犬の室内飼育は当たり前に
近年、犬を室内で飼う割合は大きく増えています。調査によって細かな数字は異なりますが、今や室内飼育は一般的であり、とくに小型犬の場合はほぼ100%に近い水準です。
かつては「番犬」という役割で外飼いされることが多かった犬も、今では「家族の一員」として扱われるようになりました。加えて、気候変動の激しさやペット可住宅の増加といった背景も、室内飼育が主流になった大きな理由です。
室内飼育は気温の影響を受けにくく体調管理がしやすいほか、外飼いに比べてケガや病気のリスクも軽減できます。
ただし、室内だからといって常に安全というわけではありません。日常の中にも、犬を危険にさらす行為や環境が潜んでいます。次の項目では、室内犬に絶対してはいけないNG行為について詳しく解説します。
室内犬に絶対してはいけないNG行為とは?
室内飼育は外飼いに比べると安全性が高いものの、環境や飼い方を誤れば犬に悪影響を及ぼすことがあります。ここでは代表的なNG行為を紹介します。
1.室内環境を整えない
犬が快適にそして安全に暮らせるように室内環境は十分に整えなければいけません。もし以下のような環境であればすぐに対策を講じましょう。
- 床がツルツル滑る
- 危険な場所への出入りが自由
- 掃除をしない
- 室温調整が不十分
床が滑りやすいと関節や腰に負担がかかり、関節炎やヘルニアの原因になります。クッションマットを敷く、ソファへの昇り降りにはペットステップを設置するなどの対策が必要です。
また、キッチンのように火や危険物がある場所には柵を設けて立ち入りを防ぎましょう。掃除が行き届かない不衛生な環境では、ホコリや花粉によるアレルギー、誤飲・誤食の危険性も高まります。常に清潔で安全な状態を保つことが大切です。
2.ケージに入れっぱなし
どんな事情があっても、これは心身に悪影響を与えます。
動き回れないストレスから問題行動につながり、さらにケージが「安心できる場所」ではなく「嫌な場所」になってしまう危険もあります。ケージは休息や就寝のためのスペースとして適切に使いましょう。
3.ストレス発散が不十分
室内で遊んでいるから、小型犬だからといって散歩を省略してしまうのはNGです。
散歩は運動不足の解消だけでなく、外の空気や光、匂いを感じることで犬の心を豊かにします。散歩が苦手な犬でも、日向ぼっこをするだけで気持ちが安らぎます。
4.愛犬をかまい過ぎる
室内飼育の良いところはいつでも愛犬とスキンシップがとれることですよね。だからこそ気を付けたいのが愛犬との距離感です。
犬種の特性や性格によっては過度にベタベタされることが苦手な犬もいます。そして眠っているときや休んでいるときに触れることは控えましょう。
かまい過ぎることが愛犬のストレスになる可能性もあることを心に留め、適度な距離感で接することが求められます。
まとめ
室内飼育は健康管理や精神面での安定など、犬にとって多くのメリットがありますし、気候や住宅事情を考えても現代では主流の飼い方です。何より、大好きな愛犬と同じ空間で過ごせるのは飼い主にとってかけがえのない喜びでしょう。
しかし、同じ空間にいる時間が長いからこそ、環境づくりや接し方には注意が必要です。愛犬と飼い主がともに快適で健やかに暮らせるよう、日々の環境と接し方を見直してみましょう。