犬の健康を維持する上で水分補給は欠かせない
犬の体は60〜70%が水分で占められていると言われています。この水分比率が保たれていないと、体温調節や塩分調節がうまくできず、代謝の悪化や消化吸収の悪さにつながり体調不良につながりかねません。
一般的に犬は、1日に体重1kgあたり約50〜60mlの摂取量が理想とされています。愛犬の体重を考慮し、1日にどのくらいの水を摂取するべきなのか把握しておきましょう。
犬に与える飲み水の『適正な温度』とは
犬に水を与える際、「どのくらいの温度で与えるべきなのだろう」と疑問に思うことはありませんか。暑い夏場は冷たい水を、寒い冬場は温かい白湯をと考える人もいると思います。犬にとっての飲み水の適正温度を把握しましょう。
1.適正な飲み水の温度は『15〜25℃』
一般的に、犬にとって適正な飲み水の温度は『15〜25℃』といわれています。この温度は水道水を出した時の温度と合致しているため、常温の水が犬にとっては最も体に適した温度といえます。
したがって、犬の飲み水を与える際は器に水道水から出した水を注ぎ、そのまま与えるのが最適な与え方なのです。特に日本では水道水も消毒されています。気になる方は蛇口に浄水器を取り付けることをおすすめします。
2.冷えている水を与えると体が冷えて体調不良に
暑い夏場は冷えた水を与えて涼んでほしいと考える方も多いでしょう。しかし、あまりにも冷えた水を飲んでしまうと、犬は体温調節が苦手な動物なので体調を崩してしまう恐れがあります。
内臓に負担がかかり下痢や嘔吐、腹痛などの消化器症状を発症する恐れもあります。夏場は脱水症状にならないよう水を多めに摂取することも大切ですが、水を冷やしすぎないよう気をつけましょう。
3.お湯は犬にとって想像以上に熱く舌を火傷することも
反対に冬場は少しでも温かいお湯をと、白湯を与える人も見かけます。しかし、犬の舌は人間以上にデリケートなので、少しでも熱さを感じると火傷を負ってしまいます。
ただし、冬場に水道から出てくる水は外気温の影響を受けて非常に冷たいです。この場合は、水を入れてしばらくの間は室温にならし、常温(約15〜25℃)に戻してから与えるとよいでしょう。
4.老犬にはより高い温度『20〜35℃』を目安に
犬にとっての飲み水の適温は『15〜25℃』とお話ししましたが、老犬の場合は体への負担を考慮して、もう少し高めの温度でお水を与えてあげましょう。
目安としては『約20〜35℃』が安心です。ぬるま湯よりも少し低い温度で与えてあげることで、内臓への負担を軽減することができます。
他にも犬に負担をかけてしまう飲み水の与え方は?
犬に水を与えるときは、犬の体に負担がかからないよう注意が必要です。温度以外には、どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。
- 硬水のミネラルウォーターは負担がかかるため避ける
- 一日中出しっぱなしにせず、最低でも1日2回は交換する
上記の2点には注意が必要です。日本で販売されているミネラルウォーターの多くは軟水なので問題ありませんが、硬水にはカルシウムなどの成分が多く含まれているため、病気の原因となったり腹痛になる恐れがあります。
また、水を一日中出しっぱなしにしていると水の中に埃などの異物が混入し、衛生的に不安が残ります。また、細菌が繁殖しやすくなり食中毒症状を引き起こす恐れもあるので、必ず1日2回は交換しましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬の飲み水を善意で冷やしたり温めたりすると、かえって体に負担をかけてしまうことも。今回紹介したように、15〜25℃の常温の水道水を与えるのが犬にとって適しています。ぜひ参考に愛犬への飲み水の与え方を見直してみてください。