トリマーの給料はいくら?平均年収・平均月収
トリマーの平均年収は、一般的に約300万円から390万円前後が目安です。
これを平均月収に換算すると、約25万円から30万円程度となります。
ただし、この金額はあくまで全国的な平均値であり、実際の手取り額は社会保険料や税金が差し引かれるため、これよりも少なくなる点に注意が必要です。
また、給与は経験やスキル、働き方によって大きく変動するため、年収300万円未満で働いているトリマーも少なくありません。
トリマーの給料が変動する要因
トリマーの給料は、働く場所や個人のスキルなど、様々な要因によって変わってきます。なぜ給料に差が生まれるのか、その具体的な要因を解説します。
地域による給料の差
トリマーの給料は、勤務する地域によって大きな差が見られます。一般的に、東京都、神奈川県、大阪府などの大都市圏では給料水準が高くなる傾向にあります。これは、ペットを飼育している世帯が多くトリミングの需要が高いことや、地域の最低賃金・物価水準が高いことが理由です。
一方で、地方都市や郊外では、都市部に比べて給料が低くなる傾向が見られます。ただし、地方は家賃などの生活コストを抑えられるメリットもあるため、給与額面だけで判断するのではなく、可処分所得や生活スタイルを総合的に考慮することが重要です。
勤務先による違い
給料は勤務先の経営形態によっても異なります。それぞれの特徴を理解し、自身のキャリアプランに合った職場を選びましょう。
独立経営のペットサロン
個人が経営する小規模なペットサロンでは、給与水準は店舗の経営状況に大きく左右されます。
経営者との距離が近く、アットホームな環境で働けることが多い一方で、福利厚生やボーナス制度が整っていない場合もあります。ただし、実力が認められれば、お店の顔として活躍し、給与アップに繋がりやすい側面もあります。
大型ペットショップチェーン
全国展開しているような大型ペットショップでは、給与テーブルや評価制度が明確に定められていることが多く、安定した収入を得やすいのが特徴です。
正社員として雇用されれば、社会保険が完備され、ボーナスが支給されるケースも少なくありません。キャリアアップの道筋が用意されていることも多く、店長などの役職を目指すことも可能です。
動物病院併設のサロン
動物病院に併設されたトリミングサロンで働く場合、給与水準は他の勤務先と大きく変わらないことが多いですが、専門性が求められる点が異なります。
皮膚疾患を持つトイ・プードルや、高齢の柴犬など、健康状態に配慮が必要な動物に対応する機会が増えます。そのため、動物看護の知識やスキルを身につけることで、シャンプー療法などの専門的な業務に携わり、それが手当として給与に反映される可能性があります。
ボーナスの有無
ボーナス(賞与)の有無は、年収に大きく影響します。正社員として雇用される場合は、企業の業績に応じて年1回または2回ボーナスが支給されることが一般的です。特に規模の大きな企業や経営が安定しているペットサロンでは、支給される可能性が高まります。
一方で、個人経営のサロンや、アルバイト・パートタイマーといった雇用形態の場合は、ボーナスが支給されないことも珍しくありません。
勤続年数
トリマーの仕事は技術職であるため、勤続年数、すなわち経験年数が長くなるほど給与も上昇していく傾向にあります。
入社したばかりの見習い期間は、先輩トリマーのアシスタント業務が中心となるため給与は低めに設定されていますが、一人で一頭を仕上げられるようになると昇給します。さらに経験を積み、チーフや店長といった役職に就くことで、役職手当が加算され、さらなる収入アップが見込めます。
スキル・資格
トリマーのスキルや保有資格も給料を左右する重要な要素です。例えば、一般社団法人ジャパンケネルクラブ(JKC)が公認するトリマーライセンスなど、業界で認知度の高い資格を保有していると、資格手当が支給される職場もあります。
また、資格だけでなく、テディベアカットやアフロカットといった人気のデザインカットを高いクオリティで仕上げる技術や、大型犬のトリミング、猫のトリミングに対応できるといった特殊スキルも、指名の獲得や給与交渉において有利に働くでしょう。
トリマーの給料を上げる方法
トリマーとして収入を増やしていくためには、受け身でいるのではなく、能動的にキャリアを築いていく意識が大切です。ここでは、給料を上げるための具体的な方法をいくつか紹介します。
個別で指名をもらう
お客様から「あなたにお願いしたい」と指名をもらえるトリマーになることは、収入アップへの最も確実な道の一つです。指名数が増えれば、店舗への貢献度が高いと評価され、基本給のアップやインセンティブ(歩合給)の支給に繋がります。
高いカット技術はもちろんのこと、飼い主様との丁寧なカウンセリングを通じて信頼関係を築くコミュニケーション能力や、担当したチワワやダックスフンドの健康状態を細かくチェックし、報告するといった気配りも重要になります。
独立開業をする
トリマーとしての経験とスキル、そして顧客を十分に獲得した後には、独立開業するという選択肢もあります。自身のペットサロンを持てば、売上が直接自身の収入となるため、大きく成功すれば年収1,000万円以上を得ることも夢ではありません。
ただし、独立にはトリミング技術だけでなく、資金調達、物件探し、集客、スタッフの雇用といった経営に関する知識とスキルが不可欠です。大きなリターンが期待できる一方で、全てのリスクを自身で負う覚悟も必要となります。
副業をする
現在の職場で働きながら、トリマーのスキルを活かして副業をすることも収入を増やす有効な手段です。例えば、休日に友人や知人のペットをカットしたり、お客様の自宅へ訪問する出張トリマーとして活動したりする方法があります。
また、ペットホテルやペットシッターを請け負う、トリミングに関する知識を発信するブログやSNSを運営して広告収入を得るなど、トリミングの直接的な作業以外にも様々な可能性が考えられます。
役職に就く
現在の勤務先でキャリアを積み、店長やエリアマネージャーといった管理職を目指すのも収入を上げるための一つの道です。役職に就くことで、基本給に加えて役職手当が支給されるため、安定した収入アップが見込めます。
役職者には、自身の技術だけでなく、スタッフの育成や売上管理、シフト作成といったマネジメント能力が求められます。
トリマーを目指すためのおすすめスクール・通信講座
トリマーになるためには、専門的な知識と技術を学ぶ必要があります。ここでは、信頼と実績のある代表的なスクール・通信講座を紹介します。
ヒューマンアカデミー
全国に校舎を持つ大手資格スクール「ヒューマンアカデミー」が提供する通信講座です。ペット業界のプロが監修したカリキュラムで、トリミング技術はもちろん、動物看護やペット経営学まで幅広く学べるのが特徴です。
映像教材が充実しており、自分のペースで学習を進められます。また、通学講座も開講しているため、ライフスタイルに合わせた学び方が選べるのも魅力です。
トリマー講座|通信教育講座で資格なら「ヒューマンアカデミー通信講座
日本ケンネルカレッジ
ペット分野に特化した通信教育機関として長い歴史と実績を持つのが「日本ケンネルカレッジ」です。第一線で活躍するプロのトリマーが講師を務め、実践的なスキルを学ぶことができます。
資格取得のサポート体制が手厚く、卒業後の開業支援など、キャリアサポートも充実しています。自宅に送られてくる教材だけで、基礎から応用まで体系的に学習を進めることが可能です。
ドッグトリマー養成専門講座 | ペット専門通信資格の【日本ケンネルカレッジ】
SARAスクールジャパン
女性の資格取得を応援する「SARAスクールジャパン」のペット関連講座も選択肢の一つです。トリマーの資格だけでなく、ドッグトレーナーやペットブリーダーなど、関連する複数の資格を同時に取得できるカリキュラムが用意されています。
最短2ヶ月で資格取得が目指せるプラチナコースを選択すれば、卒業課題を提出することで試験免除で資格が認定されるため、効率的に学習したい方に向いています。
ペットトリミングアドバイザー®W資格取得検定の通信講座| SARAスクール
まとめ
トリマーの給料は、勤務地や勤務先、個人のスキルセットによって大きく変動します。キャリアのスタート時点では決して高いとは言えないかもしれませんが、技術を磨き、お客様からの信頼を得て、指名を増やしていくことで着実に収入を上げていくことが可能です。
さらに、独立開業や副業といった選択肢もあり、自身の努力と工夫次第で収入の可能性は大きく広がります。
トリマーは、動物を美しく健康に保ち、飼い主を笑顔にできる、非常にやりがいの大きな仕事です。この記事で紹介した情報を参考に、ご自身の理想のキャリアプランを描き、夢への一歩を踏み出してください。