犬が首をかしげる心理とは
犬は言葉を話せない分、ボディランゲージで気持ちを伝えています。首をかしげる仕草もそのひとつです。
見た目にはとても愛らしい仕草ですが、愛犬はそのときどのような気持ちなのでしょうか。
そこで今回は、犬が首をかしげる心理について解説します。愛犬の可愛い仕草に隠された本当の気持ちを確認してみましょう。
1.気になる音がした
犬は聞きなれない音や気になる音がすると、「もっとよく聞きたい」と言う気持ちになり、左右に首をかしげる仕草をします。
ちなみに、「救急車のサイレン」は、犬が反応をよく示す音の代表格です。
また、犬の聴力は、人間のおよそ4倍です。可聴範囲が広いだけではなく、音の強弱や方向、音程の変化まで聞き取れるといわれています。
そのため、飼い主さんが帰宅したときの車のエンジン音や足音を、犬はいち早くキャッチすることができるのです。愛犬が玄関に行くと「そろそろ家族が帰ってくるな」と帰宅を知らせてくれることもあるのではないでしょうか。
散歩中に鳥の鳴き声がしたら愛犬が首をかしげた…というときは、その音に興味を示し音の出どころを探っています。優しく見守ってあげると良いですね。
2.視野を広げたい
気になる音が聞こえたときに「もっと知りたい!」と、視野を広げるために首をかしげることもあります。
犬は聴覚や嗅覚と違い、視覚はあまりよくありません。そのため、首をかしげることで視線を変えて、視野を広げようとしているのです。
「視野を広げる」という感覚をわたしたちも簡単に実感することができます。拳を鼻の前に当ててみると視界が悪くなりますよね。ところが、首をかしげることでその視界を広げ明瞭に物事を見ることが出来ます。
そのため、鼻の長い犬は短い犬に比べて多く首をかしげるのです。
この仕草は好奇心旺盛で探求心に溢れている証拠なので、こちらも「気になる音がした」ときと同様に、温かく見守ってあげてください。愛犬が何を探ろうとしているのかを推理するのも楽しいですよ。
3.飼い主さんの話をよく聞きたい
愛犬があなたを見つめながら首をかしげたときは「ご主人様は何て言ってるんだろう?」「もっとよく聞きたい!」と、「飼い主さんの話をよく聞き取りたい」という心理が働いています。
日頃からコミュニケーションが取れている関係性であれば、自分に向けた言葉は聞き逃さないようにと、いつでも指示に従える心づもりをしています。そのため、しっかり聞き取ろうと左右に首をかしげるのです。
『散歩』『お出かけ』『ごはん』などの特定のワードを言うだけで、キラキラとした目で何度も首をかしげる子も多いのではないでしょうか。
そのワードが出ると「散歩だ!」「ごはんだ!」と嬉しいことが予測できるので、期待を込めた表情であなたを見つめているのです。
4.飼い主さんを喜ばせたい
愛犬が首をかしげたとき、思わず「かわいい~!」と声をあげたことはありませんか?
はじめは別の意味で首をかしげていたのに、笑顔のあなたを見て(こうすれば喜ぶんだ!)と感じて嬉しくなり、その後繰り返しているかもしれません。
犬は飼い主さんの喜ぶ顔が何より大好きです。とともに学習能力にも長けています。「首をかしげる=ご主人様が笑顔になる」ことを学習し、わざと首をかしげているのです。
もしかすると元気のないあなたの様子を見て、(笑ってほしい…)という思いから首をかしげている可能性も。そう思うと犬という動物は健気でいじらしいですね。
体に違和感や不調がある可能性も
愛犬が何度も首をかしげるのに、とくに思い当たる理由がない…。その場合は、もしかすると違和感や不調のサインかもしれません。
実際耳の中が痒かったり痛かったりするなどの違和感から耳を傾けていて、その仕草が首をかしげているように見えることも。
耳の病気以外にも、皮膚炎や神経系の疾患を発症している際もよく首をかしげます。
ケガをしているなど一目で分かる症状ではないため、ぱっとみでは分かりづらいかもしれませんが、少しでも愛犬の様子に異変を感じたら、迷わず動物病院を受診しましょう。
まとめ
犬が首をかしげる仕草はとても愛らしいですよね。その心理も音の出どころを探っていたり、飼い主さんに喜んでほしいなど可愛らしい理由からくることがほとんどです。
しかし、1日に何度も首をかしげる様子には注意が必要です。何かしらの病気からくる違和感や不調かもしれません。
首をかしげるシチュエーションや愛犬の表情をよく観察して、適切な対応をしてあげましょう。