犬が必要とする散歩の距離は?
犬はどれくらい散歩をするのがベストなのか、気になっている人は少なくないと思います。
しかし、犬の散歩の目安は本当に個体差が大きく、一概に「何km歩けばOK」とは言い切れません。
同じ距離でも、歩くスピードや途中に立ち寄る公園での過ごし方などによって、かかる時間や使う体力が異なります。
そのため、犬の散歩をどのくらいするかを考えるときは、距離だけでなく時間や内容もあわせて総合的に判断するようにしましょう。
また、散歩は常に同じ距離を歩くことを意識する必要はなく、季節や生活リズムに合わせて調整するのがおすすめです。
犬も人間と同様に、暑い季節は体力を消耗しやすいので、散歩中の様子や疲労具合を見て、散歩の距離や時間を決めるようにしてください。
犬種やライフステージ別の散歩の目安
小型犬の場合
小型犬の場合、1回の散歩で歩く距離の目安は約1~2kmとされています。歩き続ければ20分程度かかる距離と考えられていて、この距離を1日2回歩くのが理想です。
途中で公園に立ち寄ったり、遊んだりすることもあると思うので、散歩全体の目安は30分前後になることが多いでしょう。
ただし、「超小型犬」と呼ばれる体重4kg以下の犬の場合は、やや少なめの1km前後でもいいでしょう。超小型犬は骨が細く関節が華奢な傾向があるので、運動のしすぎで体に負担がかかってしまうことがあります。
小型犬の中でも、ジャック・ラッセル・テリアやミニチュア・ダックスフンドのように活動的な犬種の場合、中型犬または大型犬の体力を持っていることもあります。若く健康なうちは、中型犬の散歩量を目安にするといいでしょう。
中型犬の場合
中型犬の場合、1回の散歩で2~3km歩くのが目安です。時間としては30~40分程度運動するといいでしょう。小型犬同様に、1日2回散歩をしましょう。
中型犬はビーグルや柴犬、ボーダー・コリー、コーギーのように、狩りや牧畜・牧羊などの仕事をしていた犬種が多くいます。
そのため、体力も筋力も十分で、多くの運動や刺激を求めているので、散歩内容も充実させてあげることを意識しましょう。いつも決まった道を歩き続けるだけでなく、走ったりおもちゃ遊びを取り入れたりして、様々な体の使い方をさせてあげてください。
大型犬以上に体力のある犬や運動能力が高い犬も多いので、そうした傾向がある場合はアジリティやフライボール、フリスビー、ドッグダンスなどのドッグスポーツに取り組むのもおすすめです。
大型犬の場合
大型犬の散歩では、1日2回、1回あたり3~4kmが目安とされています。
体の大きな大型犬は体力があるため、たっぷりの運動が必要です。しかし、体重が重いため、歩行時や運動時に足腰の関節に負担がかかってしまう可能性もあります。
レトリバー種を始めとした大型犬は、股関節形成不全や椎間板ヘルニアを持病として抱えていることも多く、過度な運動によって症状が進行してしまうことも考えられます。
散歩のときは、ジャンプやダッシュなど関節に負荷がかかりやすい運動は控えめにして、のんびり歩き続けるなど無理のない運動を意識しましょう。
子犬の場合
生後1年間の子犬期は、骨格や筋肉が成長段階にあるため、その期間に過度な運動をさせると体に負担がかかってしまう可能性があります。
また、子犬は元気いっぱいですが、体力のコントロールもまだまだ未熟なので、飼い主さんが調整してあげる必要があります。
長距離を歩かせたり、高いところからジャンプさせたりといったことをくり返すと、体の成長を阻害することも考えられます。最初は数百mから1kmを目安にして、歩く距離やスピードを少しずつ上げながら、体力と筋力をつけていきましょう。
特に、大型犬の場合は小型犬に比べて成長スピードがゆっくりなので、体は1歳半~2歳で成犬に達するとされています。
そのため、2歳くらいまでは、骨格に負担がかかるような激しい運動は控えた方がいいでしょう。
シニア犬の場合
小型犬の場合は9~10歳頃、大型犬の場合は6~7歳頃からシニア期に入ると言われています。
犬は年齢を重ねることで、少しずつ体力や筋力が低下していくため、若く健康なときと同じ散歩をしていると体に負担がかかりすぎてしまいます。
散歩による疲労が回復せずに蓄積したり、関節を痛めてしまったりするので、犬の様子を見ながら距離や時間を調整しましょう。
ただし、老齢の犬であっても外に出て、様々な刺激を受けることは大切です。短い距離でも散歩に出たり、抱っこやカートで外の空気を楽しんだりさせてあげてください。
まとめ
この記事では、犬種やライフステージ別に散歩の距離の目安を紹介しました。
愛犬の体力や体の大きさ、生活環境などに照らし合わせて、ベストな散歩ができるようにぜひ参考にしてください。