歯みがき
歯みがきは、多くの飼い主にとって避けて通れないお手入れのひとつです。
犬にとっては口の中というプライベートゾーンを触られるうえに、見慣れない歯ブラシという異物を差し込まれるため、不快感しか感じないかもしれません。
犬には虫歯という概念はありませんが、成犬の8割以上が歯周病を抱えていると言われています。歯周病が悪化すると、全身の健康に悪影響を与えるため、どんなに嫌がられても歯みがきは避けられないケアです。
歯みがきを克服させるコツ
いきなり歯ブラシを使うのではなく、まずは口の中を触られることに慣らすことから始めましょう。指や歯みがきシートで口の中を触れるようになったら、徐々に歯ブラシへ移行します。
もしどうしても難しい場合は、歯みがきガムや歯みがき効果のあるおもちゃを活用する方法もあります。ただし、この場合でも定期的な歯石除去を獣医師に依頼すると安心です。
爪切り
爪切りもまた、犬が嫌がるケアの代表格です。刃物を使ううえにパチンという音や爪への衝撃があるため、苦手意識を持ちやすいです。
実は、犬だけでなく飼い主の側も苦手意識を抱えていることがあります。切る位置が分かりづらく、誤って深く切ってしまうと出血させてしまい、お互いにトラウマになることもあります。
爪切りを克服させるコツ
慣れないうちは、一度にすべての爪を切ろうとせず、一回に一本でも構いません。犬が嫌がり始めたらそこで切り上げるくらいの余裕を持つことが大切です。
また、飼い主が緊張しているとその気持ちが犬に伝わり、恐怖心を増してしまいます。リラックスして臨むことで、犬も落ち着いて爪切りを受け入れやすくなります。
シャンプー
水遊びが好きな犬もいますが、苦手な犬にとってシャンプーは大きなストレスになります。水そのものは平気でも、シャンプーの香りや全身を洗われる感覚が苦手な場合もあります。
しかし、シャンプーを怠ると皮膚の健康が損なわれ、炎症や寄生虫のリスクが高まるため、衛生管理の面でも欠かせないケアです。
シャンプーを克服させるコツ
できるだけ短時間で済ませることが、犬の負担を減らすポイントです。可能であれば二人で作業し、一人が犬を支え、もう一人が洗うとスムーズです。
特に顔まわりは嫌がる犬が多いため、最後に素早く洗い流すようにします。洗うときは被毛よりも地肌を意識し、乾かすときは自然乾燥ではなくドライヤーでしっかり乾燥させましょう。
まとめ
歯みがき、爪切り、シャンプーはいずれも健康維持のために欠かせないお手入れですが、すべてを飼い主自身が行う必要はありません。
どうしても難しいと感じる場合は、ためらわずにプロの力を借りることも選択肢のひとつです。
無理をしてケアができず健康を損なうよりも、多少の費用をかけてでも専門家に任せたほうが、愛犬にとっても飼い主にとっても安心です。