10人いれば犬に当たる?
終わらないペットブーム
ペットフード協会(東京・千代田)の最新の統計によると、2014年10月時点で飼い犬は1034万6千匹、飼い猫は995万9千匹いるとみられています。
ともに国内人口1億2708万3千人(2014年10月)の8%程度にあたる水準です。
つまり人間が12~13人いるところには、犬と猫が1匹ずついる計算になります。
溢れるペット商品
そんな世の中に合わせるように、街を歩けば可愛いペットのお洋服や、様々なペットフード、グッズの販売店などがひしめき合っています。
当然、それらを自宅で購入することも可能です。
手のひらの中で、ワンクリックで簡単に手に入ります。近年ネットショッピングを利用する人も多いのではないでしょうか。
私もついつい用もないのに、お気に入りのペッショショップへ出向いてしまっては、愛犬の洋服をもう何着も買ってしまった経験があります。
その洋服をことあるごとのイベントで着せては可愛い可愛いと言って写真を撮り、面白そうなおもちゃがあれば記念日でもないのに即購入。
愛犬が「ねえねえ!!これ買って!」って言った訳ではないのに・・・です。
「貧しい人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、もっともっとといくらあっても満足しない人のことだ」
豊かすぎるモノたち
なんだかいきなりグサっとくる言葉ですが、世界で最も貧しい大統領と呼ばれるホセ・ムヒカはこう述べました。
彼は大統領という国のトップにいながら、一般的に私たちが想像するような富を持って、贅沢な暮らしをしているわけではないといいます。
私たちはどこかステータスとして、もっといい服を着たい、もっと美味しいものを食べたい、もっと広い家に住みたい、そして、もっと愛犬にお金を使ってあげたいと、理想を当然のように抱いています。
そのために仕事をしていると言っても、過言ではありません。
私もその一人だと胸を張って言えるでしょう。
しかし、その考え方が豊かではないと言うのです。
確かにふと考えると、消費するためのお金を稼ぐことに必死で、愛犬を含む大切な家族といる時間がないことは非常に矛盾していますよね。
これがホセ・ムヒカの言う「貧しい人」です。
もっと、もっとと欲望が出て、生活水準が上がった証明は周りにあるモノでしかありません。
もちろん、洋服やおもちゃを買ってあげることが、愛犬のためにならないと言う話ではありません。
大好きな飼い主が買ってくれた洋服を気にいるでしょうし、おもちゃも楽しく遊ぶでしょう。
でも、その洋服を着てあなたとどこかへ出かけたくて、その買ってくれたおもちゃもあなたと一緒に遊びたいはずです。
幸せ≠裕福
『発展は幸せの邪魔をしてはならない』とホセ・ムヒカが述べたように、少し考え方を変えてみるとそうかもしれません。
このようなサイトをご覧になられている飼い主さんはきっと、少しでも愛犬のために、愛犬との幸せのためにと思う方達ばかりでしょう。
きっと、皆さんの愛犬は幸せだと思いますが、ただ、もしあなたが『お金やモノを過剰に消費して愛犬に注いでいくことが、その愛犬のため』と考えているのならよく考えて頂きたいと思います。
ホセ・ムヒカの愛犬の中でも、有名なのは足が3本しかないメスの雑種犬マヌエラという犬で、マヌエラは事故で足を無くしたそうです。
この”地球上最も大統領の犬らしくない犬”と呼ばれた愛犬について、ホセ・ムヒカは「この子は私の最大の友であり、一番信頼できるのがマヌエラです」と答えています。
ホセ・ムヒカ氏の言葉にもあるように、良いものを身につけさせたり高級なものを食べさせるより、愛を持って愛犬と接する時間を持つことが何よりも両者の幸せなのではないでしょうか。
そうでないと私たちが帰宅したとき、あの大喜びの舞は見れないでしょう。
今日はいつもより少し早く帰る努力をして、いつもより少しの時間を作って、愛犬と遊んでみてはいかがでしょうか。