犬が動けなくなる原因
老化による筋肉量の低下
犬が動けなくなる原因には、老化による筋肉量の低下があります。
犬の多くは、とくに後ろ足の筋肉量が低下しやすく、踏ん張りがきかなくなります。後ろ足で体重の40%を支えているのですが、前足と比べて筋肉量が少ないため、衰えやすいのです。
神経の病気
犬が動けなくなる原因には、神経の病気があります。胴長で短足な犬によく見られるのが椎間板ヘルニアや変性性脊髄症です。
若いときは症状を見せないこともありますが、老犬になると、麻痺があらわれたり、腰にしびれがあらわれたりし、動けなくなることがあります。
呼吸器疾患や心疾患
突然犬が動けなくなる原因には、呼吸器疾患や心疾患があります。
上手く酸素を取り入れることができず、息苦しくなり、動けなくなることがあります。酸欠になると、チアノーゼ(舌が青紫っぽくなる)という症状が見られることがあります。
呼吸器疾患や心疾患は命にも関わる病気です。突然動けなくなったり、頻繁に動くことを億劫にするようになったり、加えて呼吸に乱れがあるときは、すぐに獣医師に相談しましょう。
怪我
犬が動けなくなる原因には、怪我があります。
関節炎・脱臼・骨折・靭帯損傷などです。違和感や痛みから動けないことがあります。痛みを訴えることをせず、ただジッと我慢する犬もいます。
動けずにいるときは、体の隅々まで触ってチェックしましょう。どこか痛みを訴える部分があるかもしれません。
愛犬が寝たきりになる前にすべき対策
筋肉量を低下させないこと
犬の筋肉量を低下させないために毎日できる簡単な方法は「お散歩に行くこと」です。
しかし、老犬になると、毎日のお散歩をしていても、筋肉量が低下してしまうことがあります。
我が家の中型犬(オス)は今現在13歳です。朝と夕に30分~1時間のお散歩を十数年続けていても、後ろ足の筋肉に衰えがあると獣医師から言われています。
高齢ではありますが、運動が大好きな犬なので、傾斜のある山道をお散歩したり、バランスを取ることが少し難しくなる砂浜をお散歩したり、筋肉量の維持に努めています。
愛犬がまだ若いうちから筋肉量をチェックしておくことが大切です。飼い主ご自身で分からないときは、獣医師に触診してもらいましょう。
骨密度を低下させないこと
犬の骨密度を低下させないために毎日できる簡単な方法は「日光浴をすること」です。
骨密度の維持にはビタミンDという栄養素が必要です。ビタミンDは日光を浴びることで、犬の体の中で生成につながるとされています。
ビタミンDが不足すると、骨密度が低下し、骨折などの怪我をしやすくなったり、骨粗鬆症になったりし、犬が寝たきりになる原因になりやすいです。
年1回の健康診断を受けること
犬が寝たきりになる前にすべき対策は、「年1回の健康診断を受けること」です。
どんな病も早期発見と早期治療によって、犬が寝たきりになることを防げる可能性があります。発見や治療が遅れる分、介護が必要になる時間が早まると考えてよいと思います。
犬種特有の遺伝的な病気や怪我の可能性を知り、子犬のうちから予防法や対策法を考えておきましょう。
愛犬がシニアと呼ばれる年齢になったら、シニア犬用の健康診断を受けましょう。成犬のときとは、検査項目に違いがあります。
まとめ
愛犬が寝たきりになる前にすべき対策を3つ解説しました。
- 筋肉量を低下させないこと
- 骨密度を低下させないこと
- 年1回の健康診断を受けること
介護は、犬が「動けるのか」「動けないのか(寝たきり)」によって、大変さが大きく変わります。
寝たきりになると、お留守番をさせることが難しくなります。犬が自身でトイレに行くことも水を飲むこともできず、寝返りを打つこともできないからです。
愛犬を寝たきりにさせないための対策は、若く元気で健康であるうちに、今すぐ始めるべきです。