犬にとって『フローリング』は危険?トラブルになりかねない3つの悪影響から環境の整え方まで

犬にとって『フローリング』は危険?トラブルになりかねない3つの悪影響から環境の整え方まで

『犬にとってのフローリングによる悪影響』についてまとめました。フローリングが原因で犬が大怪我を負ったり歩行が困難になったりすることがあります。犬にとっての安全な環境の整え方を解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬にとってのフローリングによる悪影響

窓辺に寝そべる犬

1.滑って関節を痛める恐れがある

犬がフローリングの上で滑った拍子に、関節を痛めてしまうことがあります。

たとえば、急に手足を気にするようになったり、足をかばうように上げて歩いたりすることがあります。動物病院で診てもらっても異常が見つからないケースもありますが、そのような場合は、留守中など飼い主が見ていない間にフローリングで滑ってしまい、関節を軽く痛めた可能性が考えられます。

異常が見つからなかった場合でも、しばらく散歩を控えて安静に過ごすことで、痛みが和らいでいくでしょう。

2.滑った拍子に捻挫することがある

犬はフローリングで滑ったときに、関節をひねって捻挫してしまうことがあります。

軽度の捻挫では、足を少し気にするそぶりを見せながらも、普段通りに歩けることがあります。中度では、足を浮かせて歩いたり、触られるのを嫌がったりする様子が見られるようになります。

重度になると、激しい痛みを感じて「キャンッ!」と甲高い声を上げたり、患部に腫れが出ることもあります。

捻挫とは、骨と骨をつないでいる靭帯に過度な負荷がかかり、損傷してしまった状態です。フローリングで滑ったときに靭帯が引き伸ばされ、繊維が一部断裂することが原因となります。

痛みと腫れが同時に見られる場合には、早急に動物病院で診察を受けることが必要です。特に重度の場合には、靭帯の完全な断裂や関節内部の深刻な損傷が起きている可能性があります。

3.踏ん張れずに転倒してしまう危険がある

高齢の犬にとっては、ただ普通に歩いているだけでも、フローリングの上では踏ん張りが効かず、転倒してしまうことがあります。

加齢に伴って筋力が衰えることで、バランスをとる力が弱まり、若い頃よりも滑りやすくなってしまうのです。

転倒すると、関節や靭帯を痛めるだけでなく、頭や体を床に強く打ちつけてしまう危険もあります。特に高齢犬は受け身をとることが難しくなっており、ケガのリスクがさらに高まります。

一度転倒してケガをすると、歩くことが困難になって散歩ができなくなり、そのまま筋力が落ちて寝たきりになるケースも少なくありません。

犬がフローリングの悪影響を受けないための対策

ワックスがけ、フローリングのツヤ

滑り止めワックスで床をコーティングする

フローリングには、滑り止めワックスを塗布することで、犬が滑りにくい床に変えることができます。

「ペット用滑り止めワックス」で探すと、ホームセンターなどで手に入れることができます。専用のワックスを使えば拭き掃除の感覚で簡単に床をコーティングでき、専門業者に頼む必要もありません。

タイルカーペットを敷く

タイルカーペットは滑り止め効果があり、犬にとって安全な床環境をつくるのに最適です。筆者も使用していますが、ペット用は爪が引っかかりにくく安心です。人間用でも代用できますが、爪が引っかかるリスクがあるため注意が必要です。

また、ペット用のタイルカーペットは水分やニオイに強く、部分的に洗えるタイプもあります。仮に犬が「ホリホリ」して穴を開けてしまっても、その部分だけ交換できるのが大きな利点です。

まとめ

敷物に寝る犬

犬にとってのフローリングによる悪影響を3つ解説しました。

  • 滑って関節を痛める恐れがある
  • 滑った拍子に捻挫することがある
  • 踏ん張れずに転倒してしまう危険がある

夏場はフローリングのひんやり感を好んで寝転がる犬も多いですが、全面をフローリングにするのではなく、部分的に滑り止め対策をしておくことが重要です。

滑り止めワックスやタイルカーペットなどを活用し、愛犬が安全に暮らせる室内環境を整えてあげましょう。思わぬケガを防ぐためにも、今できる対策から始めてみてください。

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