犬に人間用の市販の野菜ジュースを飲ませてはいけない理由
野菜には、犬の免疫機能を保つ働きがある栄養素や皮膚の炎症を抑える働きがある栄養素など、愛犬の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
また、甘くて美味しい人間用の市販の野菜ジュースには、キャベツ・ブロッコリー・カボチャ・トマト・にんじん・ほうれん草・さつまいも・ケールなど、犬が好む野菜も含まれています。
とはいえ、これらの野菜を一度に全部犬に与えるのは量も手間もいろいろな面で大変ですよね。それなら野菜ジュースで…と思ってしまう人もいるかもしれません。
しかし、野菜ジュースを作る過程で、野菜を粉砕したり加熱したりすることによって、壊れやすい栄養素があります。とくに壊れやすい栄養素には「ビタミンC」がありますが、人間用の市販の野菜ジュースの原材料に「ビタミンC」と表示されているのは、食品添加物として添加されているためです。
厳密にいえば、「野菜を与えること」と「野菜ジュースを与えること」は全く同じではないと言えるでしょう。
そこで今回は、犬に人間用の市販の野菜ジュースを飲ませてはいけない理由について、及ぼす悪影響と合わせて解説します。ぜひ正しく理解しておきましょう。
塩分過剰になる恐れがあるから
市販の野菜ジュースは人用に作られているため、塩分が多く含まれています。
塩分無添加の野菜ジュースも栄養成分をよく確認すると製品200mlあたりナトリウムが0~131㎎、食塩相当量が0~0.34gと記載されており、塩分無添加ですが含まれている場合があります。
体重5㎏の犬が1日に必要とする塩分は0.6gですが、ドッグフードにはこれを満たすナトリウムが含まれているため過剰になります。
肥満や糖尿病になるリスクを高めるから
犬に人間用の市販の野菜ジュースを飲ませてはいけないのは、肥満や糖尿病になるリスクを高める恐れがあるためです。
野菜ジュースが甘くて美味しくゴクゴク飲めてしまうのは、糖分が含まれているからです。野菜ジュースには果糖が多く含まれ、たくさん摂取すると糖分の摂りすぎになります。
もちろん、犬が1本200mlを全て飲むわけではないと思いますが、それだけ糖質が多く含まれている飲み物であるということなのです。
糖質の摂りすぎは、犬にとっても肥満や糖尿病の原因になります。
中毒症状を引き起こすリスクを高めるから
犬に人間用の市販の野菜ジュースを飲ませてはいけないのは、中毒症状を引き起こすリスクを高める恐れがあるためです。
野菜ジュースの原材料には、犬が摂取すると、中毒症状を引き起こす栄養素を含んだ野菜が含まれていること可能性があります。
中毒症状や体調不良のリスクを背負ってまで犬が人間用の市販の野菜ジュースを飲む必要はないでしょう。
まとめ
今回は、犬に人間用の市販の野菜ジュースを飲ませてはいけない理由について解説しました。
愛犬に不足した栄養素を野菜から補いたいとき、おやつや間食や嗜好品として与えたいときは、茹でたり蒸したりした野菜を少量、食べさせてあげるとよいと思います。
不足している栄養素があるのではないかと不安に思われるのであれば、ぜひ獣医師に相談しましょう。