犬の『口臭』が悪化してしまう原因5選
犬の口臭のキツさに悩んでいる飼い主は少なくありません。しかし、あまりにも臭い場合、もしかすると何らかのトラブルや疾患を抱えている可能性も疑われます。ここでは、犬の口臭が悪化する原因をみてみましょう。
1.歯周病
犬の口臭がきつい時に最も考えられる可能性が『歯周病』です。食べかすなどが歯磨きで落としきれず、歯垢や歯石として蓄積されてしまうと、それらが口臭となって悪化します。
また、歯周病が悪化すると、口臭だけでなく口内で炎症を引き起こすこともあり、最悪の場合、歯が抜けたり顎の骨が溶けるなどの重い症状を発症する恐れもあるので気をつけましょう。
2.口腔腫瘍
歯周病ではなく、口腔内に腫瘍ができている場合も悪臭を放つことがあります。
良性腫瘍の場合は、目立った悪影響が現れることが少ないため、明らかに口臭が変わったり、キツくなったりするのは悪性腫瘍の可能性が懸念されます。
悪性の口腔内腫瘍は、全身にも悪影響を及ぼし始めるので、早めに動物病院で診察や検査を受けましょう。
3.肝硬変
犬の口臭が突然悪化した場合、腎臓や肝臓といった内臓にトラブルが生じている可能性も考えられます。その中でも考えられる疾患の1つに『肝硬変』があります。
肝硬変は、すでに末期状態で症状が現れるため、発覚した時には進行を抑制したり症状を緩和したりする治療が行われるケースが多いです。
4.慢性腎不全
慢性腎不全も一度発症してしまうと、完治が難しい病気です。腎臓の機能が徐々に低下していくため、食欲不振や体重減少といった症状が現れ始めます。
慢性腎不全の症状の1つに口臭の悪化がありますが、これは腎不全によって体内の老廃物がうまく排出されず、蓄積してしまった尿毒素というものが原因です。そのため、口臭なのにおしっこのような臭いが口から放たれるという特徴があります。
5.腸閉塞
犬が腸閉塞を引き起こしている場合、腸の中でうんちが移動できなくなり蓄積されてしまうため、うんちのような臭いを口から感じるようになります。
腸閉塞は、放置していると命に関わる危険もあるため、「愛犬の口からうんちの臭いがする」と感じたら、速やかに動物病院を受診しましょう。
犬の口臭がきつい時に飼い主がすべき対処は?
犬の口臭がきつい時は、主に2種類の対処法があります。
まず、徐々に口臭が悪化している場合は、歯周病や歯周病予備軍の可能性が考えられるでしょう。この場合は、毎日デンタルケアを入念に行うことで、口臭が改善される可能性があります。
しかし、すでに歯周病が悪化している場合やその他の疾患が原因の場合、歯磨きだけでは改善されません。根本的な病気の治療を行う必要があるので、まずはかかりつけの動物病院で診てもらい、原因を特定してもらいましょう。
その後、診断結果によって治療が進められていくので、獣医師のアドバイスに従ってください。
まとめ
犬の口臭が悪化してしまった場合、最も考えられる可能性は『歯周病』や口内環境の悪化です。しかし、臭いの種類や悪化の仕方によっては、別の疾患が影響を及ぼしている可能性もあるので、放置せずに動物病院を受診しましょう。