犬の洋服って必要なの?正しい活用方法から注意すべきことまで解説

犬の洋服って必要なの?正しい活用方法から注意すべきことまで解説

犬に洋服を着せるのは「おしゃれのため」と思われがちですが、実は犬の健康や安全を守るために役立つアイテムでもあります。特に寒さに弱い犬種や、皮膚トラブルを抱える子にとっては、服があることで暮らしの質がグンと上がることも。この記事では、犬の洋服が必要とされる理由、正しい使い方、注意点について初心者向けに解説します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

犬の洋服が「必要になる」4つのシーンとは?

服を着るフレブル

「犬に服なんて必要あるの?」と思っている方も少なくありません。たしかに、すべての犬が洋服を必要としているわけではありませんが、ある特定の状況では、洋服が犬の健康や快適さを守る大きな助けになります。犬種や年齢、体質、季節などによって、その必要性は変わってきます。

ここでは、実際に犬に洋服が「必要」とされる代表的な4つのシーンをご紹介します。愛犬にとって必要かどうか、ぜひ参考にしてみてください。

防寒が必要な寒がりタイプの犬

チワワやトイ・プードル、イタリアン・グレーハウンドなどの小型犬・短毛犬は、人間よりも寒さに敏感です。特に冬の散歩時や暖房の効いていない室内では、体温が急激に下がって体調を崩してしまうことも。

そんなとき、温かい洋服でしっかりと体を包んであげれば、震えや体調不良のリスクを軽減できます。また、シニア犬や病中・病後の犬も体力が落ちているため、保温対策として洋服が活躍します。

紫外線・虫刺されの予防として

夏場やアウトドアでの活動が多い犬には、洋服が「日焼け止め」や「虫よけ」の役割を果たしてくれます。特に被毛の薄い犬種や、皮膚が敏感な子にとっては、直射日光や蚊・ノミ・マダニからの刺激は大敵。

UVカット加工のある洋服を選べば、日焼けによる皮膚トラブルの予防にもなります。草むらを歩くときの虫対策としても有効です。

術後や皮膚トラブルの保護として

手術後の傷口や、かゆみを伴う皮膚疾患があるとき、犬が舐めたり引っかいたりして悪化させてしまうことがあります。そうしたケースでは、洋服が「バリア」の役割を果たし、患部を保護する手段として使われます。

動物病院でもエリザベスカラーの代わりに服をすすめられることがあり、特にストレスの少ない選択肢として人気です。快適な素材やデザインを選ぶことで、ストレス軽減にもつながります。

抜け毛・汚れ対策に

換毛期の抜け毛が気になる季節には、洋服を着せることで部屋や車内の毛の飛散を減らせます。散歩やドッグカフェなど外出先での汚れも最小限に抑えられるので、シャンプーや掃除の手間が軽くなるのも嬉しいポイント。

特に白い服を着せれば、マダニやノミの付着も発見しやすくなるなど、衛生面でもメリットがあります。

犬に洋服を着せるときの「正しい活用方法」とは?

服を着て走る犬

犬に洋服を着せるのが初めての方は、「どう選べばいいの?」「室内でも着せたほうがいいの?」と迷うこともあると思います。せっかく体調管理のために着せても、使い方を間違えるとかえってストレスや体調不良の原因になってしまうことも。

ここでは、犬が快適に過ごせるように、洋服を選ぶときや着せるときに気をつけたいポイントを詳しくご紹介します。

素材とサイズにこだわろう

犬は人間以上に肌がデリケート。洋服の素材がチクチクしていたり、通気性が悪いと、かゆみやかぶれの原因になることもあります。肌にやさしい綿素材や、季節に合った薄手・厚手の素材を選びましょう。

また、サイズ選びも非常に重要です。きつすぎると呼吸や血流を妨げたり、ゆるすぎると動きにくかったり、引っかかってケガの原因になることも。試着できるなら、必ずフィッティングしてから購入しましょう。

室内では無理に着せなくてもOK

犬の体温は人間より高く、室内が快適な温度であれば、洋服は必要ありません。むしろ、暖房の効いた部屋で洋服を着せたままにすると、熱がこもって体調を崩す可能性もあります。

外出時に防寒や紫外線対策として着せ、帰宅したら脱がせる、といった使い分けがベストです。犬の様子を見ながら、こまめに調整してあげましょう。

嫌がる場合は無理をしない

初めて洋服を着る犬の中には、強く拒否反応を示す子もいます。体を固めて動かなくなったり、洋服を噛んで壊そうとしたりする場合は、無理をさせないで。

まずは短時間の着用からスタートし、おやつや声かけで「着る=楽しい」体験に変えていく工夫が必要です。焦らず、少しずつ慣れさせていきましょう。

犬に洋服を着せるとき「注意すべきポイント」は?

洗濯をする女性

犬に洋服を着せることで、寒さ対策や皮膚の保護など多くのメリットがありますが、間違った使い方をすると逆に愛犬の負担になってしまうこともあります。見た目のかわいさだけで選んでしまうと、思わぬトラブルにつながることも。

ここでは、犬の体と心の健康を守るために、洋服を着せる際に飼い主さんが気をつけたいポイントをわかりやすくまとめました。

長時間の着用は避ける

洋服を長時間着せたままにすると、摩擦や蒸れによって皮膚トラブルが起こることがあります。特に湿度の高い日や雨上がりの散歩のあとなどは、通気性が悪くなりがちです。

こまめに脱がせて、皮膚の状態をチェックすることが大切です。着たまま寝かせるのも避け、寝る前には脱がせてリラックスさせてあげましょう。

こまめに洗濯しよう

犬の洋服も、汗や皮脂、汚れがつきやすいため、定期的に洗濯する必要があります。とくに散歩後や食べこぼしがついたときは、早めに洗って雑菌の繁殖を防ぎましょう。

洗濯ネットを使うと服の型崩れも防げます。犬用洗剤や無香料タイプの洗剤を使うと、肌への刺激も抑えられて安心です。

装飾品やボタンに注意

リボンやボタンなど装飾の多い洋服は、見た目が可愛い反面、犬がかじって飲み込んでしまう危険性があります。特に子犬や好奇心旺盛な子は、飾りをおもちゃだと思ってしまうことも。

誤飲は命に関わることもあるため、シンプルなデザインの服を選ぶのが安全です。安全性を最優先に選んであげましょう。

まとめ

ニットを着る犬

すべての犬に洋服が必要というわけではありませんが、状況や目的に応じて上手に使えば、犬の快適さと健康をサポートする便利なアイテムになります。防寒・紫外線対策・抜け毛防止・皮膚の保護など、飼い主さんのちょっとした工夫で、愛犬のQOL(生活の質)はぐっと高まります。

大切なのは「犬が嫌がらないこと」と「必要なときに必要なだけ使うこと」。無理なく、楽しく、犬と一緒に洋服ライフを楽しんでくださいね。

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