犬が「ペットロス」になっているときの行動や症状
犬と暮らしていると、いつか必ず訪れる別れの日を考えることがあるのではないでしょうか。予想することはできますが、実際に自分の身に起きてみると、消化しきれない感情を覚えるものです。
我が家では常に多頭飼いをしており、これまでに2匹の犬を看取りましたが、残された犬にも人間と同じようなペットロスによる行動や症状が見られることが分かりました。
いつも通りに過ごしているようで、明るく元気に振る舞っているようで、不安や寂しさや表現することのできない、もどかしい気持ちを抱えているのではないでしょうか。
もしも愛犬にペットロスの行動や症状が見られたとき、飼い主として何をしてあげられるでしょうか。ぜひ一緒に考えてみましょう。
亡くなった犬のニオイを探し回る
犬がペットロスになっているとき、家のあちこちに残された、亡くなった犬のニオイを探し回ることがあります。
犬は仲間の死を認識することができます。亡くなったことは分かっているのです。しかし、家の中にはニオイが残されており、不安や寂しさを紛らわすようにして、ニオイを探し回るのです。
亡くなった愛犬が使っていたものは、無理に処分しなくても大丈夫です。ベッドやブランケットは、ペットロスになってしまった愛犬に与えてもよいのではないでしょうか。
ニオイを感じられるだけでも、不安や寂しい気持ちが少しでも和らぐのではないかと思います。
ごはんを食べなくなる
犬がペットロスになっているとき、ごはんを食べなくなることがあります。
いつも一緒に食事をしていたのではないでしょうか。私たち人間が感じる「みんなで食べると美味しい」や「一緒に食べると楽しい」という気持ちは、犬にもあると思います。
空腹は感じているものの、ひとりでは食欲がわかないのでしょう。一緒に食べる仲間がいないこと、ひとりで食べることに違和感があるのかもしれません。
飼い主が食事をするとき、愛犬にもごはんを用意してはいかがでしょうか。飼い主と一緒に食事をすることで、食欲がわくことがあります。
何日も食べずにいるときは、好物をトッピングするなど、食欲がわく工夫をしてあげるとよいと思います。
甘えん坊になる
犬がペットロスになっているとき、甘えん坊になることがあります。
飼い主の後をついて回ったり、飼い主の膝の上に座りたがったり、離れられなくなることがあります。
これまで仲間と支え合って生きてきました。お留守番中もずっと一緒だったのです。飼い主に甘えることができないとき、甘えることができる相手だったのでしょう。
分離不安症にならないためにも、これまでと同じように、犬がひとりになる時間(お留守番)は必要です。過度に一緒にいると、本当に離れられなくなってしまいます。
お留守番してもらうとき、ひとりで過ごしてもらうとき、思いっきり甘えん坊になってもらうときなど、メリハリを持つようにしましょう。
体調を崩しやすくなる
犬がペットロスになっているとき、体調を崩しやすくなることがあります。
- 嘔吐
- 下痢
- 軟便
- 便秘
- 発熱
- 血尿
このような症状が見られることがあります。何度も吐いたり、苦しそうにしていたり、症状が長引くときは、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
主にストレスが原因なのではないかと考えることができます。さらにストレスが高まると、皮膚炎や脱毛などの症状が見られることもあります。
犬同士のコミュニケーションが不足しているのかもしれません。コミュニケーション不足はストレスの原因になります。ドッグランへ行くなど、他の犬と触れ合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
犬が「ペットロス」になっているときの行動や症状を解説しました。
大切な家族を失ったとき、悲しみ・孤独・不安・罪悪感などの感情を抱くことは、心の自然反応です。ペットロスになることは、人間も犬も、決して悪いことではありません。
落ち込んだり、苛立ったりすることがあるかもしれません。お散歩に行けないかもしれません。ごはんを食べることができなくなってしまうかもしれません。眠れない日もあるでしょう。
ペットロスによる心の症状は、必ず軽くなります。想像するよりもずっと時間がかかるかもしれません。
病気ではなく、心の自然な反応による症状です。向き合えない日があっても大丈夫です。愛犬の心の症状が良くなるときまで、愛情と優しさでサポートしてあげてくださいね。