多くの犬がかかってしまう『皮膚病』4つ 他人事ではない?主な症状や予防策を知っておこう

多くの犬がかかってしまう『皮膚病』4つ 他人事ではない?主な症状や予防策を知っておこう

多くの飼い主さんが一度は悩まされたことがあるのが愛犬の『皮膚病』。被毛に覆われているため気づくのが遅れてしまうケースもありますが、進行すると愛犬を痛みや痒みで苦しませてしまうことも。予防策とあわせてご紹介します。

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記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

️膿皮症

掻いている犬

膿皮症は常在細菌である黄色ブドウ球菌の増殖により、皮膚が化膿してしまう病気です。特に顔や脇、股の内側、指と指の間などで起きやすいのが特徴。

痒みがひどいため、掻きむしるあまりに一晩であっというまに症状が進行してしまうこともあります。

わんこに合ったシャンプーを適切な頻度で

膿皮症の原因となるのは普段は何の悪さもしない常在細菌ですが、免疫力が低下していることで病気を引き起こします。

ただそれだけではなく、シャンプーを高頻度にしすぎることや、シャンプーが肌に合っていないことも原因になりえます。

シャンプーは月に一度を目安に行い、シャンプー後に皮膚に異常が見られた場合には使用をやめるなど注意しましょう。

️疥癬(かいせん)

かみかみする犬

イヌセンコウヒセンダニというダニの一種が皮膚に寄生したことで起きるのが疥癬です。

皮膚が固くなり、フケや発疹が出て激しい痒みを伴います。進行するとフケが厚いカサブタになり、その下でヒセンダニが繁殖します。

ヒセンダニは接触感染で簡単に広まってしまううえ、犬同士だけでなく犬から人間にも感染するので注意が必要です。

飼育環境を掃除し不潔な場所には近づかない

ヒセンダニはワクチンでの予防はできないため、とにかく罹患している動物に接触しないことが大切になります。

また、不特定多数のわんこと空間を共にする場合も要注意です。

ペットホテルやペットサロン、ドッグランなどを利用するときには必ず下見をし、管理が行き届いておらず不潔な店舗は避けるべきです。

️アレルギー性皮膚炎

アレルギー物質

アレルギー性皮膚炎は人間だけでなく、わんこが発症することもあります。

アレルギーの原因となるアレルゲンはさまざまで、花粉やほこり、ダニなどに反応する場合もあれば、食物アレルギーが発端で皮膚に炎症が起きることもあります。

まずはアレルゲンの特定から

アレルギー性皮膚炎が疑われる場合、まずは何に対してアレルギー反応を起こしているのかを調べます。

そしてアレルゲンから可能な限り遠ざける、あるいはアレルゲンを取り除くことが最大の予防策です。

ただアレルギーはその子の体質なので、完全に予防することはできません。発症してしまった場合には根気強く治療する、あるいは対症療法を続けることが大切です。

️ホルモン性皮膚炎

皮膚炎の犬

換毛期でもないのに抜け毛がひどい、毛が抜けて左右対称にハゲができてしまっているなどの場合、ホルモンの分泌異常が疑われます。

副腎皮質の異常で起こるクッシング症候群が有名ですが、他にも様々な病気があります。

また毛は抜けるけれども痒がるようすがないのも目安のひとつです。

定期的なシャンプーやブラッシング

ホルモン異常については決定的な予防策はありませんが、一般的な皮膚病と同様に、皮膚を清潔に保ち、ブラッシングで血流を良くしてあげましょう。

️まとめ

診察中の犬

皮膚病にかかってしまうと痛みや痒みといった苦痛を伴うのはもちろんですが、場合によっては被毛を剃って治療をしなければならないこともあり、見た目にも影響してしまう可能性があります。

わんこ本人は見た目なんて気にしないとはいえ、飼い主さんとしては不憫な気持ちになってしまいますよね。

皮膚病は完治までに長期間を要することもあり、飼い主さんとしてもケアが難しい場合もありますが、予防と早めの治療で乗り切っていきましょう。

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