犬がリードを引っ張るときの「絶対NG行為」5選
1.無理やり引っ張り戻す
犬が勢いよくリードを引っ張った際に、反射的に強く引っ張り戻す行為は、犬にとって肉体的にも精神的にも悪影響を及ぼす可能性のあるNG行為です。
急な強い力は、犬の首に大きな負担をかけ、気管や頸椎を痛めてしまう危険性があります。また、予測できない強い力で引っ張られることは、犬に恐怖心や不快感を与え、散歩へのネガティブな感情を植え付けてしまう可能性もあるので気を付けましょう。
さらに、引っ張り戻すという行為は、犬にとって「引っ張り返す」という抵抗行動を誘発する可能性があり、問題行動の悪化に繋がることもあります。飼い主とのコミュニケーションを阻害し、信頼関係を損なう原因にもなりかねないため、決して行うべきではありません。
2.大きな声で叱る・叩く
犬がリードを引っ張った瞬間に、大声で叱ったり、リードを叩いたりするなどの罰を与える行為は、犬に恐怖心を与えるだけで、問題行動の根本的な解決にはなりません。犬はなぜ叱られているのかを理解できず、ただ飼い主の怒りや威圧的な態度に怯えるだけです。
これにより、飼い主への信頼感を失い、萎縮したり、攻撃的になったりする可能性もあります。また、叩くという体罰は、犬との関係性を著しく悪化させるだけでなく、虐待と見なされる行為でもあるので絶対にやめましょう。
恐怖による一時的な行動抑制は見られるかもしれませんが、それは本当の意味での「しつけ」とは言えず、犬の心に深い傷を残すことになります。
3.引っ張られるがままに歩く
犬がリードを引っ張る度に、飼い主がその勢いに身を任せて引っ張られるがままに歩いてしまう行為は、「引っ張れば目的地に早く着ける」「自分のペースで歩ける」と犬に学習させてしまうNG行為です。
散歩中に犬が自由に動き回ることを許してしまうと、他の歩行者や自転車との接触事故、予期せぬ場所への侵入、拾い食いなどのリスクも高まります。
また、常に引っ張られる状態での散歩は、飼い主にとっても肉体的な負担となり、散歩自体が苦痛になってしまう可能性があります。
4.ご褒美やおやつで気を引こうとする
犬がリードを引っ張っている最中に、気を引こうとしてご褒美やおやつを与える行為は、タイミングによっては逆効果となるNG行為です。
特に、犬が引っ張った直後にご褒美を与えてしまうと、犬は「引っ張れば良いことがある」と誤って学習してしまい、引っ張り行動を助長させてしまいます。ご褒美やおやつは、リードが緩んでいる時や、飼い主の指示に従った時に与えるべきです。
正しいタイミングで使用することで、犬に「リードを引っ張らないで歩くことが良いことだ」と理解させることができます。誤ったタイミングでのご褒美は、しつけの効果を打ち消してしまうだけでなく、問題行動を悪化させる原因となりかねません。
5.諦めて放置する
犬のリード引っ張りに手を焼き、改善を諦めて放置してしまう行為は、問題行動が永続化してしまうNG行為です。犬は、飼い主が何も行動を起こさないことで、「引っ張っても良いのだ」と認識し、その行動をエスカレートさせる可能性があります。
また、リードを引っ張る犬との散歩は、飼い主にとって大きなストレスとなり、散歩自体が苦痛なものになってしまいます。問題行動を放置することは、犬とのコミュニケーション不足を招き、信頼関係の構築を妨げる原因にもなるのでやめましょう。
リードの引っ張りを改善するための対処法
犬のリード引っ張りを改善するには、根気よくトレーニングをする必要があります。まず、犬が引っ張り始めた瞬間に立ち止まり、犬が自らリードを緩めるまで待ちましょう。
緩んだら「ヨシ」などの合図とともに歩き出し、再び引っ張ったら同じように立ち止まります。これを繰り返すことで、「引っ張ると進めない」と犬に学習させます。
次に、犬がリードを「緩めた状態で歩いている時に」ご褒美やおやつ、優しい声かけをしましょう。「オスワリ」や「フセ」などのコマンドを散歩中に取り入れ、アイコンタクトを促すことも効果的です。これらのコマンドに従ったら、しっかりと褒めてご褒美を与えましょう。
焦らず根気強く続けることが重要です。体罰や無理な引っ張りは、犬との信頼関係を損なうため絶対に避けてください。
必要であれば、ドッグトレーナーなどの専門家の力を借りることも検討しましょう。
まとめ
犬には言葉が通じない為、リードの引っ張りをやめさせるためにはコツコツとトレーニングを積み重ねていく必要があります。
犬の習性を理解せずNG行為を繰り返してしまうと、思わぬ事故や怪我、問題行動につながる可能性もあるので注意しましょう。
毎日の散歩を楽しいものにするためにも、早いうちからトレーニングをしてあげるようにしてくださいね。