高齢犬がみせる『危険な症状』5選 放置すると命に関わる状態や適切な対応まで

高齢犬がみせる『危険な症状』5選 放置すると命に関わる状態や適切な対応まで

人間と同じように犬も高齢になるとさまざまな不調があらわれてきます。「シニアだから…」と放置すると命にかかわる事態を招いてしまう可能性も。高齢犬がみせる危険な症状と適切な対応までを解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

日ごろから要チェック!高齢犬は体調の急激な変化にも注意

食事介助される高齢犬

一般的に7歳を超えると犬は加齢によりからだのあちこちに衰えが見え始めます。寂しい気もしますが犬も人間と同様、年と共に衰えていくことは自然な摂理です。

見た目の変化だけではなく体力や免疫力も低下するため、若い頃と比べると病気にかかりやすくなります。昨日まで元気だったのに、翌日に突如として健康状態が急変するといった事例も珍しくはありません。

特に愛犬がシニア期に入っている飼い主さんは、日々の生活に配慮し注意を欠かすことはできません。この記事では、高齢犬が亡くなる「危険な症状」をご紹介しますのでご一読ください。

適切な対応まで解説!高齢犬がみせる『危険な症状』とは?

高齢の黒柴

以下に述べるような症状が出た際は、ためらわずにかかりつけ医を受診しましょう。場合によっては1分1秒をも争う事態になりかねません。

1.嘔吐や下痢を繰り返す

日に一度程度の嘔吐や下痢をし、その後も元気で食欲もあるならばさほど心配はありません。空腹時や食べ過ぎで吐くことは比較的見受けられますし、体質的にお腹の弱い子もいるでしょう。

しかし、1日に何度も嘔吐や下痢を繰り返す場合は要注意です。高齢犬の繰り返しの嘔吐や下痢は体力低下や脱水症状を引き起こすことも。すぐにできる対処法としては、水をこまめに与えてあげることです。

緊急性が低いと過信し数日放置しただけで、急激に衰弱し命に関わる恐れもあるため安易に大丈夫だと思わずに動物病院へ連れていきましょう。

2.血尿や血便が出る

犬の排せつ物に血が混じっている場合も注意が必要です。血尿であれば膀胱炎や結石、腎不全が疑われ、血便であれば大腸炎や腫瘍、細菌感染などともにさまざまな病気が疑われます。

早期治療で回復する疾患もありますが、腎不全は数時間で体調が急変し最悪の場合は死に至ることもある恐ろしい病気です。

体力や免疫力が低下している高齢犬は特に早めの処置が求められます。血尿・血便以外に下痢や嘔吐など別の症状も出現している場合は迷わず病院を受診してください。

あらかじめ量や回数、色などが分かるよう写真を撮っておくとスムーズに診療が運ぶことも。動揺するかもしれませんが記録をつけておくことを推奨します。

3.多飲多尿

犬も年齢を重ねると代謝が落ちるため、自然と食事量が減っていきます。ですので、過度に食欲がありたくさん水を飲みたくさんおしっこをする場合は要注意だと思ってください。

犬の多飲多尿により疑われる病気は、糖尿病や副腎皮質機能亢進症などです。しっかり食べているのに体重が減少することも。

愛犬の体重を把握している飼い主さんは多いと思いますが、飲水量も大事なチェックポイントです。愛犬の適正な飲水量を把握しておき、普段から記録しておくことをおすすめします。

4.苦しそうに呼吸をする

激しい運動をしたわけでも興奮状態でもないのに、苦しそうな荒く速い呼吸を繰り返すときは体に不調をきたしているサインです。

特に呼吸器や心臓、肺に何らかの疾患があることが疑われます。高齢犬になると体のあちこちに異変が生じやすくなります。放って置くと命をも脅かしてしまう重篤な状態になる危険性も。

呼吸が苦しいときにはまず呼吸を安定させることが最優先です。顎の下にタオルや枕を置き、部屋の中を適温に保ってください。そして痰を出しやすくするために十分な水を与えてあげてください。それでも呼吸がしづらそうであれば迷わず病院へ連れていきましょう。

5.悲鳴のように鳴く

高齢犬が悲鳴のような鳴き声をあげるときは、体のどこかに痛みを感じている可能性も。痛みや違和感があるものの、体が思うように動かせず飼い主さんに訴えているのかもしれません。

関節痛や口腔内の痛み、内臓疾患など考えられる原因は多くありますが、まずは愛犬の体をくまなく触ってみましょう。鳴き声が大きくなったり、触られたくないと拒否する箇所に問題があるのかもしれません。

それでも痛みの原因が分からない場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

まとめ

高齢のゴールデンレトリバー

いかがでしたか。今回紹介した危険な症状は放置していると最悪の場合、死にいたる危険性もあります。もちろん犬の年齢に関係なく危険な症状ではありますが、体力や免疫力が低下している高齢犬にとっては命取りになりかねません。

飼い主さんができる対処法もご紹介しましたが、あくまで臨時的措置です。愛犬の異変を記録しておくことは大切ですが、少しでも違和感を覚えたら早急に動物病院へ連れて行き適切な治療を受けてください。

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