犬は冬でも『熱中症』になるの?危険な症状や注意すべき暖房機器の使い方まで

犬は冬でも『熱中症』になるの?危険な症状や注意すべき暖房機器の使い方まで

熱中症と聞くと「夏」のイメージが強いかもしれませんが、冬でも室温や暖房機器の使い方によっては犬が熱中症になる危険性があります。冬の熱中症の危険な症状と注意すべき暖房機器の使い方まで幅広く解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

なぜ?犬が冬でも「熱中症」になる理由

毛布にくるまる犬

「寒い冬にどうして熱中症…?」そう思われるかもしれませんが、寒いのは外であって室内は暖房機器によって温かくなっていますよね。

室温が26℃を超えるような換気の悪い場所では、人も犬も熱中症になる危険性があります。乾燥する冬は湿度が上がりづらいとはいえ、60%を超えてくるとこちらも危険です。

そして犬と一緒に暮らしていると忘れがちになってしまうのが、人間と犬の適温の違いです。平均体温が38~39℃である犬は、わたしたちが心地よいと思う室温が暑いと感じるのです。部屋を過剰に温めないよう注意が必要です。

犬が「冬の熱中症」になっているときの危険な症状

毛布を被るフレンチブルドッグ

熱中症の初期症状

では犬が冬の熱中症になっている場合、どのような症状を示すのでしょうか。具体的な初期症状は以下の通りです。

  • ぼーっと1点を見つめている
  • 元気食欲がない
  • ハァハァと息遣いが荒い
  • 体がいつもより熱く感じる

基本的に夏の熱中症と症状の大差はありません。寒くなると暖房機器のそばで暖を取る犬もいると思いますが、長時間いることは熱中症のリスクを高めてしまいます。

熱中症が疑われる場合は、体温上昇と脱水症状が起こっています。上記の症状がひとつでも認められるときには、ワンコをすぐに涼しい場所へ移動させ水を少しずつ飲ませてあげてください。

症状が落ち着いたな…と感じても、できるならば動物病院を受診させることをおすすめします。

熱中症の危険な症状

前述の症状は初期~軽度の症状です。冬場の室内で起こる熱中症は比較的軽度の場合が多いです。とはいえ、進行してしまうともちろん重症化のリスクは伴います。以下は危険な症状ですので要注意です。

  • 嘔吐下痢
  • チアノーゼ(口の中や舌の色が青紫色)
  • 震えやけいれん
  • 意識混濁

これらは熱中症の症状としては中~重度とされています。犬の体温は38~39℃と前述しましたが、40℃を超えると危険水域です。41℃を超えると脳に障害が起こり意識がなくなり、42℃を超えた状態が続くと多臓器不全を起こして死に至る可能性も。

暖房をきかせて帰宅したら、愛犬がぐったりして体温が高い…万が一このような事態に遭遇したら早急に病院を受診してください。

犬が「冬の熱中症」にならないための暖房機器の使い方

薪ストーブの前に座るテリア

犬が冬に熱中症にならないためには暖房機器の取り扱い方が大切です。冬場は以下のポイントを頭に入れて愛犬のために環境を整えてあげましょう。

  • 室温は25℃湿度は40~60%以下をキープする
  • 温度計や湿度計で室温を確認する
  • ホットカーペットの使用は適切に
  • 愛犬が暖房に近づきすぎないように配慮する
  • こたつに長時間入らないようにする

わたしたちは少々寒く感じてしまいますが、犬にとっては室温は20℃前後、湿度は40~60%をキープしてあげましょう。温湿度計を活用し定期的に室温を確認してあげるとよいですね。

ペット用のホットカーペットや電気毛布を使用する場合は、温度が高くなりすぎないように調整が必要ですし、長時間つけっぱなしにしないようにしましょう。自動で温度を調整できるものや、タイマーが備わっているものがワンコにはおすすめです。

被毛で覆われている犬は、長時間温風に当たり続けたりこたつの中に潜っていても暑さを感じにくい生き物です。熱中症一歩手前になるまで気付かないことも珍しくありません。飼い主さんが意図的に離してあげるようにしましょう。

まとめ

エアコンの温風を確認する女性

夏に比べると冬は熱中症そのものに対する意識も薄れてしまいがちです。しかし、寒い冬場でも暖房機器によって人も犬も熱中症を引き起こす事例は多数報告されています。

お使いの暖房機器によって配慮の仕方は異なりますが、生活環境を季節に合わせて見直してあげてください。愛犬を熱中症の危険から守るためにも、室内の暖房機器の使い方には十分注意しましょうね。

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