意外な理由も!?犬が『体をグーンと伸ばす』心理5選
愛犬と暮らしていると、ふいに体をグーッと伸ばしている仕草を見かけることがありますよね。「ストレッチかな?」と思うかもしれません。実は、犬が体を伸ばす理由はさまざまです。考えられる心理を解説します。
1.筋肉をほぐすため
犬が体を伸ばす代表的な理由は筋肉をほぐすため、いわゆるストレッチです。わたしたちも寝起きに伸びをしますよね。同じ体勢で凝り固まった体を「う~ん!」とストレッチをしてほぐしていると考えられます。
ほかにも「散歩に行くよ!」との声かけに伸びをする犬もいるでしょう。まるで準備運動をしているようで微笑ましいですよね。
これはストレッチとは別に気持ちを切り替える意味合いも含まれているでしょう。「さぁ、散歩に行くぞ~!」と気合を入れているのかもしれません。
2.ストレスを感じている
ストレッチとしての微笑ましい伸びとは真逆の意味合いの伸びもあります。それは「ストレスサイン」として体を伸ばすことです。
犬は緊張や不安を感じると、自分や相手を落ち着かせるために「カーミングシグナル」というサインを出します。そのひとつが伸びをすることです。ほかにもあくびをしたり、尻尾を振ったりと一見するとストレスとは思えない行動を取るのです。
初対面の犬を前にしたときに愛犬が伸びをすると、それは「落ち着いて」「攻撃しないよ」と相手に伝えているということです。また、飼い主さんに叱られているときに繰り返し伸びをするときは「もう怒らないで」と訴えています。
状況とそぐわないときに伸びをすると不思議に思うはずですが、それは愛犬からのストレスサインかもしれません。注意深く観察しましょう。
3.遊びに誘っている
キラキラとした笑顔でお尻を突き上げグーッと伸びをしていたら、それは「遊ぼうよ!」と相手を誘っています。これは「プレイバウ」と呼ばれる犬特有のサインです。
気の合う犬相手にとることが多いポーズですが、人相手にも見られます。飼い主さんにもするポーズですので、愛犬が誘ってきたら思いっきり誘いに乗ってあげましょう。
4.お腹の調子が悪い
お腹やお腹付近の調子が悪いときに、その痛みや違和感を和らげようと繰り返し伸びをすることがあります。嫌な状態を解消したくて腹部を舐める、後ろ足で掻くなどの行為を合わせてすることも。
犬が前足を伸ばし、胸を床につけてお尻を上げる姿勢は「祈りの姿勢」とも呼ばれ、腹痛のサインのひとつです。いっときの腹痛や消化不良からくる違和感であればさほど問題はありませんが、膵臓が炎症を起こす膵炎という病気の可能性も否定はできません。
元気がない、食欲がない、嘔吐や下痢をする…など他の症状も見られる場合は、なるべく早めにかかりつけ医を受診しましょう。
5.膝の脱臼を直している
膝の皿がずれてしまう膝蓋骨脱臼(パテラ)は、小型犬の発症率が高いとはいわれているものの、どの犬種でも起こりうる膝の病気です。スキップするような不自然な歩き方が見られたらパテラかもしれません。
犬は自分でずれてしまった膝の皿を戻す(整復する)こともでき、その際、足を後ろにグーッと伸ばすような仕草をすることがあります。気を付けたいのは、自分で整復をするということは脱臼を繰り返しているので症状が進行している可能性があるということです。
パテラは早期発見・早期治療が大切な病気です。何度も伸びをしたり歩き方に違和感を覚える場合には、かかりつけ医に相談することをおすすめします。
まとめ
犬がストレッチやプレイバウで体を伸ばすことは問題ありませんが、ストレスサインや病気の可能性も否定はできません。
何度も繰り返したり、元気がないなど他の気になる症状も見られるようであれば、念のため動物病院を受診してください。ささいな変化にも気づいてあげられるよう、日ごろから愛犬の様子をよく観察するよう心がけましょう。