1.甘やかす・要求に応えすぎる
「かわいいからつい…」と、犬の要求に何でも応えてしまう飼い主さんは少なくありません。しかし、しつけにおいてはNG行為です。
おやつを食べたい、かまってほしい、散歩に行きたい、そんなアピールに毎回応じていると、犬は自分が主導権を握っていると勘違いしてしまいます。結果として、わがままや問題行為の原因になりかねません。さらに、飼い主さんとの信頼関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
甘やかすことと愛情を注ぐことは違います。愛犬との良好な関係を築くためには、メリハリのある対応を意識し、ときには「無視する」「待たせる」ことも必要です。
2.要求に応えておやつや人間の食べ物を与える
犬が欲しそうな顔をすると、ついおやつを与えてしまったり、食事中につまみ食いをさせてしまうことはありませんか?しかしこれらの行為は、愛犬の健康や命を脅かすリスクと隣り合わせであることを知っておきましょう。
ねだられるままにおやつを与えていると、ご飯を食べなくなる、栄養バランスが崩れるなどのリスクがあります。
また、人間の食べ物は犬にとって塩分や脂肪が多すぎる場合があり、体に負担をかけてしまいます。誤って、玉ねぎやレーズンなどの危険な食べ物を口にしてしまうリスクも無視できません。さらに「おねだりすればもらえる」と学習し、食事中におねだりされつづけることもあり得ます。
いずれにしても、食べ物を与えすぎれば肥満や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因にもなり、犬の健康には悪影響となります。
もちろん、絶対に与えてはいけないというものではありませんが、与え方には注意しましょう。
3.常に一緒にいようとする
「寂しい思いをさせたくないから」と四六時中一緒に過ごしていませんか?一見すると愛情たっぷりの行為にも思われますが、必ずしも犬にとって良い環境とは言えません。
いつも一緒にいることが当たり前になると、飼い主さんがいないだけで不安になり、留守番中に強いストレスを感じたり、分離不安症を引き起こしたりする原因になります。つまり、犬の性格によっては逆効果になるかもしれないのです。
また、犬もひとりでゆっくりと過ごしたいと思うことがあるようです。いつもベッタリでは、うんざりしているかもしれません。
愛犬の自立心を育むためにも、ひとりで過ごす時間も大切にしてあげましょう。
4.不安要素をすべて排除する
「愛犬が怖がるから」と掃除機やドライヤーの音、人ごみ、ほかの犬との接触など苦手なものをすべて避けていると、ストレスに弱く、社会性のない犬に育ってしまいます。
過度なストレスは避けるべきですが、ほどよい刺激や経験は、犬が環境に慣れていくためには欠かせません。完全に守られた世界で生きていると、ほんの小さな変化にも過剰に反応し、臆病で不安定な性格の犬になります。生きづらさを感じる原因になってしまうでしょう。
愛犬のためを思っての行為なのは理解できますが、先回りして危険を回避させたり、排除したりするのは、場合によっては間違った愛情になりかねません。
本当に愛犬のことを思うなら、少しずつ刺激に慣れさせて、適応できるようにトレーニングをおこなうことが大切です。
5.他の犬と無理矢理交流させようとする
ほかの犬と遊ばせることは、愛犬にとって良いことと思い込んでいませんか?愛犬の性格によっては、ありがた迷惑になっているかもしれません。
一般的には、ほかの犬と交流することで、接し方や遊び方を学び社会性を身につけます。しかし、犬にも性格があることを忘れてはいけません。
犬の性格もさまざまで、社交的な子もいれば、マイペースでほかの犬が苦手な子やひとりで過ごすのが好きな子もいます。嫌がっているのに無理に近づけると、ストレスやトラウマの原因になったり、場合によってはケンカに発展したりする可能性も。
大切なのは、犬自身の気持ちや様子をよく観察し、その子に合ったペースで交流を進めることです。
まとめ
愛犬にとって良かれと思っている行為が、実はストレスや負担になっていることは少なくありません。
愛情から、ついつい過干渉になったり、甘やかしたりするのはよくあることですが、過剰になると犬の自立を阻害し、健康を損なってしまうおそれがあります。
今回、紹介した5つのNG行為に心当たりがある方は、ぜひ、日々の接し方を見直してみてください。そして、愛犬がのびのびと健やかに暮らせるよう環境を改善していくことが大切です。