩が起こる理由を6つ解説しました。
- 食べ物の奪い合い
- おもちゃの奪い合い
- 社会化の不足
- 体または心に不調がある
- メス犬の奪い合い
- 不安・緊張・恐怖
大切なのは、犬の行動には必ず背景があると理解することです。愛犬がどのような理由で衝突を起こしやすいのかを把握し、犬の気持ちに寄り添った環境づくりを行うことで、喧嘩を未然に防ぐことができます。