犬の体にしこりがあるときに考えられる病気
犬の体に触れたとき、ふと「しこり」のようなものを見つけて心配になった経験はありませんか?
しこりとは、皮膚や皮下組織にできるかたまりのこと。これは腫瘍や膿、炎症によるものなど原因はさまざまです。
特に多くの飼い主さんが不安になるのは、腫瘍、つまり細胞が異常に増殖したできものです。悪性腫瘍(がん)の可能性もあり、早めの対応が重要になります。
今回は、犬の体にしこりができたときに考えられる代表的な病気について、わかりやすく解説します。
1.乳頭腫
犬の体にできるしこりのひとつが「乳頭腫」。パピローマウイルスによってできる、いわゆる「イボ」のようなもので、ほとんどが良性の腫瘍です。
特徴は以下の通りです。
- カリフラワーのような形状
- 色は白やピンク
- 表面がザラザラしている
- 口の中、口の周り、目の周辺などにできやすい
多くの場合、自然に小さくなることが多く、特別な治療が必要ないこともあります。ただし、まれに悪性化するケースもあるため、次のような症状がある場合は早めに動物病院で診察を受けましょう。
- 色が黒や紫になっている
- 大きさが1cm以上ある
- 徐々に大きくなっている
- 発見から3か月以上経過している
2.脂肪腫
脂肪腫は、犬の体表にできる柔らかなしこりで、良性腫瘍のひとつです。主に中高齢の犬でよく見られます。
特徴は以下の通りです。
- 柔らかくて触っても痛がらない
- ゆっくりと大きくなる傾向がある
- 肥満気味の犬に見られることがある
脂肪のかたまりであるため、ダイエットでは自然に消えることはありません。基本的には悪性化のリスクは低いですが、場所や大きさによっては手術での切除が検討されることもあります。
獣医師と相談の上、経過観察か切除を選択しましょう。
3.乳腺腫瘍
乳腺腫瘍は、犬の乳腺にできるしこりで、特に避妊していないメス犬や高齢犬に多く見られます。
特徴は以下の通りです。
- しこりが脇の下から足の付け根付近にできる
- 良性と悪性の両方が存在
- 悪性の場合は再発や転移のリスクがある
特に、乳腺の数が人間よりも多い犬は、広い範囲にわたって異変が起こることがあります。しこりの状態によっては、外科手術に加えて抗がん剤や放射線治療が行われるケースもあります。
発見した際は、触りすぎて炎症を起こさないようにし、なるべく早めに獣医師へ相談しましょう。
まとめ
犬の体にしこりがあるときに考えられる病気を3つ解説しました。
- 乳頭腫
- 脂肪腫
- 乳腺腫瘍
しこりは予防が難しいものですが、日々のスキンシップで早期発見することが何より大切です。
特に高齢の犬や避妊をしていないメス犬はリスクが高いため、定期的な触診を習慣にしましょう。
しこりの種類や悪性・良性の判断は、見た目や触った感触だけでは分かりません。少しでも気になることがあれば、すぐに動物病院で診てもらいましょう。