犬の咬みつきレベル
レベル1:歯を見せて威嚇するが、咬まない
レベル1では、犬が歯をむき出しにして唸る、咬みつくふりをするなど、攻撃的な態度を見せることがありますが、実際に咬むことはありません。
この行動は、警戒や不安の表れであることもありますが、遊びの一環で見られることも。たとえば、飼い主とのじゃれ合い中に唸ったり、歯を見せる仕草をしたりするのもこのレベルです。
レベル2:歯が人に軽く当たる
レベル2では、咬みつくふりの際に歯が人の手などに当たってしまうことがあります。とくに犬が遊びに夢中になっているときに起こりがちです。
攻撃の意図はなく、「やりすぎちゃった…」といった表情を見せることも。軽い擦り傷やごく少量の出血をともなう場合があり、小さな子どもとの接触には注意が必要です。
レベル3:1回だけ本気で咬む
レベル3では、犬が本気で咬んでしまうことがあります。皮膚には1〜4か所の刺し傷ができ、犬歯の半分程度の深さになることが多いです。
驚いたり、恐怖心から「やめて!」と反射的に咬むことが原因となるケースがあり、手を引いた際に裂傷になることもあるため注意が必要です。
レベル4:深く咬みつき、離さない
このレベルでは、咬まれた傷の深さが犬歯の半分以上となり、咬んだまま数秒間離さないことがあります。
さらに、犬が頭を振るなどの動きを加えると、傷が裂ける場合もあり、皮膚には刺し傷に加えて打撲や裂傷が確認されることがあります。
レベル5:複数回の攻撃的な咬みつき
咬みつきレベル5では、レベル4と同程度の深刻な傷を複数箇所にわたって負わせる状態です。もしくは、同様の咬傷事故を繰り返している犬もこのレベルに該当します。
この段階になると、非常に危険な行動であり、飼育管理が困難となる場合もあります。
レベル6:命に関わる致命的な咬みつき
もっとも深刻な咬みつきがレベル6です。咬みついた相手が命を落としてしまう場合が該当します。人に対してだけでなく、他の動物に対する致命的な咬みつきもこのレベルに含まれます。
愛犬の咬みつきを改善する方法
レベル1・2の対処法
軽い甘噛みや遊びの延長で歯が当たる程度の咬みつきは、子犬期に多く見られ、成長とともに落ち着くことが多いです。
ただし、「人間の手を噛んではいけない」ことは必ず教える必要があります。痛みがなくても「ダメ」「いけない」と伝えるなど、しつけを意識しましょう。
レベル3・4の対処法
この段階では、飼い主だけでの対処は困難です。専門のトレーナーや獣医行動診療科の助けを借りて、プロによる訓練を受けさせることをおすすめします。
レベル5・6の対処法
非常に危険な咬傷行動であり、訓練による改善も難しいレベルとされています。状況によっては安楽死を勧められることもあるため、咬みつきがエスカレートする前の早期対応が重要です。
まとめ
犬の咬みつきは、軽いものから深刻なものまで6段階に分かれており、行動や傷の深さによって判断されます。
「可愛いから」「子犬だから」と許してしまうと、咬みグセはどんどん悪化することがあります。レベル1や2のうちにきちんとしつけることが、咬傷事故を防ぐカギです。
愛犬との暮らしを安全で幸せなものにするためにも、早めの対処と正しいしつけを心がけましょう。