犬の病院代は年間でどれくらい必要?検査や予防にかかる費用の目安から医療費を抑える秘訣まで

犬の病院代は年間でどれくらい必要?検査や予防にかかる費用の目安から医療費を抑える秘訣まで

『犬の医療にかかる年間費用の目安』についてまとめました。検査内容と費用の目安、予防医療にかかる費用の目安、医療費を抑える秘訣を解説します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

犬の医療にかかる年間費用の目安

床に書類と計算機、飼い主と犬

犬と30年暮らしている筆者が、費用が高いと感じるのが医療費です。

とあるペット保険会社の調査によると、犬の病気や怪我による治療費の年間費用の平均は約7万円とされています。

犬種別の平均では、最も高いものが約14万円、最も低いものでも約6万円です。

これは、病気や怪我による治療費の年間費用の平均ですので、加えて予防医療費もかかると考えましょう。

持病の有無によっても異なりますが、若いときはほとんど医療費がかかりません。シニアと呼ばれる年齢を過ぎた頃から急激に医療費が高くなることがあります。

体調を崩しやすくなったり、持病が悪化したりすることが主な原因です。

老犬になった愛犬が穏やかに健康に暮らすためには、若いときから定期的な検査を受け、さらには予防医療を受けることも大切です。

最近では、ペット保険に加入する飼い主も増えていますが、保険が適用されるのは「検査にかかる費用」や「治療費」です。「予防医療にかかる費用」は含まれません。

「費用が高いから…」と、適切な検査や予防医療を受けさせることができず、愛犬が苦しむ姿を見るのはつらいことです。

愛犬の健康状態を正しく把握し、健康を守り続けるためには、どのような検査があり、どのような予防医療が必要であり、年間費用はどれくらい必要なのか、よく把握しておく必要があります。

医療費を抑える秘訣まで解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

犬の予防医療のための検査内容と費用の目安

採血を受ける犬、腕の消毒

子犬の健康診断

子犬の成長期である生後半年の頃、初めての健康診断が推奨されています。先天的な病気を発見するためです。

純血種である場合には、犬種特有の病気の可能性を発見するためにも役立てられます。

ペットショップやブリーダーから迎えたばかりのときは、寄生虫などの感染症のリスクもあるため、「検便」や「検尿」、「血液検査」や「レントゲン検査」が推奨されています。

  • 検便:約2000円
  • 検尿:約1500円
  • 血液検査:項目にもよりますが5000円以上
  • レントゲン検査:1枚約3000円

成犬の健康診断

2歳~6歳の頃は、とくに目立った症状や心配事は少ないかと思います。腎臓や肝臓などの健康状態を把握するため、年1回程度の「血液検査」をおすすめします。

また、心疾患の多い小型犬には、年1回程度の「レントゲン検査」もおすすめします。

シニア犬の健康診断

シニア犬になると、内臓の疾患が増えます。肝臓・腎臓・膵臓などの健康状態を把握するため、「シニア犬のための血液検査」というものがあります。

  • 血液学的検査(赤血球や白血球の検査):1500円~3000円くらい
  • 生化学検査(より詳しい血液検査):3000円~5000円以上

成犬の頃に受けたことのある普段の血液検査よりも、さらに検査項目が多く、より詳しく行われるものです。

血液検査によって数値に異常があると診断された場合には、より詳しい状態を把握するため、「レントゲン検査」や「超音波検査」なども行われるでしょう。

  • 超音波検査:約2500円

犬の予防医療にかかる費用の目安

仰向けで超音波検査を受ける犬

  • 狂犬病の予防注射(年1回):3000円~4000円くらい
  • 混合ワクチンの接種(年1回):5000円~1万円くらい
  • フィラリア症の寄生を予防するお薬:600円~2000円くらい
  • ノミやマダニの寄生を予防するお薬:1200円~5000円くらい

狂犬病の予防注射は、動物病院で受ける場合と、集団で受ける場合とで費用が異なります。

混合ワクチンは、2種・3種・5種・6種・7種・8種・9種10種と種類があり、種類によって費用が異なります。

寄生虫の寄生を予防するためのお薬は、種類が豊富にあります。注射タイプ・滴下タイプ・おやつタイプ・錠剤タイプ。そして、1カ月持続するタイプ、3カ月持続するタイプ、年1回タイプなどです。

とにかく種類が豊富で、種類によって費用も大きく異なります。かかりつけの動物病院で取り扱われているものの中から獣医師と相談して決めるとよいと思います。

医療費を抑える秘訣

獣医師と飼い主、茶白の犬

医療費を抑える秘訣は、「定期的な健康診断」と「徹底した予防医療」だと思います。

健康診断にも予防医療にも高い費用がかかります。しかし、犬が病気や怪我をすると、何十万円の費用が必要になることがあります。100万円を超える場合もよくあります。

病気や怪我をさせないために飼い主にできることが必ずあります。愛犬にとって何が必要なのか、愛犬の今の健康状態を把握した上で、獣医師に相談しながら考えてみましょう。

まとめ

健康診断を受ける茶白の犬

犬の病気や怪我による治療費の年間費用の平均は、約7万円とされています。

病気や怪我をしなければ0円ですし、病気や怪我の種類によっては、何十万円という治療費が必要になる場合もあります。

予防医療にかかる費用は、狂犬病の予防注射(義務)が3000円~4000円くらい、混合ワクチンの接種(任意)が5000円~1万円くらいですので、年間で8000円~14000円くらいです。

寄生虫の寄生を予防するお薬は、我が家(超小型犬と中型犬の2匹合わせて)の場合では、年65000円~70000円くらいです。

犬の医療にかかる年間費用の目安は、犬種や年齢や健康状態によって異なります。また、犬が年齢を重ねるごとに高くなると考えておきましょう。

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