犬を叱るときに絶対やってはいけない『NG行為』5選 逆効果となるしつけ方とは?

犬を叱るときに絶対やってはいけない『NG行為』5選 逆効果となるしつけ方とは?

愛犬は喜びや癒しを与えてくれますが、時には困った行動をすることもあります。そんなとき、誤った叱り方をしている飼い主もいるかもしれません。誤った叱り方をすると、逆効果となったり、愛犬との信頼関係を損ねたりする可能性があります。この記事では、犬を叱るときに絶対やってはいけないNG行為と、正しい叱り方のポイントについてご紹介します。

お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

犬を叱るときに絶対やってはいけないNG行為5選

叱られるラブラドールリトリーバー

犬のしつけは、褒めることが基本です。犬がよい行動をしたらすぐに褒めて、正しい行動を教えていきます。とはいえ、イタズラをしたときなど、よくない行動をしたときには叱らなくてはなりません。

犬を叱る際、間違った叱り方をしてしまうと、しつけているつもりが逆効果になることもあるため注意が必要です。ここでは、犬を叱るときに絶対やってはいけないNG行為を5つご紹介します。

1.体罰を与える

犬を叩いたり蹴ったりするなどの体罰は、絶対にしてはいけません。暴力では犬の行動は改善しません。

犬は痛みや恐怖を感じるだけで、なぜ叩かれているのか理解できないからです。体罰によってよくない行動が収まったように見えても、それは恐怖で一時的に萎縮しているだけで、根本的な解決にはなりません。

体罰を受けた犬は、飼い主に対して恐怖心を抱くようになり、信頼関係が損なわれます。その結果、飼い主を見ると逃げ出したり、自分の身を守ろうとして噛みついたりすることがあります。

2.大声で怒鳴る

大声で怒鳴ることも、犬を叱る際に避けるべき行為のひとつです。怒鳴ったほうが犬に伝わりやすいと思うかもしれませんが、犬はなぜ怒鳴られているのかを理解できず、ただ恐怖や不安を感じるだけです。

繰り返し怒鳴られると、犬は飼い主を警戒して萎縮したり、攻撃的になったりすることがあります。愛犬がよくない行動をしたとき、飼い主はついカッとして怒鳴ってしまいがちですが、どんなときでも感情的にならないように心がけましょう。

3.名前を呼んで叱る

愛犬を叱るとき、「○○!ダメ!」などと、愛犬の名前を呼んで叱っていませんか?これもやってはいけないNG行為です。名前を呼んで叱ると、「名前を呼ばれると叱られる」と犬が学習してしまうことがあります。

犬が自分の名前に嫌なイメージを持つことで、名前を呼んでも反応しなくなり、その結果、呼び戻しができなくなることもあります。愛犬の名前を呼ぶときは、褒めるときや楽しいことをするときなど、犬にとってよいことが起こる状況のときのみにしましょう。

4.時間が経ってから叱る

犬は数分前、数時間前の自分の行動を覚えていません。数秒前の自分の行動しか覚えていないと言われています。そのため、過去の行動を叱られても、何に対して叱られているのか理解できません。

例えば、留守番中に犬が部屋を荒らしていて、それを飼い主が帰宅後に叱っても、犬は部屋を荒らしたから叱られているとは理解できません。時間が経ってから犬を叱っても意味がなく、不安と混乱を招くだけです。犬を叱るときは、『現行犯』である必要があります。

5.長々と叱る

懇々と説教するように犬を長々と叱っても、犬は何を言われているのか分からず、居心地の悪い思いをするだけです。犬を長時間叱ることは意味がなく、犬にストレスを与えることになります。

叱っている最中に犬があくびをしたり、自分の鼻を何度も舐めたり、体を掻いたりするのは、ストレスを感じているサインです。愛犬がストレスサインを見せたら、それ以上叱らないようにしましょう。そもそも、ストレスを感じるほど長々と叱るのを避けましょう。

犬の正しい叱り方のポイントは?

植物を倒して叱られるシベリアンハスキー

犬を叱る際は、上記でご紹介したNG行為を避けるとともに、正しい叱り方をすることが大切です。正しい叱り方をすることで、犬との信頼関係を損なわずに、効果的にしつけを行うことができます。以下では、犬の正しい叱り方のポイントを3つご紹介します。

1.よくない行動の最中か直後に叱る

犬を叱る際は、タイミングが非常に重要です。犬は自分の過去の行動と、今叱られていることを結びつけることができません。そのため叱るタイミングは、よくない行動の最中か直後でなければ意味がありません。

犬がよくない行動をして3秒以内に叱れなかった場合は、タイミングを逃したと思って、叱るのを見送るようにしましょう。

2.低い声で短く叱る

犬は、人の声のトーンや表情などから感情を読み取ります。犬を叱るときは、低い声で毅然と叱ることが大切です。また、長々と叱っても犬には伝わらないため、「ダメ」「ノー」「イケナイ」など、短い言葉で叱るようにしましょう。

3.一貫性を持って叱る

同じ行動に対して、飼い主の気分で叱ったり叱らなかったり、家族の中で叱る人と叱らない人がいたりすると、犬は混乱します。叱ると決めた行動に対しては、一貫して叱るようにしましょう。家族間で叱る言葉を統一することも重要です。

まとめ

スリッパをくわえたトイプードル

犬をしつけるうえで、時には叱らなくてはならないこともあります。その際は、間違った叱り方をしないことが大切です。今回ご紹介したNG行為は避け、正しい叱り方のポイントを意識しましょう。

また、犬を叱らなくても済むように、環境を整えることも重要です。イタズラしそうなものは犬の届かないところにしまったり、家具などを噛むのを防ぐために噛んでもよいおもちゃを与えたりして、叱らずに済む環境を整えましょう。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。