ドッグフードの成分表ってなにを重視すればいいの?正しい見分け方から選ぶ際のポイントまで

ドッグフードの成分表ってなにを重視すればいいの?正しい見分け方から選ぶ際のポイントまで

愛犬の健康を守るためには、良質で適切なドッグフードを与えることが大切です。この記事では、ドッグフード選びの判断材料となる成分表の見方やチェックすべきポイントを解説するので、ぜひ参考にしてください。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

ドッグフードの基本的な選び方

食材とドッグフード

ドッグフードを選ぶ際、まず基本的に意識しなければならないことが「その犬にとって必要な栄養素がバランスよく含まれているか」ということです。

これはごく当たり前のことですが、すべてのドッグフードがそれを実現しているわけではないということを忘れてはいけません。

犬は元々肉食動物ですが、長い年月を人間と共に生きてきたことで、現在では「肉食寄りの雑食」であると考えられています。そのため、肉類(タンパク質)だけではなく、野菜や穀物などもバランスよく摂取するといいとされています。

ドッグフードの栄養成分表示は「ペットフードの表示に関する公正競争規約」によって、5大栄養素であるタンパク質・脂質・繊維質・水分・灰分の含有量の表示が義務付けられています。しかし、それ以外の成分表示については自由で、メーカーによって異なります。

表示義務に含まれない成分である必須脂肪酸は、体内では合成できない栄養素として食物での摂取が必要です。5大栄養素はもちろん、それ以外の栄養素がどれだけ含まれているかについても、確認しておくといいでしょう。

また、その犬の年齢やライフステージに合ったドッグフードを選ぶことも非常に重要です。ドッグフードは、子犬期(成長期)・成犬期・老犬期(シニア期)に分けられていることが多く、それぞれに合った栄養バランスやカロリーの調整がおこなわれています。

体は急激に成長するときには、ほかの時期に比べて多くの栄養やカロリーを必要とします。反対に、基礎代謝が落ちるシニア期は成犬期と同量のカロリーを摂取すると、太ってしまう可能性があります。

また、それぞれの時期に合わせて粒の大きさや消化のしやすさを変えているドッグフードもありますし、妊娠・授乳期用や病後用などさらに細かく分類されているドッグフードもあります。

体に合っていないドッグフードを与え続けると、栄養不足や栄養過多になったり、消化器に負担をかけたりする恐れがあるので、愛犬に合わせて選ぶことを大切です。

ドッグフードの成分でチェックすべきこと

陳列されているドッグフード

ドッグフードを選ぶとき、成分表をしっかりとチェックしている飼い主さんはどれくらいいるでしょうか?

細かな文字で多くの情報が記載されているため、何をどう見たらいいかわからないという人も少なくないと思います。

ここでは、ドッグフードの成分表を見るときに、まずチェックしておきたいポイントを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

一番多く含まれている原材料

ドッグフードの成分表で1番最初にかかれている原材料は、最も多く含まれているものです。愛犬にどのような栄養が必要かを考えた上で、原材料をチェックすることで、それが十分に摂取できるかの判断材料となるでしょう。

「鶏肉」「チキンミール」「とうもろこし」など、ドッグフードによって1番目に書かれている原材料は異なります。タンパク質が多いことが特徴のドッグフードの場合は、3番目まですべて肉類が並ぶこともあるでしょう。

犬にもある程度炭水化物(穀類や米など)も必要ですが、過剰に摂取するとアレルギーを引き起こすことがあります。また、太りやすく、体作りに本当に必要な栄養が不足してしまうこともあるのでやや注意が必要です。

しかし、穀類は肉類に比べて安価のため、ドッグフードのカサ増しのために多く使われていることが少なくありません。

肉の種類とタンパク質含有量

犬の体作りにとって非常に重要だとされるタンパク質(肉類)ですが、ドッグフードの原材料の記載の仕方はメーカーによって異なります。

「鶏肉(ササミ・レバー)」などと詳細がしっかり書かれているものもあれば、「肉類」とあいまいに書かれているものもあります。

また、肉類を粉末状にしたものは「ミール」、内臓肉などは「肉副産物」と書かれていることもあります。

書き方があいまいだからといって品質が悪いものとは限りませんが、肉の種類が明確にされているものを選んだ方が安全ではあると思います。

また、成分表のタンパク質含有量にも注目してください。

ペットフードの栄養基準を定めている「AAFCO」(全米飼料検査官協会)では、水分のない状態で子犬の場合は22%以上、成犬の場合は18%以上のタンパク質が含まれることが望ましいとしています。

肉食に近い動物であると意識して、タンパク質をしっかり摂らせたい場合は、25%以上含まれているのが理想です。

合成添加物やアレルゲンの有無

近年では「ナチュラルフード」「オーガニックフード」などと呼ばれる、体に優しいドッグフードも多く販売されています。

しかし、安価なドッグフードなどの中には、賞味期限を長くするためや見た目を鮮やかにするために、酸化防止剤や着色料などの合成添加物を使用しているものも少なくありません。

合成添加物のなかには、犬の体に負担をかけたり害を及ぼしたりするものもあるため、どのような成分が含まれているかしっかりと確認しましょう。

発がん性や生育不良、病気の誘発などが認められているものもあるので、非常に注意が必要なところです。

賞味期限の長さ

ドッグフードは人間の食べ物に比べると、賞味期限が長いものが多いですが、購入時にはチェックしておいた方がいいでしょう。

ドライフードの賞味期限は、製造から1年または1年半程度のものが多く、未開封の場合は何年も持つものもあります。

しかし、真空でもない状態で賞味期限が長いということは、保存料や防腐剤などの合成添加物が多く使用されている可能性があることを覚えておきましょう。

合成添加物を使用しないナチュラルフードやオーガニックフードなどの場合、開封から1かカ月以内、未開封でも2~3か月程度の賞味期限が定められていることがあります。

賞味期限が非常に長いものや製造年月日から時間が経ちすぎているものは、安全性の観点で考えると避けた方が無難です。

まとめ

ドッグフードを待つビーグル

ドッグフードの種類は非常に多く、その中から本当に良いと思われるものを見つけるのは大変だと思います。

しかし、愛犬の年齢やライフステージ、体質などを考慮して、どんな栄養が必要かということを考えてみると、愛犬にぴったりのドッグフードを見つける手掛かりになると思います。

この記事を参考に、成分表もチェックしながら愛犬の体に合うドッグフードを探してみてくださいね。

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