犬が「しょんぼり」しているときに考えられる6つの理由
1.体調不良や病気
犬がしょんぼりしている最も心配な理由のひとつは、体調不良や病気が隠れていることです。発熱や痛み、消化器系の不調(下痢や嘔吐など)があれば、犬はぐったりして元気がなくなります。
関節炎や腎臓病などの慢性的な病気がある場合も、常に倦怠感や不快感を抱え、しょんぼりとした様子を見せることがあります。普段の様子と違うと感じたら、体だけでなく行動全体を注意深く観察し、病気のサインを見逃さないようにしましょう。
2.ストレスや不安
犬は非常に繊細な動物で、ストレスや不安を感じるとしょんぼりすることがあります。これは、引っ越しや新しい家族が増えるといった環境の変化、来客による一時的な緊張、大きな音(雷や花火、掃除機など)への恐怖など、さまざまな要因で引き起こされます。
また、飼い主の多忙によるコミュニケーション不足や、運動不足、単調な毎日の刺激不足も、犬にとってストレスとなり、元気のない様子につながることがあります。
3.分離不安
飼い主と離れることへの極度の不安は、犬がしょんぼりする大きな原因となることも。これを「分離不安」と呼びます。
飼い主が外出すると、犬は過度のストレスを感じ、元気がなくなったり、破壊行動をしたり、吠え続けたりすることがあります。飼い主が帰宅すると異常なほど興奮して喜んだり、常に飼い主のそばを離れようとしなかったりするのも、分離不安のサインです。
4.寂しさや退屈
単に寂しさや退屈が原因でしょんぼりしている犬もいます。長時間のお留守番や、飼い主とのコミュニケーションが不足している場合、犬は精神的に満たされず、活力を失ってしまいます。
また、散歩や遊びの機会が少なかったり、毎日同じことの繰り返しで刺激がなかったりすると、犬は退屈を感じて無気力になり、しょんぼりとした表情を見せることがあるでしょう。
5.運動不足・エネルギー不足
犬種や個体によって必要な運動量は異なりますが、適切な運動量が満たされていないと、犬はストレスを感じてしょんぼりすることがあります。余分なエネルギーが発散されず、不満が蓄積されてしまうのです。
また、食事の量が足りていなかったり、栄養バランスが偏っていたりすると、体が充分なエネルギーを得られず、元気が出ない状態になることもあります。
6.老化によるもの
高齢の犬がしょんぼりしている場合、老化による体力の低下や関節の痛み、感覚機能の衰えが原因である可能性が高いです。目が見えにくくなったり、耳が聞こえにくくなったりすることで、以前のように活動できなくなり、元気がなくなることがあります。
また、犬の認知症が始まり、活動量の低下や無気力状態、混乱などが現れることもあるようです。
病院へ連れて行くべきサイン
犬がしょんぼりしている時に、単なる気分的なものではなく、病院へ連れて行くべき深刻なサインがあります。
例えば、食欲不振や嘔吐、下痢が続く場合は、脱水や他の消化器系の問題が疑われるので注意しましょう。呼吸が異常に速い、または遅い、震えが止まらない、触ると特定の部位を痛がる、あるいは唸るといった行動も、体のどこかに異常がある明確なサインです。
意識が朦朧としていたり、呼びかけに反応しなかったり、症状が急激に悪化している場合は、迷わずすぐに動物病院を受診してください。これらのサインは、早期治療が必要な緊急性の高い状態を示している可能性があります。
愛犬のテンションをあげるための簡単な方法
適度な運動と散歩
愛犬の気分を上げるには、毎日決まった時間に適度な運動と散歩を取り入れることが大切です。散歩は気分転換になるだけでなく、ストレス解消にも繋がります。
運動量を犬種や年齢に合わせて調整し、ボール遊びやドッグランなど、様々な種類の運動を取り入れることで、犬は心身ともに満たされ、活発になります。
新しい遊びや刺激
生活にマンネリを感じている犬には、新しい遊びや刺激を与えてみましょう。おやつを隠して探させる知育玩具や、パズル型のトイは、犬の頭を使い、達成感を与えることができます。
また、新しいおもちゃを与えたり、普段行かない場所へ散歩に行ったりして、新しいにおいや景色を体験させるのも良い気分転換になります。
たくさんのスキンシップ
犬にとって、飼い主からのスキンシップは最高の愛情表現です。優しく撫でたり、マッサージをしたり、名前を呼んで声をかけたりする時間をたっぷり取りましょう。
ソファで一緒にくつろいだり、膝に乗せて安心させてあげたりすることで、犬は愛情を感じ、心の安定を取り戻し、元気を取り戻すことができます。
規則正しい生活リズム
犬は規則正しい生活リズムを好みます。食事や散歩の時間を毎日一定にすることで、犬は安心感を持ち、精神的に安定します。また、十分な睡眠時間を確保することも、犬の心身の健康維持には不可欠です。
予測可能なルーティンは、犬にとってストレス軽減に繋がり、元気を取り戻す手助けとなります。
美味しいおやつやフード
愛犬の気分が沈んでいるときは、特別なおやつや、普段とは違う美味しいフードを試してみるのもひとつの方法です。ただし、与えすぎには注意し、あくまで一時的なご褒美として利用しましょう。
手作り食を試したり、栄養バランスの取れたフードに良質なトッピングを加えたりすることも、食欲を刺激し、エネルギーを補給する上で役立ちます。
環境の見直し
犬がストレスを感じている原因が環境にある場合は、その環境を見直す必要があります。愛犬が安心して休める寝床や、いざという時に隠れられる場所を用意してあげましょう。
また、雷や掃除機など、犬が苦手な音や物に配慮し、できるだけストレスの少ない環境を整えることも、犬の気分を上向きにするために重要です。
まとめ
犬が「しょんぼり」している時は、体調不良、ストレス、寂しさ、老化など様々な理由が考えられます。まずは体の異変がないかを確認し、もし病気のサインがあれば速やかに獣医に相談しましょう。
心因性の場合は、適度な運動や新しい刺激、たっぷりのスキンシップ、規則正しい生活を通して、愛犬の心と体を満たし、元気を引き出してあげることが大切です。