犬が散歩中に負いかねないケガ
お散歩中、愛犬の安全と命を守るため、どのような対策をされていらっしゃるでしょうか。
飼い主のちょっとした不注意が原因となり、愛犬がケガを負ってしまうことがあります。小さなケガも放っておくと、化膿するなどし、悪化してしまうことがあります。
お散歩中、愛犬が負いかねないケガを知り、安全を守るための対策や命を守るために意識するべきことについても改めて確認しておきましょう。
1.肉球のすり傷
お散歩中の犬の肉球のすり傷は起こりやすいケガです。とくに子犬のやわらかい肉球はすり傷を負いやすく、出血することもよくあります。
成犬になるにつれて肉球が硬くなると、ケガをしづらくなりますが、引っ張り癖があるなどし、逆にすり傷を負いやすくなる犬もいます。
子犬のうちは、なるべく土や芝生の地面を歩かせるようにしましょう。アスファルトを歩くときは抱っこしたり、ペットカートで移動したりするとよいと思います。
成犬の引っ張り癖は、肉球のすり傷の原因になりやすいです。まずは引っ張り癖を改善しましょう。
肉球にすり傷を負うと、犬は舐め続けます。傷口を水で洗い流し、すぐに動物病院へ行きましょう。
すぐに動物病院へ行くことができないときは、傷口を水で洗い流した後、犬が舐めないようにするために、くっつく包帯を巻いておくのがおすすめです。
2.肉球の火傷
お散歩中、高温になったアスファルトを歩いたとき、犬が肉球に火傷を負ってしまうことがあります。
炎天下のアスファルトは表面温度が60℃を超えます。一見ひんやりとしそうな芝生も、炎天下では表面温度が40℃を超えますし、木陰の芝生でも表面温度は30℃近くなります。
真夏の日中は犬の肉球の火傷だけでなく、熱中症も心配されます。抱っこやペットカートでの外出も控えた方がよいでしょう。
地面の表面温度が高いとき、どうしても外に出て排泄をしなければならないときは、安全対策として、犬用の靴や靴下を履かせてからお散歩することをおすすめします。
3.動物咬傷
お散歩中、犬に咬まれる・猫に咬まれる・野生動物に咬まれるなど、愛犬が咬傷を負うことがあります。
他の犬とすれ違うとき、犬同士が接触することがないよう、リードを短く持ちましょう。伸縮リードは、犬が強く引っ張ったとき、ロックが解除されることがありますので注意しましょう。
犬同士の感染症は、混合ワクチンの接種で防ぐことができます。任意ではありますが、愛犬には積極的な接種をおすすめします。
猫や野生動物を見かけたときは、愛犬を近づかせないようにしましょう。子猫がそばにいる子育て中の母猫や野生動物が襲いかかってくることがあります。
愛犬が猫や野生動物による咬傷を負うと、持つ病原体による感染症リスクが高まります。お散歩中、愛犬が他の動物に咬まれたときは、早急に動物病院へ行きましょう。
4.気管虚脱
犬の気管虚脱は、先天的(遺伝)である可能性が高く、後天的である場合には肥満や腫瘍などが原因となることがあるとされています。
しかし、お散歩中に負ったケガが原因となることもあります。首輪やハーネスが首を圧迫し、気管が潰れてしまうことがあるのです。
そのため、愛犬に引っ張り癖がある場合には、首に負担のかかりにくいハーネスを選び、引っ張り癖を改善することを優先しましょう。
また、いきなりグッとリードを強く引っ張る飼い主の姿を目にすることがありますが、これは大変危険な行為です。
潰れてしまった犬の気管は元に戻りません。外科手術による治療は可能ですが、高度な技術を要するため、手術できる獣医師を見つけることが困難です。
リードを強く引くことではなく、待てや止まれなどの指示でコントロールできるようにしましょう。
まとめ
犬が散歩中に負いかねないケガを4つ解説しました。
- 肉球のすり傷
- 肉球の火傷
- 動物咬傷
- 気管虚脱
愛犬がお散歩中にケガを負ってしまったときは、ケガの程度を確認しましょう。出血がなく、犬が気にしない様子であれば、様子を見てもよいと思います。
傷口は水で十分に洗い流し、やわらかいタオルで優しく拭いた後、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。
なお、人間用の消毒液や塗り薬は使用しないでください。そのままでは心配されるのであれば、動物病院へ行きましょう。
出血が止まらないとき、傷が深いとき、犬が気にして執拗に舐めるときは、すぐに動物病院で適切な治療を受けましょう。
そして、まずは何よりも愛犬にケガを負わせないための対策をし、意識してお散歩に出かけましょう。