大型犬の平均寿命は他の犬種に比べて短い傾向に
現在、日本で暮らす犬全体の平均寿命は14.65歳と昔に比べて長生きしていることがわかります。しかし、犬種ごとに見てみると、小型犬や中型犬に比べて、大型犬の平均寿命は約13歳と短命です。
実際、大型犬の寿命が短いことは昔から囁かれていたため、何かしら他の犬種に比べて短命になりやすい原因があると考えられます。
なぜ?『大型犬』が短命といわれる理由3選
なぜ大型犬は他の犬種に比べて短命だといわれているのでしょうか。ここでは考えられる理由を紹介します。
1.他の犬より成長スピードが早い
大型犬は他の犬よりも4才以降の成長スピードが早いといわれています。1才までは大型犬よりも小型犬の方が人間年齢に換算すると成長が早いのですが、小型犬や中型犬は1才を超えると成長スピードが落ち、4才になる頃には、大型犬の成長スピードが最も早くなるといわれています。
この理由について正確に解明されているわけではありませんが、一説に大きな体を維持するために、小型犬や中型犬よりも多く細胞が分裂していることが原因ではないかと考えられています。
細胞分裂の回数が増えるということは、ガンの発症率が高まるということ。実際、大型犬のガンの発症率は小型犬に比べると高く、死亡原因の多くがガンであることが判明しています。
この理由から大型犬は成長スピードが早く、ガンの発症率が高いことや成長スピードの早さによって老化も早まりやすいために、寿命が短い傾向にあるのでは、と考えられています。
2.体格に対して臓器が小さく負担がかかりやすい
犬の臓器の大きさは大型犬であっても小型犬であってもあまり変わりはないといわれています。つまり、大型犬の持つ大きな体格に対して、小型犬や中型犬よりも臓器が小さく、体全体に負担がかかりやすいことも短命の原因なのでは、と考えられているのです。
小さな臓器で大きな体を動かすことは、歩くたび、遊ぶたび、走るたびに臓器に大きな負荷がかかることを指しています。
臓器に負荷がかかれば、疾患や体調不良、ストレスにもつながりやすく、これらの要因で寿命が縮まっているのではないかという説です。
3.IGF-1因子の分泌が多い
犬の体の大きさは「IGF-1因子」と呼ばれる遺伝子が関係しているという説があります。実は、このIGF-1因子の分泌量が多ければ多いほど体が大きくなり、それに伴い、寿命が短命になりやすいと考えられているのです。
IGF-1因子が多く分泌されている犬種の多くは、平均寿命が短い傾向にあることから、大型犬や超大型犬が多く分泌しているIGF-1因子は、犬の短命に関係しているのでは、という説が唱えられています。
大型犬の健康寿命を少しでも伸ばすために飼い主ができること
大型犬の平均寿命が短い理由は、遺伝的な要因が大きいため、飼い主の努力で寿命を意図的に伸ばすことは難儀です。しかし、少しでも長く大型犬と元気に楽しい時間を過ごせるよう努力することはできます。
大型犬の健康寿命を少しでも伸ばすためには、以下のような取り組みが効果的です。
- フローリングにマットを敷いたり滑り止めコーティングを施す
- 肥満にならないよう食事管理と適度な運動を行う
- 年齢に合った食事量や食事内容を検討する
- スキンシップを取りながら体に異常がないかチェックする
- スキンシップ中にマッサージを取り入れてコリをほぐしてあげる
- 1年に1回を目安に定期的な健康診断を受ける
大型犬になるべく長く元気でいてもらうためには、生活環境や生活習慣を整えてあげることが重要です。ぜひ以上の取り組みを参考に、大型犬の体に負担がかからないような生活を整えてあげましょう。
まとめ
いかがでしたか。大型犬が短命といわれる理由は、主に遺伝的な要因が大きく関係しています。遺伝的な理由は努力ではなかなか変えることが難しいので、少しでも健康寿命を延ばせるよう、生活習慣や生活環境を見直してみましょう。