犬が食べても大丈夫な『魚介類』5つ 与えるメリットや食べさせるときの注意点まで

犬が食べても大丈夫な『魚介類』5つ 与えるメリットや食べさせるときの注意点まで

魚介類が犬にとって健康的な食材になり得ることをご存じですか?魚やエビなどは、人間にとって栄養豊富な食材ですが、犬にも与えていいのか迷う飼い主さんも多いと思います。本記事では、犬が食べても安全な魚介類をいくつかご紹介し、そのメリットや与える際の注意点について詳しく解説していきます。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

犬が食べても大丈夫な魚介類5選

魚介類

犬が安全に食べられる魚介類には、さまざまな種類があります。それぞれの魚介類には特有の栄養素が含まれており、犬の健康をサポートしてくれます。ただし、与える際には注意点もありますので、一緒に確認していきましょう。

1,白身魚(タラ、ヒラメ、タイ)

タラ、ヒラメ、タイといった白身魚は、脂肪が少なく消化に優れているため、体重管理をしたい犬に適した魚です。

また、比較的アレルギーを起こしにくいとされており、他の魚介類に比べて安全性が高いとされています。

白身魚は高たんぱくで、筋肉の維持や修復を助けます。さらに、ミネラルやビタミンも豊富に含まれているため、犬の健康を総合的にサポートします。

2,鮭

鮭はオメガ3脂肪酸やたんぱく質が豊富で、皮膚や被毛を健康に保つ働きがあります。また、免疫力の向上や抗炎症作用も期待できる食材です。

さらに、タンパク質が豊富なので、日々の活動に必要なエネルギーをしっかり補給できます。

生の鮭は寄生虫(アニサキスなど)のリスクがあるため、必ず火を通してください。

骨が残っていると口腔や喉を傷つける恐れがあるため、細心の注意を払って取り除きましょう。

3,青魚(サバ、サンマ、アジ)

青魚には、DHAやEPAなどの必須脂肪酸が豊富に含まれています。必須脂肪酸は犬の脳機能をサポートし、認知機能を活性化させる効果が期待されています。

特に高齢犬には、青魚に含まれる栄養素が役立つと言われています。DHAは認知機能を維持する働きがあり、EPAは血液をサラサラにすることで循環器の健康をサポートします。

4,赤身魚(マグロ、カツオ)

赤身魚にはたんぱく質や鉄分が豊富に含まれています。エネルギー補給に役立つため、活動的な犬にぴったりの食材です。

赤身魚に含まれる鉄分は、貧血予防にも効果的です。また、タンパク質がしっかり摂れるため、筋肉量の維持にも貢献します。

5,甲殻類(エビ、カニ)

エビやカニなどの甲殻類は低脂肪・高たんぱくで、犬の食事にアクセントを加える食材として適しています。

また、グルコサミンが含まれる場合があり、関節の健康にも役立つ可能性があります。

特にシニア犬では、グルコサミンやコンドロイチンが関節の動きをスムーズにする助けとなる場合があります。
ただし、甲殻類はアレルギーを引き起こす可能性があるため、初めて与える際は少量から始めましょう。

犬に魚介類を与えるメリット

元気な柴犬

魚介類は、人間だけでなく犬にとっても健康的な食材となる場合があります。適切な種類の魚介類を正しく与えることで、犬の健康にさまざまなメリットが期待できます。

皮膚や被毛の健康をサポート

魚介類には、オメガ3脂肪酸(EPAやDHA)が豊富に含まれています。この必須脂肪酸は、犬の皮膚を健康に保ち、被毛にツヤを与える効果が期待できます。

特に乾燥肌やかゆみなどのトラブルを抱えている犬にとって、魚介類は心強い味方になるでしょう。

さらに、オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があるため、アレルギー症状を軽減する助けとなることもあります。

筋肉を維持し、体力をサポート

魚介類は、高たんぱく低脂肪という特徴を持っています。たんぱく質は筋肉を維持するために欠かせない栄養素であり、特に成長期の犬や活動量の多い犬には重要です。

また、低脂肪であることから、体重管理が必要な犬にも向いています。カロリーを抑えながら、しっかりと栄養を補給することができます。

脳機能の向上

青魚などに多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)は、犬の脳機能を活性化する働きがあります。特にシニア犬にとっては、認知機能の低下を抑える効果が期待できると言われています。

また、EPA(エイコサペンタエン酸)は血液をサラサラにする作用があり、循環器の健康を保つサポートもしてくれます。

免疫力の向上

鮭などに含まれるビタミンDやセレンは、犬の免疫機能を高める働きがあります。病気や感染症への抵抗力がアップし、健康的な生活をサポートします。

食事のバリエーションが広がる

魚介類を取り入れることで、日々の食事に変化を加えることができます。犬も食事に飽きることがあるため、魚介類を適切に取り入れることで食欲を刺激し、バランスの良い食事がしやすくなるでしょう。

魚介類を与える際の注意点

魚を狙っている犬

魚介類は犬にとって健康的な食材になり得ますが、安全に与えるためにはいくつかの注意点があります。ここでは、具体的な注意事項を詳しく解説します。

必ず加熱して与える

魚介類を生のまま与えるのは避けましょう。

生魚には、寄生虫(アニサキスなど)や細菌が含まれている可能性があり、犬が感染症を引き起こすリスクがあります。特に鮭やサバなどの魚は寄生虫のリスクが高いため、

必ず十分に加熱してから与えてください。

骨を取り除く

魚の骨は細く鋭いため、犬が飲み込むと口の中や喉を傷つける恐れがあります。

また、骨が胃や腸に刺さってしまうと、深刻な健康問題を引き起こすことがあります。調理する際には、目視でしっかりと骨を取り除くようにしましょう。

味付けはNG

人間用に調理した味付け済みの魚介類は、犬には不適切です。塩や醤油、バターなどの調味料が含まれると、塩分や脂肪分が多くなり、内臓への負担となる可能性があります。犬には、素材そのものを味付けせずに調理して与えるようにしてください。

与える量に注意する

魚介類は栄養価が高い反面、過剰に与えると消化不良や栄養バランスの偏りを引き起こす可能性があります。犬の体重や活動量に応じて適切な量を与えるよう心がけましょう。

アレルギーへの注意

魚介類はアレルギーを引き起こす場合があります。初めて与える際は、少量から始めて犬の反応を観察しましょう。皮膚のかゆみ、嘔吐、下痢などの症状が見られる場合は、すぐに与えるのを中止し、動物病院に相談してください。

加工品を避ける

干物や魚の缶詰、練り製品などの加工品には、塩分や食品添加物が多く含まれている場合があります。これらは犬の健康に悪影響を及ぼす可能性が高いため、与えるのは避けましょう。新鮮な魚介類を使用することが基本です。

与えてはいけない魚介類

一部の魚介類は犬にとって危険な場合があります。以下のものは与えないように注意してください。

  • ウナギシシャモシラス:塩分が高いため
  • フグ:毒が含まれている可能性があるため絶対にNG
  • 貝類(アサリ、ホタテなど):消化が悪く、アレルギーを起こしやすいため

まとめ

ごはんを食べるノーフォークテリア

魚介類は、適切に選び正しく調理することで、犬にとって非常に健康的な食材になり得ます。

特に、白身魚や鮭、青魚などは高たんぱくで栄養豊富なうえ、皮膚や被毛の健康維持、脳機能のサポート、免疫力の向上など多くのメリットをもたらします。

しかし一方で、生魚や骨、加工品には注意が必要です。また、塩分や調味料が含まれるものは避け、必ず加熱してから与えることが大切です。

アレルギーのリスクも考慮し、初めての食材は少量から始めるようにしましょう。

愛犬の健康を支えるためには、栄養バランスが整った食事が欠かせません。

魚介類を上手に取り入れて、日々の食事のバリエーションを広げながら、愛犬との生活をさらに豊かなものにしていきましょう。

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