犬は亡くなる前に飼い主から離れようとする…理由は?
犬は亡くなる直前、飼い主から離れようとするという話があります。今では室内で飼われている犬が多いので、このような話は減りましたが、一昔前、屋外で飼育されていた頃は老犬が脱走してそのまま帰らぬ犬に…という話も珍しくありませんでした。
なぜ犬は亡くなる前に飼い主から離れようとするのでしょうか。ここでは、考えられている理由を紹介します。
1.敵に襲われないために隠れようとする野生本能
犬には野生時代の動物的本能が残されています。野生動物として暮らしていた頃、亡くなる直前は体力も気力も残っていないため、敵に襲われてしまうと逃げることができませんでした。
そのため、あらかじめ敵に襲われず最期を迎えようと仲間から離れ、1匹静かに隠れてその時を待つ犬も多かったと考えられています。この頃の名残が現在の犬たちにも残されているのではないかと考えられているのです。
2.襲撃に仲間が巻き込まれないようにという本能
前述した内容に通ずる部分がありますが、野生動物の暮らしは弱肉強食です。すでに弱っている亡くなる直前の動物は、敵に狙われやすい傾向にあります。
そのため、自分のせいで仲間が襲撃に巻き込まれないように、という考えから、自ら群を離れて最期を迎える犬も多かったと考えられています。現在も「飼い主や家族に迷惑をかけたくない」という考えが残っているのではないかと唱えられています。
3.弱っている姿を見せたくない
犬に限らず動物は弱っている姿を見せたくないというプライドとも言える本能が残されています。そのため、死ぬ直前の弱った姿を家族に見せたくなく、飼い主から離れた場所へ移動しようとする犬も多いといわれています。
ただし、現在は室内で家族と一緒に過ごしている時間が長いため、すでに弱い姿を見せている犬が多いです。したがって、このような感情や本能が薄れていると考えられます。
4.静かな場所でゆっくりと休みたい
静かな場所でゆっくり休みたいという心理から、そっと家族から離れた場所に移動し、そのまま亡くなってしまう犬もいるようです。
わざわざ脱走することはありませんが、家族から見えない場所へと身を隠し、「あれ?〇〇は?」と探してみると、ひっそりと静かに横たわりながら離れた場所で息を引き取っていた…という話もあります。
5.飼い主を悲しませたくないという説も
犬は長い歴史の中で人間のパートナーとして過ごしてきたため、人間の感情を読み取ることに長けています。この能力を踏まえて、大好きな家族や飼い主を悲しませたくないという思いから、離れた場所で静かに最期を迎えようとする犬もいるのでは、という説も唱えられています。
ただし、犬の感情に関しては明確に科学的根拠があるわけではありません。そのため、仲間を思う社会性や協調性の高い犬ならではの思考として「あり得るのではないか」という段階にとどまっています。
犬が亡くなる直前に見せる前兆とは
最後に、犬が亡くなる直前に見せる前兆を紹介します。
- 食欲不振
- 寝たきりの状態になる
- 呼吸のリズムが乱れる
- 体温の低下
- 発作や体の震え
- 排泄のコントロールができない
- 体や口から普段と違うニオイがする
以上の前兆が見られた場合は、死期が迫っている可能性が高いです。ご家族でなるべく愛犬の側に寄り添ってあげたり、延命治療はするか否か、どのように看取るのかなど、最期の過ごし方をよく話し合って決めておきましょう。
まとめ
犬が亡くなる前に飼い主から離れる理由について、さまざまな考えが取り上げられています。実際は動物的本能が関係していると考えられているため、弱い姿を見せたくない、襲撃されないためという本能が働いていることが影響していると考えられます。
どのような理由であれ、愛犬に離れた場所で最期を迎えてほしくないですよね。家族とよく話し合い、愛犬の看取り方をあらかじめ決めておきましょう。