小型犬がかかりやすい病気
1.歯周病
小型犬は歯周病にかかりやすい傾向があります。
成犬(3歳以上)の約80%が歯周病を抱えているとされ、口腔環境の特性もその一因です。犬の口は弱アルカリ性で、歯垢が溜まりやすく、3日ほどで歯石に変化します。数日間でも歯磨きを怠ると、歯石がどんどん蓄積してしまいます。
顎が小さい小型犬は、中型犬や大型犬より歯垢が付きやすく、口の中が狭いため、歯磨きが行き届かない箇所が生じやすくなります。
次の症状が見られたら、すでに歯周病が進行している可能性があります。
- 口臭がきつい
- 歯磨きすると歯茎から出血する
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯石がついている
これらが当てはまる場合は、早めにかかりつけの獣医師や歯科専門の獣医師に相談しましょう。
2.僧帽弁閉鎖不全症
僧帽弁閉鎖不全症は、小型犬がシニア期に差し掛かるころから発症しやすい心臓病のひとつです。心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁がうまく閉まらなくなり、血液が逆流します。
特に、チワワ、ポメラニアン、トイプードル、シーズー、マルチーズなどは発症しやすい犬種です。
注意したい初期症状は以下のとおりです。
- 乾いた咳をすること
- 息が上がりやすいこと
これらのサインが見られた場合、早期発見・治療のためにも速やかに動物病院で検査を受けましょう。
3.膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼(パテラ)は、膝のお皿がずれてしまう病気です。グレードは1から4まであり、軽度では自然に元に戻ることもありますが、重度になると繰り返し脱臼を起こします。
発症のきっかけには、以下のようなものがあります。
- ソファーやベッドなど高い場所からのジャンプ
- フローリングでの滑り
- 膝への過度な負担
突然「キャン!」と鳴き、足を浮かせたまま歩かなくなった場合は、脱臼の可能性が高いため、すぐに動物病院を受診してください。
予防のためには、次のような工夫が有効です。
- 高い場所への上り下りを避ける
- 滑り止めマットを敷く
- 肥満を防ぎ、体重を適正に保つ
4.流涙症
流涙症は、常に目の周りに涙があふれる状態を指します。涙によって毛が変色する現象は「涙やけ」と呼ばれます。
主な原因は次の2つです。
- 涙腺からの涙の分泌過多
- 涙の排出口や通り道の閉塞
片方だけが原因の場合もあれば、両方が重なっていることもあります。
命に関わる病気ではありませんが、見た目の変化が気になる場合は、涙やけ専用クリーナーでケアできます。ただし、使用方法や頻度には注意が必要なため、購入前に獣医師へ相談しましょう。
まとめ
小型犬がかかりやすい病気を4つ解説しました。
- 歯周病
- 僧帽弁閉鎖不全症
- 膝蓋骨脱臼
- 流涙症
これらの病気について事前に知識を持っておくことで、症状に早く気づき、適切な対応が可能になります。
日頃から愛犬の健康状態を観察し、予防ケアや定期健診を欠かさず行いましょう。愛犬が健やかに長生きできるよう、飼い主としてできる限りのサポートを心がけてください。