犬が『クーラー病』になっているときの症状3選 主な判断基準や予防策まで

犬が『クーラー病』になっているときの症状3選 主な判断基準や予防策まで

夏の間、室内でクーラーを使用することは犬の熱中症対策に有効ですが、冷やしすぎることで「クーラー病」になることもあります。今回は、犬がクーラー病にかかっているときに見られるおもな症状や、その判断基準、そして予防法について詳しく解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬のクーラー病の症状3選

床に伏せている犬

夏場の冷房によって引き起こされるクーラー病は、人間だけでなく犬にも起こりうる体調不良です。冷気の当たりすぎや室温と外気温の差がストレスとなり、自律神経が乱れることで体調に異変があらわれます。以下に挙げるような症状が愛犬に見られたら、クーラー病が疑われます。

1.咳・くしゃみ・鼻水

冷気に長時間さらされると、自律神経が乱れて犬の呼吸器に負担がかかります。その結果、咳やくしゃみ、鼻水が出るなど、まるで風邪をひいたかのような症状があらわれることがあるのです。

また、クーラーをつけることで空気が乾燥し、咳の原因になることもあります。室温だけでなく、湿度にも注意しましょう。ちなみに、犬に快適な湿度は「50~60%」と言われています。

2.嘔吐・下痢などの消化器症状

自律神経が乱れると、消化器系にも影響が及びます。その結果、嘔吐や下痢といった症状が出ることがあります。

とくに、子犬や高齢犬、体力のない犬は注意しましょう。冷房の効いた室内に長くいたあとにこれらの症状があらわれた場合は注意が必要です。

嘔吐・下痢が続くと脱水症状を引き起こすことがあります。早めに動物病院を受診しましょう。

3.食欲不振

自律神経が乱れて、消化器官の働きが低下すると、食欲にも影響を及ぼします。犬がいつものようにフードに興味を示さなかったり、食べる量が極端に減ったら要注意です。クーラーの影響で体調を崩している可能性があります。

食欲旺盛な犬が急にご飯を食べなくなったときは、クーラー病を疑い、冷房環境の見直しをしてみましょう。

クーラー病かどうかを判断するためのチェックポイント

ソファーで家族とくつろぐ犬

犬の「クーラー病」は、冷房の効きすぎや急激な温度変化によって引き起こされる体調不良です。人間と同じく、犬も冷えには敏感で、特に小型犬や短毛の犬、シニア犬は影響を受けやすくなります。クーラー病かどうかを判断するには、いくつかのチェックポイントがあります。

  • 室温と外気温の差が大きい環境で生活している
  • 元気がない、だるそうでぐったりしている
  • 風邪のような症状が見られる
  • 急にご飯を食べなくなった
  • 嘔吐、下痢の症状が見られる
  • 体を丸める、布団に潜り込む(寒がる)
  • 水を飲む量が減っている

クーラーの効いた室内で過ごすことの多い犬にこれらの様子が見られたら、クーラー病の可能性を疑いましょう。

犬のクーラー病の予防法

扇風機の前に寝そべる犬

クーラー病を防ぐには、室温管理と冷気の当たり方に注意することが大切です。冷房の設定温度は25〜28度を目安にし、風が犬に直接当たらないよう、風向きを調整します。冷気は下に溜まりやすいので、サーキュレーターを活用して、上下で差が生じないようにすると良いでしょう。

また、冷えすぎ防止のために、部屋の扉を開けて自由に移動できるようにします。寒すぎたときに暖まれるように、毛布を置いておくのもおすすめです。

さらに、毎日の体調チェックもおこないましょう。食欲、便の状態、活動量、呼吸の様子などを観察し、クーラー病が疑われる症状が見られたら、温度設定を見直しましょう。


まとめ

扇風機の前でヘソ天で寝る犬

犬にとって夏の冷房は命を守る大切な手段です。その一方で、過剰な冷えによってクーラー病になるリスクもあります。咳やくしゃみ、嘔吐・下痢、食欲不振など、少しでも異常が見られたら、室温や湿度、冷気の当たり方に問題がないか確認しましょう。

また、犬種や年齢、体格によって適温は異なるため、愛犬にとってちょうど良い環境を探ることが大切です。愛犬が快適に、そして元気に過ごせるよう、クーラーの使い方を見直してみましょう。

それでも体調不良が続くときは、早めに獣医師に相談してくださいね。

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