「犬は飼い主に似る」のは本当?
「犬は飼い主に似る」と言われることがあります。
結論から言うと、必ずしも似るとは限らないものの、確かにそのような傾向があるとされています。
ここでは、犬が飼い主に似る理由として考えられていることを紹介します。
飼い主が自分と似た犬を選んでいる
犬が飼い主に似ると言われる理由のひとつとして、始めから似ている犬を選んで飼っているということが挙げられます。
ただし、「似ている犬を飼いたい」と意図的に選んでいるわけではありません。
人間は、自分が見慣れている顔や雰囲気のものに対して、好意的になったり親しみを持ったりすると言われています。
多くの人が最も長い期間見ているのは、自分の顔です。そのため、知らず知らずのうちに自分に似た雰囲気の犬に親しみを感じて、選んでいる可能性があるのです。
飼い主の生活スタイルの影響が強い
犬の行動や生活は、どうしても飼い主の生活スタイルや趣味・趣向に影響されます。
飼い主が自宅で長く過ごすことを好む場合は犬もそうなりますし、たくさんの人と会ったりアウトドアが趣味だったりする場合は犬も同じような活動をすることになるでしょう。
犬の性格は、元々生まれ持った気質だけでなく、育った環境や経験によって形成されます。
そのため、性格や行動面に関しては、長い期間一緒に過ごすことで似てくることは十分考えられます。
食生活や運動への意識で体型が似る
人も犬も、食事や運動などが見た目に大きな影響を与えます。そして、犬の食生活や運動量は、飼い主の考え次第で決められてしまうものです。
健康意識が高い飼い主は愛犬に対しても同じようにする傾向があり、反対に食べることが好きな飼い主は愛犬にも我慢させずに食べさせてあげたいと思ってしまうこともあります。
このようなことから、犬と飼い主の体型が似てくることが多く見られます。
見た目が似ることに関する研究
「犬が飼い主に似る」というのは、決して愛犬家の望みや単なる噂というわけではありません。
実際、犬と飼い主が似ることについて、様々な研究や実験がおこなわれていて、根拠となる情報が開示されていたり、研究結果が発表されていたりします。
海外での研究・実験
2004年にはアメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校の心理学者クリステンフェルド教授らによって、犬と飼い主の顔の類似性に関する論文が発表されました。
45組の犬と飼い主の顔写真を見て、正しいペアをつくるというテストを学生相手におこなったところ、単純な偶然以上の正解率が出たのです。
ただし、これは純血犬種に限定されたテストの結果で、雑種犬種のテストでは同様の結果にはならなかったようです。
同じ趣旨の実験が、翌年にもベネズエラのシモン・ボリバル大学でおこなわれ、類似した結果が出たことが動物行動学の専門誌に掲載されました。
日本国内での研究・実験
日本では、2009年に関西学院大学の心理学者・中島定彦教授によって、犬と飼い主の写真を用いてペアをつくる実験がおこなわれました。
この実験では、より詳細な結果が得られるように目元や口元をそれぞれ隠した画像が使われました。
その結果、目元を隠した画像では、偶然程度の正解率しか得られませんでした。そのため、「犬と飼い主は、顔の中でも特に目つきが似る」と結論づけられたのです。
性格が似ることに関する研究
犬と飼い主は、見た目だけでなく性格も似ると考えられていて、その観点についての研究もおこなわれています。
アメリカのミシガン州立大学の社会心理学者ウィリアム・J・チョピクは、1,681頭の犬を対象にして飼い主にアンケートを取りました。
自分と犬の性格を比較してもらったところ、性格の類似点が多く存在していることが明らかになったのです。具体的には、以下のような傾向が見られました。
- 落ち着いた性格の飼い主は落ち着いた犬を飼っている
- 狭量性の高いタイプの飼い主は活発な気質の犬を飼っている
- 誠実な飼い主はよく訓練された犬を飼っている
- 神経質な性格の飼い主は怖がりな犬を飼っている
これについては、飼い主以外の第三者にも調査をおこない、飼い主と同様の評価をされていることが多いということもわかっています。
同様の研究調査は、他にもおこなわれていて犬と飼い主の性格の類似性が認められています。
まとめ
この記事では「犬と飼い主が似る」ということについて、様々な観点から考えました。
実験や研究でもその傾向が提示されていて、感覚的にそれを実感している飼い主も多いと思います。
もちろん明確になっていない部分もあるため、今後も研究が進むことに注目していきたいですね。