認知症の犬にあらわれる症状
犬も人間と同じように、加齢とともに『認知症』を発症することがあります。
認知症の犬にあらわれる症状は、主に以下のとおりです。
- 夜鳴き
- 徘徊
- 狭い場所に入って身動きが取れなくなる
- 食欲の増加もしくは減退
- トイレの失敗
- 昼夜逆転
認知症は脳の老化によるものだと考えられていますが、未だに原因ははっきりと分かっておらず、根本的な治療法も確立されていません。
もし愛犬の様子に異変を感じたら、認知症以外に原因がある可能性も踏まえて早めにかかりつけの獣医師に相談し、ケアの方法を教えてもらうようにしましょう。
認知症の犬は家族のことを忘れることがある?
悲しいことですが、犬は認知症になると家族のことを認識できなくなることがあります。
犬は言葉が話せないため「あなた誰?」なんて言うことはありませんが、飼い主が触ろうとした時に怖がったり威嚇したりする様子が見られたら、家族だということが分からなくなっている可能性が高いでしょう。
ただし、認知症の犬は耳や鼻の機能が衰える上に警戒心が強くなりますので、家族が近づいてきたことに気づかず驚いて威嚇している可能性もありますし、脳機能の低下によって飼い主のことを思い出したり忘れたり、を繰り返している場合もあるかもしれません。
愛犬に唸られてしまうと「忘れられてしまったのかな?」とショックを受けるかもしれませんが、認知症による症状だと理解してこれまでと変わらない愛情を持って接しましょう。
一度忘れられてしまっても、日常的にお世話をして触れ合っていれば、認知症の愛犬とも新たな絆が生まれるはずです。
認知症の犬に必要なケア
愛犬が認知症になってしまったら、次のようなケアを心がけましょう。
1.栄養バランスの取れた食べやすい食事
認知症の犬にはDHAやミネラル、ビタミンなどをメインにバランスの取れた食事を与えるようにしましょう。
加齢とともに、犬は骨や筋肉が弱くなり脂肪がつきやすくなるため、カルシウムを含んだ低カロリーで高たんぱくな食事を意識してください。
噛む力が弱くなっている犬には、ドライタイプからウエットタイプのフードに切り替えるのもオススメです。
2.部屋のレイアウトを変える
認知症の犬は空間認知機能が衰え、家具と壁の隙間に挟まったりぶつかったりすることが増えてしまいますので、ケガをしたり動けなくならないように家具の配置を工夫しましょう。
徘徊がひどい場合は、円形のサークルや子供用のビニールプールの中に入れてあげるとぶつからずに回り続けることができます。愛犬の状態を見ながら、柔軟に部屋の模様替えをしてあげましょう。
3.動物病院で治療を受ける
はっきりした原因がわかっていないこともあり、「認知症を治す」治療法は現在確立されていません。
しかし、動物病院では認知症による症状の進行を遅らせたり、精神的に不安定になりがちな老犬を落ち着かせるサプリメントや薬を処方してもらうことが可能です。
悩みを抱えがちな飼い主の相談にも乗ってくれるので、なにか困りごとがあれば獣医師に相談してみましょう。
4.愛情を持って接する
飼い主のことを認識できなくなっても、今までできていたことができなくなっても、愛犬には変わらず愛情を持って接してください。
飼い主とのスキンシップやコミュニケーションは犬に良い刺激を与え、認知症の症状や進行スピードを和らげる効果が期待できます。
愛犬が認知症になってしまっても、老犬ならではの可愛さを感じながらたくさん愛情を注いであげましょう。
まとめ
認知症になった老犬は、家族のことを認識できなくなってしまうことがありますが、心を込めてお世話を続けていれば絆が消えることはありません。
飼い主は若い頃と比べて悲観するのではなく、今を懸命に生きている愛犬のことを第一に考えて向き合ってあげましょう。