犬の歩き方に異常を引き起こす『ナックリング』とは?初期症状や対処法、予防法まで徹底解説

犬の歩き方に異常を引き起こす『ナックリング』とは?初期症状や対処法、予防法まで徹底解説

『犬のナックリングの初期症状・対処法・予防法』についてまとめました。「ナックリング」は、シニア犬に起こりやすく、全ての犬に症状が起こる可能性があります。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬の「ナックリング」とは

お散歩する小型犬4匹

「ナックリング」とは、犬の足先の神経伝達が正常に行われず、足の感覚に異常を起こすことを言います。

ナックリングの症状は、犬の前足にも後ろ足にも起こることがあります。また、犬種に関わらず、全ての犬に起こり得る症状です。

とくにシニア犬に起こりやすいです。筋肉が衰えること、脊椎が変形することなどが主な原因です。我が家の13歳の中型犬にも最近、ナックリングの症状が見られることがあります。

また、ダックスフンドやウェルシュコーギーなどの胴長で短足な犬種の場合では、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症の症状として、若い犬にもナックリングが起こることがあります。

犬の「ナックリング」の初期症状

歩く茶の犬、手足の先が白い

犬の「ナックリング」の初期症状はどのようなものなのでしょうか。

歩いているとき、足の先が折れるように「カクンッ」となることがあります。一瞬、何かにつまずいたように見えるかもしれません。

シニア犬のお散歩中、帰宅する途中でよく見られることがあります。歩き疲れてしまったとき、筋肉が疲労しているときに症状が出やすいのかもしれません。

また、足の先を伸ばすことができないのか、内側に曲げたままの状態で立ち上がったり、歩いたりすることがあります。手首・足首から下がダラリとしていて、上手く力が入らない様子です。

犬の「ナックリング」の対処法

犬の後ろ足をマッサージ

では、愛犬が「ナックリング」を起こしてしまった場合、どのように対処すべきなのでしょうか。

手足のマッサージをする

犬の手足を動かしながらマッサージをすることで、血流が促進され、鈍くなった感覚を取り戻せることがあります。

  • 朝起きたらマッサージをする(体の活動スイッチをONにするイメージ)
  • お散歩の前にマッサージをする(準備運動をするイメージ)
  • お散歩から帰ったらマッサージをする(疲れを緩和するイメージ)

私も実際にこの3つのタイミングで愛犬のマッサージをしています。シニア犬であれば、手足のマッサージだけではなく、全身のマッサージをし、全身の血流を促進するのも良い対策になると思います。

ナックリング用の靴を履かせる

犬の足の先を引き上げることができる機能や手足の裏(肉球)にしっかり体重を乗せることができる機能が備わった、ナックリング用の靴があります。

お散歩中、カクンッとなってしまうことが多くなったな…というときのサポートによいアイテムです。

愛犬の手足に合わないものを履かせると、手足を痛めてしまうことがありますので、慎重に選びましょう。

補助ハーネスをつける

犬の胸やお腹を支えて補助することができるハーネスがあれば、足の先がカクンッとなったときも安全です。

ナックリング用の靴を嫌がったり、脱げやすかったりするときは、補助ハーネスの方がお散歩を楽しめるのではないでしょうか。

動物病院で診察を受ける

愛犬のナックリングの症状が気になるときは、動物病院で診察を受けましょう。

神経の働きをサポートするサプリメント、関節の動きをサポートするサプリメント、痛みに対処するお薬など、適切なものを処方していただけるかと思います。

靴やハーネスを活用したいときも、まずは獣医師に相談し、愛犬のナックリングの状態や症状に合わせた対処法を指導してもらうことも大切だと思います。

犬の「ナックリング」の予防法

バランスディスクに乗るコーギー

シニア犬になると、足腰の筋力が衰えます。若い頃と同じように維持することは難しいです。少しでも筋力や機能の低下を遅らせなければなりません。

ナックリングの予防法としては、毎日のお散歩で若い頃から足腰を鍛えておくこと、マッサージをすることで全身の血流を促進することです。

まとめ

散歩で上手く歩けない犬

今回は、犬の歩き方に異常を引き起こす「ナックリング」について解説しました。

シニア犬になると、「ナックリング」が起こりやすいです。ナックリングの症状をきっかけに、お散歩を嫌がるようになってしまうことがあります。

毎日のお散歩を習慣にし、お散歩以外にもかるい運動を取り入れるなど、元気で健康で若いうちから予防対策をしましょう。

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