犬が人のごはんを見てくる理由
飼い主が食事をしているとき、愛犬が姿勢よくおすわりをし、うるうるとした瞳でじっと見つめてくる…。そんな姿を見ると、「自分だけ食べていて申し訳ない」と感じたり、「可哀想」と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
愛らしくおねだりしてくることもありますが、そのときの対応によっては、愛犬の行動に影響を与えたり、健康を損ねたりすることがあるため注意が必要です。
1.「それは何?」と興味を持っている
犬が人の食事を見てくるのは、「それは何?」という純粋な興味からです。
人間のごはんはさまざまな食材のにおいが混ざり合い、犬にとってはとても刺激的に感じられます。たとえそれが自分の食べ物ではないと理解していても、強いにおいに惹かれてつい見つめてしまうのです。
2.「またもらえるかも」と期待している
以前にごはんのおすそ分けをもらった経験があると、「またもらえるかも」と期待して見てくることがあります。
「この人はいつもくれる」と学習している犬は、飼い主の隣に座って待ち続けるようになります。中には、夜遅くに帰宅する家族のごはんタイムを狙って、帰りを待っている犬もいるほどです。
3.おやつと勘違いしている
飼い主が食べているものが、以前おやつとして与えた食材だった場合、それを“自分のもの”と認識して期待しているケースもあります。
リンゴやサツマイモ、ブロッコリーなど、犬に与えられる食材が食卓に並ぶと、「おやつだ!」と勘違いしてしまうのです。
4.みんなと一緒にごはんを食べたい
犬はもともと群れで生活する動物です。野生では狩りも食事も、仲間と一緒に行います。
人間の家族がテーブルを囲んで食事をしていると、「自分もその輪に入りたい」と感じて近くに来ることがあります。犬にとっては、一緒にいること自体が安心感につながるのです。
5.食べ物が落ちてくるのを待っている
とくに小さな子どもがいる家庭では、食べ物が床に落ちることも少なくありません。犬はそれを覚えていて、食べ物が落ちてくるのをじっと待っている場合があります。
しかし、人間の食べ物の中には、犬にとって中毒を引き起こす危険なものもあります。子どもの食事中は、犬が拾い食いをしないよう注意しましょう。
愛犬からの可愛いおねだりへの適切な対処法
犬の健康を守るうえで重要なのは、「人間の食べ物は与えない」と心に決めることです。
人のごはんは塩分や脂肪分が多く、犬にとっては肥満や病気の原因になりやすいもの。目の前で可愛くおねだりされるとついあげたくなってしまいますが、その一口が将来的な体調不良や病気を引き起こすこともあるのです。
可能であれば、飼い主が食事をとるタイミングで、犬にもごはんやおやつを用意してあげましょう。「一緒に食事をしている」という満足感を得ることで、おねだりの頻度が減ることもあります。
まとめ
犬が人のごはんを見てくる理由を5つ解説しました。
- 「それは何?」と興味を持っている
- 「またもらえるかも」と期待している
- おやつと勘違いしている
- みんなと一緒にごはんを食べたい
- 食べ物が落ちてくるのを待っている
もし、吠えておねだりをしてくるような場合は、無視をしたり「ダメ」と一言で制止したりするだけで十分です。過剰に叱ったり怒鳴ったりする必要はありません。
大切なのは、“吠えればもらえる”という誤った学習をさせないことです。
日頃からハウスやクレートでの待機に慣れさせておくと、食事中の拾い食いやおねだりの防止にもつながります。家族全員でルールを統一し、愛犬の健康を守ってあげましょう。