犬は7〜8歳からシニア期に突入し老化が始まる
一般的に、犬は7〜8歳に入るとシニア期に突入すると言われており、この頃から少しずつ体に老いが見え始めるようになります。
初期は今までと比べて明確な変化が現れるわけではなく、日常の中で「あれ?」と思うような行動の変化がみられる機会が増える程度です。徐々にこうした変化が大きくなり、愛犬が10歳を過ぎる頃には飼い主も老化を実感するようになります。
毎日のスキンシップや観察、健康診断が重要
愛犬の老化サインにいち早く気づくためには、日頃からスキンシップを通して健康観察することが重要です。遊んでいる最中に以前とは違う行動がみられたり、疲れやすさがみられたり、スキンシップをとっているときに皮膚や体に違和感を覚えたりします。
また、シニア期に入った犬は、年に1回ではなく年に2回を目安に健康診断を受けることが推奨されています。病気はなかなか目視だけで察知することは難しいので、早めに病気を発見し治療するためにも、定期的な健康診断は欠かせません。
犬が『老化』してきたときみせるサイン5選
犬は老化が始まるとどのようなサインがみられるのでしょうか。シニア犬が老化の初期症状としてみせるサインを紹介します。
1.活動量が減り睡眠時間が増える
犬は老いていくと疲れやすくなり、気力も減退する傾向にあるため、日中の活動量が減ります。以前は日中に部屋の中を歩き回っていたり、おもちゃで遊んだり、飼い主に「かまって」とアピールしていた犬も、老化が進むにつれて休む時間が増えるのです。
「以前に比べて寝ている時間が増えたな」と感じる場合は、老化が少しずつ始まっているサインだと考えましょう。ただし、日中に眠らせ過ぎると夜に眠れなくなる昼夜逆転現象を招く恐れがあるので注意してください。
2.高い場所への昇り降りを躊躇する
以前は難なく上がっていた階段やソファの上などを前にして、飛び乗ることや飛び降りることを躊躇するような様子が見られたら、それは犬自身が老化によって足腰への負担に不安を感じています。
老化が進むと、犬自身が足腰の違和感を覚えるようになり、高い場所への昇り降りを嫌がったり躊躇したりする様子を見せるようになるのです。無理に昇り降りさせると怪我につながるので、飼い主が手伝ってあげたり、スロープを設置してあげるなど配慮してあげましょう。
3.疲れやすくなり早く散歩から帰りたがる
先ほどお話ししたように、犬は老化が進むにつれて疲れやすくなります。そのため、散歩でも少し歩いただけで息が乱れたり、その場に座り込んでしまったりするでしょう。
また、犬によっては以前よりも早い段階で「おうちに帰ろう」と戻ろうとする行動をみせる犬もいます。
無理に運動させてしまうと、怪我や体調不良につながるので、1回の散歩時間を短くして回数を増やしたり、散歩の距離を縮めてお部屋遊びに切り替えるなど、運動量を調節してあげましょう。
4.段差の踏み外しや物にぶつかるようになる
なぜか最近、愛犬が段差を踏み外したり家具にぶつかる頻度が増えた……という話もシニア犬を飼っている飼い主さんからよく耳にします。これも老化現象のサインです。
犬も人間と同様に、老化が進むにつれて空間認知能力が低下していきます。運動能力も低下していくため、今までできていた障害物を避ける、踏み外さないように上り下りするなど、何気ない行動にミスが生じることが増えてくるでしょう。
5.物事への関心が薄くなってくる
老化が進む犬によく見られる傾向として、以前のような好奇心がみられなくなり、物事への興味関心が薄くなるという変化があります。
例えば、以前は外から聞こえてくる音や飼い主の行動に対して敏感に反応していた犬が、シニア期に入ってからいちいち反応しなくなり、落ち着いて過ごすようになった……という変化です。
落ち着いて過ごすようになった、というよりは、周りに対して興味が薄れてきているサインです。そのまま放置していると、認知症を進行させてしまう恐れもあるので、日常の中で頭を使う遊びを取り入れたり、良い刺激を与えるような体験をさせてあげましょう。
まとめ
いかがでしたか。7歳を超えると、犬は徐々に生活の中で老いを見せるようになります。日頃からコミュニケーションを通して些細な行動の変化にも気づくよう努め、老化のサインが現れたら獣医師に相談したり、身の回りの生活環境を見直しましょう。