犬に絶対やってはいけない『薬の飲ませ方』5選 簡単にできる上手な与え方とは?

犬に絶対やってはいけない『薬の飲ませ方』5選 簡単にできる上手な与え方とは?

愛犬に薬を飲ませる際、その方法に注意が必要です。間違った薬の飲ませ方をすると、薬嫌いを助長したり、薬の効果が十分に得られなかったりする可能性があります。この記事では、犬に絶対やってはいけない薬の飲ませ方と、簡単にできる上手な薬の与え方をご紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬に絶対やってはいけない薬の飲ませ方は?

薬を飲まされそうなプードル

愛犬と暮らしていると、薬を飲ませなければならない場面が出てきます。その際、避けるべき絶対NG行為がいくつかあります。これらの行為によって、薬の効果を損なう恐れもあるため、十分注意が必要です。以下では、犬に絶対やってはいけない薬の飲ませ方を5つご紹介します。

1.無理矢理飲ませる

薬を嫌がる犬は少なくありません。愛犬が薬を嫌がるからといって、無理に口を開けて飲ませるのは絶対にやめましょう。

力ずくで無理矢理薬を飲ませるような行為をすると、犬は恐怖やストレスを感じ、ますます薬を嫌がるようになる可能性が高いです。また、誤嚥する危険性もあります。誤嚥とは、飲み込んだものが食道ではなく気管に入ってしまうことを言い、肺炎を引き起こすこともあります。

薬を飲ませる際は、犬も飼い主もリラックスした状態で行うことが大切です。もしどうしても嫌がる場合は、獣医師に相談し、薬の種類を変更してもらったり、飲ませ方についてアドバイスをもらったりしましょう。

2.自己判断で薬の形状を変える

薬にはカプセルや錠剤、粉末、シロップなどの種類があり、それぞれ効果を発揮しやすい形状になっています。

そのため、飼い主の自己判断でカプセルの中身を出したり、錠剤を砕いたりして形状を変えて犬に飲ませると、薬の効果に影響が出る可能性があります。糖衣錠は、砕くことで苦くなることも。

飲ませやすくするために薬の形状を変えたい場合は、必ず獣医師に相談しましょう。

3.薬と相性の悪い食べ物を使う

薬を食べ物に混ぜたり包んだりして、愛犬に与える飼い主は多いでしょう。この方法は有効ですが、飲ませる薬と相性の悪い食べ物がある場合があるので注意が必要です。相性の悪い食べ物と一緒に薬を飲むと、効果が弱まったり、逆に強まったりすることがあります。

また、病気によっては与えてはいけない食べ物もあるため、食べ物を使って薬を飲ませる場合は、獣医師によく確認することが大切です。

4.自己判断で薬の量や回数を変える

獣医師は、犬の体重や病状に合わせて適切な量や回数で薬を処方しています。飼い主が自己判断で量や回数を変えてしまうと、十分な効果が得られなかったり、過剰投与による副作用を引き起こしたりする可能性があります。

症状が改善しないからといって自己判断で薬の量を増やしたり、症状がよくなったからといって勝手に薬の服用を中止したりするのは絶対にやめましょう。薬の量や回数は、必ず獣医師の指示に従いましょう。

5.フード全量に薬を混ぜる

フードに薬を混ぜて与える際は、与えるフード全量に薬を混ぜないようにしましょう。全量に薬を混ぜた場合、食べ残すと薬を必要量飲めない可能性があります。そのため、先に少量のフードに薬を混ぜて与え、それを食べきってから、残りのフードを与えるようにしましょう。

簡単にできる上手な薬の与え方は?

シリンジで薬を飲むシェルティ

犬に薬を飲ませる方法はひとつではありません。愛犬にあった方法を見つけて、スムーズに薬を飲ませてあげましょう。ここでは、簡単にできる上手な薬の与え方を4つご紹介します。

1.フードに混ぜる

薬をフードに混ぜて与える方法は簡単で、特に食欲旺盛な犬に有効です。ただし、前述したように、フード全量に薬を混ぜるのでなく、少量のフードに混ぜて、確実に食べきるようにすることが大切です。

薬をよけて食べたり、器用に薬だけ吐き出したりすることがあるため、食べたあとに薬が残っていないか、よく確認しましょう。

2.食べ物に包む

薬を食べ物に包むことで、犬に薬の存在を隠して与えることができます。加熱して潰したサツマイモやカボチャ、犬用チーズなど、犬が好む食べ物で薬を包んで与えます。ただし、飲ませる薬と相性の悪い食べ物や、病気で制限されている食べ物を使うのは避けてください。

薬を包んだ食べ物のサイズが大きいと、噛んで薬の存在に気づいてしまう可能性があるため、丸飲みできる小さめサイズにしましょう。

薬を包んだ食べ物を与える前後に、ダミーとして薬の入っていない食べ物を与えると、警戒されにくくなります。

3.投薬補助おやつを使う

投薬補助おやつとは、薬を飲ませるための専用のおやつです。ペースト状のものや薬を包み込めるものなど、様々な種類があります。嗜好性が高いものが多く、犬が喜んで食べてくれる可能性が高いです。

薬を飲ませるときにだけ投薬補助おやつを与えると警戒されることがあるため、薬を飲ませるとき以外にも与えて慣らしておくとよいでしょう。

4.直接口の中に入れる

薬を直接犬の口の中に入れる方法もあります。無理は禁物ですが、嫌がらないようであれば実践してみましょう。

カプセルや錠剤は、片手で犬の上顎を開き、もう片方の手で下顎を開いて舌の付け根あたりに薬を入れます。薬を入れたら手で口を閉じたまま鼻先を軽く上に向け、喉を優しくさすって飲み込むように促します。

粉薬は少量の水で溶いて、シリンジ(針のない注射器)で吸い取ります。犬歯の後ろからシリンジを差し込み、少しずつ注入します。

シロップは、そのままシリンジで吸い取り、あとは粉薬のやり方と同じです。

まとめ

薬を差し出されるダックスフンド

犬に薬を飲ませる際は、できる限りストレスを与えず、確実に薬を飲ませることが大切です。本記事でご紹介した、犬に絶対やってはいけない薬の飲ませ方は避け、正しい飲ませ方をしましょう。

簡単にできる上手な薬の与え方もご紹介しましたが、どれを試しても愛犬が薬を飲んでくれないこともあるかと思います。その場合は、薬を飲ませるのを諦めるのではなく、速やかに獣医師に相談しましょう。

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